【JBJAChannel】ウエストマールトリプルとチーズの簡単ペアリングについてしつこく考察を重ねます
ビールに愛された皆さまへ!
今日公開のJBJAChannelは、ベルギービールの名品、ウエストマールトリプルと合わせたい、簡単チーズメニューでのペアリングです。
目次
ウエストマールトリプル
ベルギー のウェストマール修道院で 醸造 されるトラピストビールで、トリプルは特に瓶内二次発酵などを経て醸造される、アルコール度数の高い銘柄になります。
オレンジがかったゴールド色に真っ白できめの細かい泡が特徴的。洋ナシ、バナナやクローブ、柑橘などのフルーティーな香りがとても爽やか、そしてドライな飲み口で、アルコール度数が9.5%と高めなのにも関わらず、すいすい飲めてしまうという素晴らしいビールです。
王冠の色が白いことから、ホワイトキャップとも呼ばれています。
ウエストマールとは
ベルギービールにそんなに詳しくない方でも、「海外では修道院で作っているビールがあるらしい」ということはご存知かもしれません。
ウエストマールは、ベルギーのフランデレン地域にある修道院の名前です。正式名称はオランダ語でとても長い修道院名なのですが、簡単に日本語で訳すと「私たちの貴婦人(=聖母マリア)」、フランス語では「ノートルダム」といいます。パリにも有名な大聖堂がありますよね。
修道院について
修道院というのは、キリスト教のカトリックの組織の一つです。同じ志を持つ修道士・修道女が、それぞれの会派の規律を守りながら祈りの生活をする場所です。もちろん、十字架に向かって手を組んでお祈りを捧げるだけでは、人は食べてはいけません。人はパンのみにて生きるにあらず、とはいえ、パンのために働くことも必要です。
学校や病院を運営する会派もあれば、出版社を運営したり、ビールやワインを作って商売をしたり、あるいは修道士や修道女が市井に出て本当の労働者のように普通に働いているという変わった修道会もあります。
このように、修道院によって、さまざまな食い扶持の稼ぎ方があるのです。
修道院で作られたビール
その中で、特に厳律シトー会という宗派の修道院がトラピスト修道院と呼ばれ、そこで作られるビールはトラピストビールという商標を使うことを許され、法的にも守られています。
トラピスト修道院
もともとはフランスのブルゴーニュ地方のシトーの地に1089年に修道院が建てられたところから始まります。「祈れ、働け」と修道士自らが農機具を持ち、農民と共に北フランスの地を開墾する、これまでの華美で贅沢な修道院には無い、脱貴族的な戒律を守る会派として急成長していきます。特に、強い影響力のある修道士クレルヴォーのベルナールが宗教的な政治力を強めたところから、ヨーロッパ中にシトー会の修道院が増えていきます。しかし、牽引するカリスマであったベルナールの没後、シトー会の影響力は徐々に衰えていき、疫病の流行やフランス革命などの時代の奔流によって一時的に廃れてしまいます。
それでも、海外へ逃れていた修道士たちがフランスに戻り、修道会は復活します。ノルマンディー地方のトラップ修道院の厳しい戒律による会派が、厳律シトー会という独立した修道会となりました。ここからトラップ→トラピスト(女子はトラピスチヌ)修道院と呼ばれる会派になるのです。
トラピストビールの定義
修道院のワインやビールは、中世から保存の利く飲み物として作られてきた古い歴史があります。(特にブドウが獲れる地域ならワインは御ミサの儀式用としても有用でした)
多くの修道院で作られてきたビールですが、トラピスト修道院以外の修道院で醸造されたビールをアビイビール(Abbey=修道院)とし、トラピストビールとの区別をしています。
1997年には、名前の乱用を防ぐため国際トラピスト会修道士協会(ITA)を設立し、基準を満たした商品にのみ「Authentic Trappist Product」の文字の入った六角形ロゴマークが印刷されたラベルの使用を許可する取り決めをしています。
- トラピスト会修道院の修道士が自ら醸造するか、修道士の監督の元で醸造されたものであること。
- 修道院の敷地内の醸造所で醸造されていること。
