ビール広告、撮影の話ー1
ビールの広告の写真、実にうまそうに写ってますね。
特に、瓶や缶やグラスについている水滴。
あれが肝であることは誰しも感じるところでしょう。
しかしあれ、ほとんどのケースで、
<油>であることをご存知ですか?
僕は、32歳まで雑誌の編集部で働いていました。
講談社の『PENTHOUSE』『Hot- Dog PRESS』に共に4年ずつ。
どちらもビジュアルの多い雑誌でしたからそれはもう撮影の日々。
『PENTHOUSE』ではグラビア、インタビュー、
カルチャーの作リ込みなどの撮影が多かったのですが
『Hot- Dog PRESS』では、メイン担当女の子特集以外に
「企業タイアップ」を担当しました。
隔週雑誌でしたが、各号に1本から2本と、
いろんなメーカーの広告的編集記事を作るんです。
当然、ブツ撮りが多くなり、それまで知っていた
ヌードグラビアのノウハウとはまったく違う、
ブツ撮りのさまざまなノウハウを現場で学びました。
オーディオ、整髪料、アメイジング系、飲食系などを多く担当しましたが
特に「お酒」は在籍中はのはすべて僕に回ってきていました。
よほど酒が好きだという雰囲気を漂わせていたのでしょう(笑)。
雑誌記事レベルですから、
ポスターなどのいわゆる「純広」と違って
さほど神経質にがちっと作り込みはしませんが
それでも、瓶、缶、グラスが出てくるカットはできるかぎり
旨そうに写そうとカメラマンと頑張ります。
肝は<シズル感>→(Yahoo!辞書)ってやつですね。
そこで知ったのが、冒頭に書いたこと。
ブツ撮りが専門のカメラマンに教えて頂いで初めて知ったのが
「アートマイザー」と言われるものでした。
小さめの瓶に<油>のような成分のこれが入っていて
霧吹きのような噴射口から吹きかけるんです。
おわかりと思いますが
撮影する時に、冷えた瓶やグラスについた水滴は
すぐに消えてしまうため、これを使うわけですね。
あと、粒も大きめにできるので
写真でも明確に見えるという狙いもあります。
というあたりで、また次回に続きます。
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