[イベント]2010.12.7

ビール広告、撮影の話ー1

ビールの広告の写真、実にうまそうに写ってますね。
特に、瓶や缶やグラスについている水滴。
あれが肝であることは誰しも感じるところでしょう。
しかしあれ、ほとんどのケースで、
<油>であることをご存知ですか?

僕は、32歳まで雑誌の編集部で働いていました。
講談社の『PENTHOUSE』『Hot- Dog PRESS』に共に4年ずつ。
どちらもビジュアルの多い雑誌でしたからそれはもう撮影の日々。
『PENTHOUSE』ではグラビア、インタビュー、
カルチャーの作リ込みなどの撮影が多かったのですが
『Hot- Dog PRESS』では、メイン担当女の子特集以外に
「企業タイアップ」を担当しました。
隔週雑誌でしたが、各号に1本から2本と、
いろんなメーカーの広告的編集記事を作るんです。
当然、ブツ撮りが多くなり、それまで知っていた
ヌードグラビアのノウハウとはまったく違う、
ブツ撮りのさまざまなノウハウを現場で学びました。

オーディオ、整髪料、アメイジング系、飲食系などを多く担当しましたが
特に「お酒」は在籍中はのはすべて僕に回ってきていました。
よほど酒が好きだという雰囲気を漂わせていたのでしょう(笑)。

雑誌記事レベルですから、
ポスターなどのいわゆる「純広」と違って
さほど神経質にがちっと作り込みはしませんが
それでも、瓶、缶、グラスが出てくるカットはできるかぎり
旨そうに写そうとカメラマンと頑張ります。
肝は<シズル感>→(Yahoo!辞書)ってやつですね。

そこで知ったのが、冒頭に書いたこと。
ブツ撮りが専門のカメラマンに教えて頂いで初めて知ったのが
「アートマイザー」と言われるものでした。
小さめの瓶に<油>のような成分のこれが入っていて
霧吹きのような噴射口から吹きかけるんです。

おわかりと思いますが
撮影する時に、冷えた瓶やグラスについた水滴は
すぐに消えてしまうため、これを使うわけですね。

あと、粒も大きめにできるので
写真でも明確に見えるという狙いもあります。

というあたりで、また次回に続きます。

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

石黒 謙吾

著述家・編集者・日本ベルギービールプロフェッショナル協会 理事

1961年 金沢市生まれ。
映画化されたベストセラー『盲導犬クイールの一生』、『2択思考』『分類脳で地アタマが良くなる』『ダジャレヌーヴォー』『エア新書』『CQ判定 常識力テスト』など著書多数。三輪一記氏と共著に『ベルギービール大全』『ベルギービール大全<新>』がある。プロデュース・編集した書籍も、『ジワジワ来る○○』シリーズ(片岡K)、『ナガオカケンメイの考え』(ナガオカケンメイ)、『負け美女』(犬山紙子)、『読む餃子』(パラダイス山元)、『ネコの吸い方』(坂本美雨)、『純喫茶へ、1000軒』(難波里奈)、『凄い! ジオラマ』(情景師アラーキー)など、ジャンル多彩に200冊以上。

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