- 販売は営利目的で行ってはならず、収益は修道院のメンテナンスや運営費用に充て、残額は慈善団体に寄付すること。
現在のトラピストビール
現在は、以下の12の修道院で作られている銘柄がトラピストビールとして認められ、流通しているようです。日本では入手が難しい銘柄もありますね。
- ロシュフォール – (サン・レミ修道院、ベルギー)1595年
- ウェストマール – (聖心ノートルダム修道院、ベルギー) 1836年
- ウェストフレテレン – (シント・シクステュス修道院、ベルギー) 1838年
- シメイ – (スクールモン修道院、ベルギー) 1863年
- ラ・トラッペ – (コニングスホーヴェン修道院、オランダ) 1884年
- オルヴァル – (オルヴァル修道院、ベルギー) 1931年
- アヘル – (アヘル修道院、ベルギー) 1998年
- グレゴリアス – (スティフト・エンゲルスツェル修道院、オーストリア) 2012年
- スペンサー – (セントジョゼフ修道院、アメリカ合衆国マサチューセッツ州) 2013年
- ズンデルト – (アブダイ・マリア・トゥーフルフト修道院、オランダ) 2013年
- トレフォンターネ – (トレフォンターネ修道院、イタリア) 2015年
- ティント・メドウ – (マウント聖バーナード修道院、イギリス) 2018年
チーズとビールの絶品ペアリング!
さて、私たちの愛する皆さま方(叶姉妹か?!)、このような歴史あるビールと合わせるのに、素晴らしい豪華な料理ばかり並べる必要が無いということをご存知でしょうか?
普通のチーズと、普通の調味料をご用意ください
今回、ご紹介したいのは、チーズと、それにディップして頂くハニーマスタードです。昨年も同じメニューでご紹介しているのですが、今回は更に食の冒険を深め、ハチミツをメイプルシロップに変えてみたら、これも合うのではないか?という検証なのです!
サミットストアの生活良好
サミットストアは関東近県で展開する、スーパーマーケットです。イオンや西友などと同じように、自社で開発したプライベートブランドの食品なども多数あります。
それが、今回用いた「くらし良好」シリーズです。手軽なお値段で、ユーザーの満足のいく品質を求めた生活良好。
もちろん、われらがBJA副学長、川端ジェーンも日常的に愛用している品々です。
ハニーマスタードの作り方
まず、用意するのはマスタードです。こちらはくらし良好シリーズに無かったので、別のブランドのものになりますが、できれば粒マスタードでは無い、ペースト状のマスタードをご用意ください。
マスタードに、件の甘い蜜を掛けていきます。できるだけ遠慮なく、たっぷりいきましょう!
・マスタード&ハチミツ
・マスタード&メープルシロップ
ベルギービール醸造所めぐりの思い出の味
数年前に、実際にウエストマール修道院を訪れたジェーンさんは、現地スタッフから、ビールに合うおつまみとして、ハニーマスタードとチーズをたっぷりと絡ませて食べるように勧められます。
「もうね、こんもりと、小鉢ぐらいの量だったのよ」
そのチーズというのが、いかにも本場ヨーロッパ!な高級チーズや滋味深い変わったチーズかと思いきや、なんの変哲もない、日本のスーパーでも買えるプロセスチーズのような味わいだった・・・と記憶しているそうです。
いざ、実食
この、とても簡単に作れる2種類のディップを、QBBベビーチーズ(比較的手に入りやすいプロセスチーズなら、どんなメーカーでもOK!)にたっぷりと絡ませて、食べます。
さて、ジェーンさんの食べ比べの結果、超逸品・ウエストマールトリプルとベストマッチングをするのは、いったいどちらなのでしょうか?
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
動画内では、もっとサラリと食べ比べをしております。皆さまにも試して頂きたいです。
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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。