男湯でビール造り!? 「ゆるりと大阪・ひとりビール」(1) ~淡路~
私たちは日常生活の多くの時間を仕事仲間や友達、家族と過ごしています。
人と接することにちょこっと疲れを感じてしまったら、いつもの空間から少し離れて自分を解放する時間を持ってみませんか?
「ゆるりと大阪・ひとりビール」は、ひとり時間をこよなく愛する“大阪大好きあだちめぐみ”が、大好きなビールをお供に“ひとり時間”の楽しみをご案内するコラムです。
今回の“ひとりビール”の街は淡路。 阪急大阪梅田駅から快速電車に乗って二駅目に位置する「阪急 淡路駅」から、“銭湯ビール”を目指してスタートです!
目次
大阪市内からは大阪メトロで、京都・神戸からもアクセスしやすい街
今回のひとり時間は、「淡路で“銭湯ビール”を飲みたい!」という気持ちが溢れ出たところで、まずは淡路ってどこだっけ?と調べることから始まりました。
それまでの私の淡路のイメージは、「十三の近く」「阪急電車で京都に行くときに通過する駅」でした。しかし調べてみると、淡路へは大阪市内から大阪メトロ堺筋線で乗り換えをせずに行くことができること、また阪急電車は京都・神戸をカバーしているのでどちらからでも好アクセス、しかも2019年に「JRおおさか東線(放出駅─新大阪駅区間)」が開業したことで、私が住んでいる街からもアクセスしやすく、実はとっても身近な街でした。
地元の人が行き交うにぎやかな「淡路本町商店街」
阪急淡路駅西口改札を抜けると目の前に広がるのが「淡路本町商店街」です。
「淡路本町商店街」は、昔ながらの青果店にパン屋さん、チェーン店の居酒屋が並ぶ活気ある商店街です。
最近はシャッターが閉まっている寂れた商店街が多い中、つっかけで歩いているおじさんに、ベビーカーを押したお母さん、お昼ご飯を買いに来た親子など地元の人が多く行き交い、偶然知り合いを見かけて立ち話をする光景を何度も見ることができました。
日頃、総菜や日用品はスーパーで買うことがほとんどですが、たまに“商店街”に来るとなんだかテンションが上がりますよね。
「何のお店かな?」と左右をきょろきょろ、甘い匂いがすれば「何かな?」ときょろきょろしながら、本日、“銭湯ビール”でいただくおつまみを購入して向かいます。
商店街を抜けて、東海道新幹線の高架を超えたら小学校が見えてきます。その隣にあるのが、今日の最大の目的であり、“銭湯ビール”と私が呼んでいる「上方ビール」です。
インパクト抜群!初めて行くのに懐かしい気持ちになる場所
「上方ビール」は、銭湯跡に開設されたビール醸造所。
大阪のローカルテレビで紹介されているのを偶然見かけて、「おもしろいところでビールが飲めるな~、行ってみたいな~」と、想像するだけでワクワクが止まりませんでした。
中に入ると・・・“銭湯ビール”という言葉通りのロケーションです。
元男湯がビール醸造所、元女湯がタップルームになっています。
こちらはもともと「御幸温泉」という銭湯で、2017年末まで営業されていました。
代表でありブルワーの志方昂司さんは、当初地元神戸でビール醸造ができる物件を探していました。しかしながらなかなか思うような物件に出会えず、範囲を大阪に広げて最初に紹介されたのがこの銭湯跡地でした。中に入った瞬間、「面白いことができそう!」とインスピレーションを感じ、次の物件を見ることなく即決、この場所に醸造所を開設し、2019年9月にビールの提供を始めました。
おひとりさまがくつろげるスポットが多数
すでにタップルームには手前の浴槽に3人組、そしてサウナルームには立派なカメラを首から下げた方がビールを楽しんでいらっしゃいました。タップルームは元女湯そのままであり、特に席があるわけではないので各々好きな場所でビールを楽しみます。
では、私はどこに座りましょうかね。
3人組のお邪魔にならないように、奥にある浴槽の縁に腰掛けてビールをいただきます。
銭湯に行く習慣はないのだけれど、いったいなに?この妙に落ち着く感じ・・・。
もちろん浴槽に浸かった体勢もいい感じですが、サウナルームと水風呂前もゆっくりできそうです。
ただ・・・浴槽に直接座るとだんだんお尻が痛くなってきます。浴槽に座る場合は、ブルワリーが貸し出してくれている座布団をお借りしましょう。
志方さんの話では、ひとりで来られる方も多く、本を読んだり、スマホを見たり、一眼レフカメラで銭湯とビールの写真を撮ったりと、思い思いの時間を過ごされているとのことでした。
私はビールをいただきながら、いつも持ち歩いている手帳を開きます。
今週のこと、そして来週の予定に想いをはせる、充実した時間。あ~幸せ。
上方ビールには刺身がおすすめ! ビールに合わせたペアリング指南も
タップルームでは常時4種類のビールが牛乳瓶で提供されています。
定番は銭湯エール(ペールエール)ということですが、毎回少しずつレシピを変えているため、銭湯エールという名前で提供されていても、まったく同じビールはないということでした。
こちらのタップルームではフードは提供されていません。
この場所に醸造所を構えることを決め、商店街の皆さんと話をしていくうちに、「商店街にたくさん美味しいものがあるから、買って来てもらって、うちのビールを楽しんでもらおう」という考えになったのだそう。
「ビールには餃子よね」という安易な考えで私は餃子を買ってきたのですが、志方さんに上方ビールに合う食事をお伺いしたところ、意外な答えが!
