[テイスティング]2012.10.18

ビールと料理のペアリング:よなよなエール at アカデミー・デュ・ヴァン編

 一ヵ月近く前の話で恐縮だが、アカデミー・デュ・ヴァンのビール講座でビールと料理のペアリングをおこなった際のレポートをさせていただく。

 今回、2つの料理に2種類のビールをペアリングした。

 まずはじめの料理は、黒コショウをたっぷりまぶした鰹のスモーク。

 <黒コショウをたっぷりまぶした鰹のスモークの作り方>
・キッチン用ダッチオーブンまたはストウブ鍋のような厚手の鍋にアルミホイルを敷き、スモークチップを撒く。
・鍋に蓋をしてコンロにかける。火加減は強火。
・黒コショウ(粒)を、砕く。まな板の上でしゃもじを使って押しつぶすとイイ。
・黒コショウと塩をバットに敷く。
・そのうえに鰹のサクを乗せ、転がす。まんべんなく付くように。
・鍋蓋の隙間から煙が漏れ出したら、蓋を取り、軽くシワをつけたアルミホイルを敷き、そのうえに鰹を乗せ、蓋を閉める。この時、煙を吸い込まないように注意すること。火加減は中火程度。
・数分待って、蓋を開けてみて、鰹の表面が色づいていれば取り出す。色がついていなければ、もう少しスモークし続ける。
・鰹をスライスして薬味と共に盛り付ける。薬味は玉ねぎ、ミョウガ、ショウガ、ニンニク、浅葱などお好みで。

ビールは東京ブラックを合わせた。
スモークされた食べ物は黒色系のビールと相性がいい。
色の濃いビールはローストされたモルトが使われているので、そのこうばしさが炙り系やスモーク系料理の持つ「焦げ感や燻し感」と共通する風味があるのだ。
また、生魚の生臭さをロースト感がマスキングしてくれるのでいい塩梅である。
生魚に淡色系に下面発酵ビール(ピルスナーなど)を合わせると生臭さが強調されるので避けたいところだ。

次の料理はチキンのグリル。

<チキングリルの作り方>
・鶏もも肉の無駄な脂を切り取り、筋を切っておく。
・鶏もも肉に塩とコショウをしっかりめにふる。
・グリルパンを熱し、鶏肉を皮目から焼く。グリルパンから浮かないようにしっかりと押さえる。(ベーコン押さえや鍋など乗せておくとよい)
・焼き目がついたら鶏肉を90度回転させ焼く。(焼き目が×状につくようにする)
・皮目が焼けたら身側も焼く。
・両面が焼けたら、鶏肉を網つきバットにとり、アルミホイルをかぶせる。
・余熱が鶏肉に入るまで待つ。触って熱くない程度まで待つ。
・スライスして盛り付ける。

ビールはよなよなエールのリアルエールバージョンを合わせた。
この料理もまた、焼けたこうばしさがあるので、濃色系のビールを選びたい。
しかし、鶏肉自体は淡白な味わいなので、黒色系ビールの強さとはバランスがとりづらいため、よなよなエールほどの色合いがマッチする。これが“照り焼きチキン”となると、さらに濃い色から黒色系のビールが良い組み合わせとなってくる。
よなよなエールの持つ柑橘系ホップのフレーバーは、鶏にレモンの組み合わせを彷彿とさせ心地よい。

 なお、今回のペアリング講座は、教室に東京ブラックのサーバーとよなよなリアルエールのハンドポンプをお借りしておこなったが、ご家庭では缶で楽しむことが出来る。ぜひお試しいただきたい。

 ビールと料理のペアリングは、今後もレポートしていきたいと考えているのでこうご期待。
 

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この記事を書いたひと

藤原 ヒロユキ

ビール評論家・イラストレーター

ビアジャーナリスト・ビール評論家・イラストレーター

1958年、大阪生まれ。大阪教育大学卒業後、中学教員を経てフリーのイラストレーターに。ビールを中心とした食文化に造詣が深く、一般社団法人日本ビアジャーナリスト協会代表として各種メディアで活躍中。ビールに関する各種資格を取得、国際ビアジャッジとしてワールドビアカップ、グレートアメリカンビアフェスティバル、チェコ・ターボルビアフェスなどの審査員も務める。ビアジャーナリストアカデミー学長。著書「知識ゼロからのビール入門」(幻冬舎刊)は台湾でも翻訳・出版されたベストセラー。近著「BEER HAND BOOK」(ステレオサウンド刊)、「ビールはゆっくり飲みなさい」(日経出版社)が大好評発売中。

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