[テイスティング,ブルワー,新商品情報]2021.10.13

【ビールのある風景in岩手㉑】~続々・発酵パークCAMOCY~ 陸前高田マイクロブルワリーでは自家醸造ビールを4種類提供中!

発酵パークCAMOCY3度目の訪問

岩手県の東南端の沿岸に位置する陸前高田市に昨年12月にオープンした「発酵パークCAMOCY(カモシー)」。この施設とその中に出来た「陸前高田マイクロブルワリー」については、以前2度ほど紹介させていただきました。。

【ビールのある風景in岩手⑮】~発酵はおいしくて楽しい~ 陸前高田市に出来た「発酵パークCAMOCY(カモシー)」でクラフトビールの醸造が始まります!(2月28日付)
【ビールのある風景in岩手⑱】~続・発酵パークCAMOCY~ 陸前高田マイクロブルワリーで自家醸造ビールの提供が始まりました!(5月27日付)

まだビールの醸造が始まってはいなかった初訪問から約7か月。自家醸造ビール1種類の提供が始まっていた2回目の訪問から約4か月…発酵パークCAMOCYと陸前高田市の今を確認しに再度現地へ行ってきました。


以前と変わらず、陸前高田マイクロブルワリーは建物に入ると右手にあります。提供される自家醸造ビールは4種類と充実していました。

セッションIPAのMサイズとストロベリーセゾンのLサイズを飲んでみました。
セッションIPAはオーディナリービターに続く第2弾の自家醸造ビール。苦みも香りも心地よいキレを感じるIPAです。
2杯目に頼んだストロベリーセゾンに使われているイチゴは、陸前高田市内でこだわりのイチゴ栽培をしているマツダファームのもの。ビールはそのイチゴの酸味をほのかに感じる爽やかなビールで、フルーツ系のビールがあまり得意でない方でも美味しく飲めると思います。

自家醸造ビールが充実しただけでなく、瓶ビールやオリジナルグラウラーの販売も開始されています。ここは車社会なので、やむを得ず車を運転してくることもあるはず。お土産として購入出来るものが増えるのはとてもいいことだと思います。
私も現地で飲めなかったクレセントIPAはグラウラーを購入してお持ち帰り。12oz(355ml)サイズの取り扱いもあるので、ひとり飲みやちょっとお試しも気軽に出来ます。


クレセントIPAは、陸前高田市の姉妹都市クレセントのSEAQUAKE BREWING直伝のレシピによるウエストコーストIPAとのことです。モルトの甘みとトロピカルな香りを感じるややどっしりした印象のビールでした。

高田松原津波復興祈念公園

まだまだ各所で復興工事中の陸前高田市。数か月訪問していないと、あちらこちらが少しずつ変わっているのを感じます。
東日本大震災からの復興の象徴となる国営追悼・祈念施設の高田松原津波復興祈念公園も、同もじ敷地内の「岩手県東日本大震災津波伝承館」「道の駅高田松原」は2年ほど前に完成していますが、周囲の整備はまだ現在進行形です。


約7万本の松が2キロメートルの砂浜に茂っていた高田松原は、東日本大震災による津波で奇跡の一本松以外は流されてしまいました。
その後、植樹による再生活動が進められていた場所は、前回までは一般の立ち入りは出来ませんでしたが、今回は階段を降りて、少しずつ成長している松の木を身近で見られるようになっていました。


高田松原が震災前と同じような光景に戻るにはまだ長い年月がかかります。これからも、ビールを飲みにCAMOCYを訪問する際には、町の風景の変化と合わせて松原の松の成長も可能な限り見守っていきたいと思います。

陸前高田市まで車で行ってみた…

これまでの2回の訪問は、ビールを飲むことを念頭に置いてバスやBRT(バス高速輸送システム)を利用しましたが、今回はあえて車を運転して陸前高田市まで行き、車を置いて1泊してみました。

残念ながら、北の大船渡市、南の気仙沼市(宮城県)に比べると、まだ市内中心部に近いホテルはほとんどありません。
今回私が宿泊先に選んだのは「キャピタルホテル1000」。以前は海に近い国道45号線沿いで運営されていたため東日本大震災大津波の被害に遭い大きな損傷を被り解体。約2年半の年月を経て、内陸側へ1キロほど場所を移したところで2013年11月に再建を果たしたホテルです。

ここに車を停めて市街地の方面へ歩くと、バスやBRTが停まる陸前高田駅までは約20分、そこからCAMOCYまではさらに20分という感じでした。往復だと1時間半近くかかることになります。
でも歩くことで町の雰囲気を肌で感じることが出来るし、何よりビールを飲むため!なら歩けない距離ではないと私は感じました。それでも遠い…と思う方は、タクシー利用のほかに、ホテルのレンタサイクルで片道だけ乗って帰りは押して帰ってくるのもありかもしれません。

これまでいろいろな訪問方法を紹介してきましたが、現地を訪れる機会が出来たときに少しでも参考になれば幸いです。

◎陸前高田マイクロブルワリー
岩手県陸前高田市気仙町74-1 陸前高田発酵パークCAMOCY内
070-4263-0862
営業時間11時~19時(火曜定休)
*新たにオンラインショップも開設されました!
遠方の方は、ぜひこちらもご利用ください。

◎高田松原津波復興祈念公園 国営追悼・記念施設
岩手県陸前高田市気仙町字土手影180
0192-22-8911(管理事務所)

◎キャピタルホテル1000
岩手県陸前高田市高田町字長砂60-1
0192-55-3111
無料駐車場あり(屋外駐車場)普通車40台+大型4台
EV車充電スタンドあり

CAMOCYキャピタルホテル1000岩手県陸前高田マイクロブルワリー陸前高田市高田松原津波復興祈念公園

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

きただ ともこ

ビアジャーナリスト

ビールと旅と野球観戦が大好きです。
主に、ビールがどんな土地で造られてどんな感じで飲まれているかに関心があり、気になるビールが出来るとその地元を訪ねたくなります。日本全国たまには海外にも足を運び、特に国内は岩手、海外は韓国のクラフトビールに注目してきました。
ビール好きがきっかけで岩手にどっぷりはまり、2019年4月から岩手沿岸の仮設住宅に住みながらの仕事を経験。現在も岩手に拠点を置き、得た情報を実際にこの目で確かめながら、岩手中心に東北地方のビール事情を発信してきました。最近は、日本語での情報が少ない韓国のビールについても、現地に足を運んで手に入れた情報をもとに記事にしています。

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