「刺身ですかね。商店街に安く魚を買うことができるスーパーがありますよ」
え? ビールに刺身? どちらかというと合わないとされている気が……。
「揚げ物やたこ焼きには香りと苦みのパンチの効いたIPAをおすすめすることが多いですが、刺身にはうちの『スナーン(ホワイトエール)』や『ごえもんエール(酒エール)』が合いますよ。気に入ったビールがあればそれに合う食事をお伝えしますので、次回来られるときに購入してきてもらえれば!」
志方さんはもともと飲食店をされていたこともあり、ビールを醸造する段階でどういった食事に合うかまで考えているそう。私も次は刺身を買ってビールに合わせてみますね。
志方さん自身、ひとりで来られている方が話しやすいということなので、商店街で買ってきたものに合うビール選んでもらって、ひとり時間を楽しむのもいいかも。
晴れた日に上方ビールをお供にゆるりとひとり時間を
ぜひぜひ、雰囲気のある銭湯でひとりビールを楽しんでいただきたいのですが、残念ながら現在はコロナの影響でタップルームは休業中です。
そこで、ホームページから上方ビールを購入することができますよ。
コロナが落ち着くまでの間、晴れた日に上方ビールをお供にひとり楽しんでみてはいかがでしょうか?
その中でご紹介したいのが、「風呂ロマン」というフルーツビールです。
高槻市にある田能という地域(高槻市はもちろん知っていましたが、田能という地域ははじめて聞きました!)のブルーベリーが使用されていて、少しピンクがかった綺麗な色とさわやかなブルーベーリーの香りが特徴のビールです。
フルーツビールとは言え、すごく甘い感じではないので食事にも合いそうです。
瓶から直接飲むのは・・・と思い、家にあったプラスチックのカップを持っていって本当に良かったです。色と香りを楽しむためにも、絶対にグラスに移して飲んでほしいビールです。
次のお休みの計画を考えるのも楽しいひとり時間
「お店でひとりビールなんて…さみしい人だと思われない?」なんて、まわりの目が気になるのは自分だけで、誰もそんなこと気にしていないかも。誰に合わせることもなく、邪魔されることなく自分がしたいことをする、そんな自分だけの時間って、なんだかとても贅沢。
SNSやテレビでたくさんの情報が目の前を通り過ぎていきますが、気になるお店やビールがあれば、さっと手帳にメモしておきましょう。そして、次のお休みめがけて、計画を立てて、それを実行するだけで達成感があるうえ、さらにおいしいビールが楽しめるだなんて一石二鳥!
こちら上方ビールは、食事に合うビールを提供してくれるだけではなく、非日常の空間へタイムスリップさせてくれるおひとりさまにはたまらないブルワリーでした。
コロナが収束したらお休みがとれる週末に、ぜひ“銭湯ブルワリー”でゆるりと“ひとりビール”を楽しみに、淡路にいらっしゃいませんか?
【上方ビール】
〒533-0031
大阪府大阪市東淀川区西淡路3丁目15−6
電話番号 06-6829-6550
WEB https://kamigatabeer.co.jp/
FB https://www.facebook.com/kamigata.beer
タップルーム
土曜日・日曜日 14:00~19:00(L.O18時半)
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。