新年 明けましておめでとうございます。
明けまして、おめでとうございます。
今年も、一般社団法人 日本ビアジャーナリスト協会のメンバーを、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、去年も「雪の正月」でしたが、私が住む京都の日本海側の方では、「数年に1度の“大雪”の正月」です。
コロナ禍において、問われること〜酒がそんなに悪いのか?〜
去年(2021年)はビール業界にとっって苦難の年でした。
時短営業、酒類の提供禁止、ビールイベントの中止などにより、ビールの消費量は大幅に減少しました。
2022年は、ワクチン接種の割合が増え、飲み薬が承認されるなど明るいニュースもある一方、変異ウイルスも出てきて、まだまだ先が見えてこない状況です。
そんな今、ビール好きの私達が考えなければならないこと、できることは何なんでしょうか?
相変わらず、お酒を飲む→酔う→ハメを外す→感染対策がおろそかになる。といった「風が吹けば桶屋が儲かる論法」でお酒が悪者にされています。
しかし、本当に悪いのは【お酒】ではなく【人】なのです。ハメを外す人が悪いのです。
(さらに詳しくはJBJAサイトの7/13付けに、緊急寄稿した《お酒って、そんなに悪者なんですか? 〜私達に問われているものは何か?〜》をご覧ください)
世界保健機構(WHO)は2010年5月の総会で、「アルコールの有害な使用を軽減する世界戦略」を採択しました。
日本でも厚生労働省が2017年4月に「アルコール健康障害対策推進室」を設置し、酒類の安売りや飲み放題、未成年の飲酒などについて議論がなされています。
たしかに、アルコールによる中毒や依存症、健康被害、酩酊による事故や暴力事件など、問題点はあるでしょう。しかし、ビール(=お酒)には【食文化と強い関わり】があります。
タバコや薬物とは大きな違いがあるのです。
ビール(=お酒)の素晴らしさとは?
その答えは、ひとつではないでしょう。人それぞれに違った【素晴らしさ】を感じ、楽しんでいることでしょう。しかし、ひとつだけ【ビールは『単に酔っぱらうためだけの道具』ではない】ということは頭に置いていてほしいと思っています。
もちろん、ビール(=お酒)の魅力のひとつは【酔う】ことだと思います。
でも、すべてではありません。
コロナ禍で私達は「ビール(=お酒)とどのように付き合っていくか?」を考えさせられました。そしてこれは、今後も考えなければならないテーマでもあります。
今、【お酒との付き合い方が問われる時代】になったのです。
クラフトビールとは?〜量から質の時代〜
全国各地に小規模醸造所が増えてきています。
そんな中で、「クラフトビールとは?」という定義を「小規模で〜」と解釈している文献やサイトを多く見かけます。
これに関して、JBJAサイトの2015/09/25などにも書きましたが、クラフトビールとは「1960年代中頃にアメリカの西海岸で始まり全米に広がっていった小規模醸造の流れをくんだブルワリーが造るビールとそれらのビールに影響を受けた醸造所が造るビール」と考えています。
そして、この「アメリカ発祥の、ビア・ムーブメント」は「伝統的な知識と技術」と「自由な発想と創造性」の両輪を兼ね備えたビール」で、「24時間365日、寝ても覚めてもビールのことは考えているビールオタクの造るビール」に他ならないのです。
醸造所の大小は関係ありません。
当会(JBJA)の独自リサーチでは、2022/1/1現在、全国に562箇所のビール醸造所が稼働しています。これは喜ばしいことではありますが、ちょっと怖い気もします。
なぜ怖いのか?
それは、クラフトビール醸造所のなかに、先に述べた「伝統的な知識と技術」が欠けていたり、醸造設備が不十分な醸造所を見かけるからです。
1995年に始まった、小規模醸造は地ビールと呼ばれブームになりましたが、2000年ごろから人気が下降してしまいました。その原因のひとつが、質の悪いビールが出回ったことにあります。
この過ちを繰り返すことのないように、クラフトビール業界全体で切磋琢磨していく必要を感じています。
具体的には、品質向上の為の勉強会や審査会の実施、ブルワリー同士の横のつながりによる情報交換などがあげられます。JBJAでも積極的にそのお手伝いや情報の拡散に努めています。
2022年、クラフトビールの【量が増えることを喜ぶ時代】から【質が良くなることを喜ぶ時代】に進んでいく必要があると、私は考えています。
Happy New Year. Enjoy Happy Life with Beer.
Cheers.
雪の京都与謝野より
藤原ヒロユキ
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。