アニメ「フランダースの犬」を見ながらビールはいかがでしょうか
年末年始やテレビ番組改編時期の繋ぎの時期になるとアニメの最終回特集とか感動するアニメ特集等で必ずと言って良いほど「フランダースの犬」が登場します。
原作は1872年ウィーダが英国の “Lippincot’s Magazine” に発表され、後に “A Dog of Flanders and Other stories” の一冊にまとめられたものが初出とされています。
「フランダースの犬」の舞台は19世紀のベルギー北部のフラーンデーレン(フランドル)地方。現在ではアントワープ(蘭語・アントウェルペン)に隣接するホーボケン (Hoboken) が舞台となった村のモデルと考えられています。
ウィーダはこの物語を執筆する前年にアントワープを旅行で訪れてホーボケンにもやって来ており、寒村のこの村にまだ当時の領主、オラニエ公ウィレムの風車小屋が存在していた事が1985年にアントワープ市観光局のヤン・コルテールによって突き止められ、以来この発見から物語に登場する風車小屋はこれをもとに描写されたものと見られています。
さて、ベルギーでは物語の舞台とはいえイギリス人作家によるイギリス文学ということもあって、あまり有名ではなく、本作の人気が高い日本での評価とは対照的に地元での評価はさほど高くはないそうです。むしろ、ストーリーに対して地元ベルギーの方たちは ”子供一人を空腹で亡くすような残酷なことを私たちは決してしない” といった批判的な意見さえあるそうです。
それでも、ベルギーを旅行する日本人観光客からの問い合わせが多かったこともあり、1986年にはホーボケンにネロとパトラッシュの銅像が建てられたそうです。
日本人観光客向けかどうかはわかりませんが、1896年にフランダース地方で創業したブリュワリー・デ・アレンド醸造所が2000年に現在のホーボケンに移転後70周年の記念にネロズブロンドを発売しました。続けて2006年に醸造所の創立110周年を記念しパトラッシュを発売しました。現在は、デプルーフブルワリーで醸造されているそうです。
今回は、ネロズブロンドとパトラッシュを紹介します。
ネロズブロンド
きめ細かい泡立ちが魅力的な黄金色で、瓶内2次発酵により、味わいがさらに豊かです。口に含むと、華やかなホップの香りと苦味、アルコールも少し強め(7%)です。
パトラッシュ
スムーズで柔らかいアロマと、香ばしくほのかに甘い後味が魅力的なブラウンエール。黒糖を思わせるロースト麦芽独特の味わいでフルーティーです。アルコールも少し強め(8%)です。
禁断の果実
最後にネロが観たいと思っていたルーベンスの絵が描かれたビールは残念ながらありませんが、同じルーベンスの描いた絵「禁断の果実」をモチーフにしたラベルのビールがあります。アダムとイブです。もちろん手にはリンゴではなくビールを持っています。
このビールは、生きた酵母を加え、瓶内で二次醗酵させて造られるため 、スタンダードなヒューガルデンより熟成感が強く濃厚な味わいで。 甘さとスパイシーさが感じられ、ホップとのバランスが絶妙です。アルコールも強め(8.5%)です。
アニメ「フランダースの犬」を見ながら少しアルコールの高めのビールを飲んでみることをお勧めします。
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