【イベントレポ】SL秩父麦酒号が特別運行!黒煙と共に新春の秩父路をビールと笑顔が走り抜ける!
埼玉県北部の羽生駅から、県西部秩父地区の三峰口までを結んでいる秩父鉄道。そこでは土日祝を中心に熊谷駅~三峰口駅間で、C58形蒸気機関車「SLパレオエクスプレス」が運行されています。そのSLパレオエクスプレスと秩父麦酒がコラボしたSL秩父麦酒号が、1月8日(土)に特別運行されました!
このSL秩父麦酒号は昨年7月にも4日間運行され、今回2回目の運行です!
【秩父麦酒とは】
埼玉県北西部の秩父市吉田地区に2017年に誕生した醸造所で、自然豊かな土地で「人の癒しになれる麦酒」を目標に、「飲みやすさ」と「楽しさ」が伝えられるビールづくりを目指しています。
この特別運行では、特別ヘッドマークの掲出、特別乗車記念証のプレゼントの他、C58363号機が製造から77年となる「喜寿」を迎えることを記念し、紫色ナンバープレートの掲出や、特別サボの掲出がありました。
そしてなんといっても、客車内で秩父麦酒の生ビールの販売(4種類、飲み比べセット:詳しくは後述にて)が行われました!
約2時間40分のSLビール旅
9時50分頃、電気機関車でけん引されてSL秩父麦酒号が秩父鉄道熊谷駅プラットホームに入線!出発までのわずかな時間で記念写真を撮影するお客様でSL秩父麦酒号の前は人で溢れました!
わずかな停車時間の間に荷物を積み込んだら、客車の一部に仮設のビアタップを配置して、準備完了です!
そして10時10分、元気よく空高々に鳴り響いた汽笛を合図に、SL秩父麦酒号が熊谷駅を出発!終点の三峰口駅まで、約57km 、約2時間40分のSLビール旅のスタートです!
寄居駅までは広大な関東平野の中を、煙突から煙を豪快に噴き上げ、汽笛を鳴らしながら颯爽と走り抜けていきます!天気は快晴!強い日差しが車内に差し込みます!
今回提供されたビールは・・・?
○ベリーベアーブルーベリーwithシナモン
埼玉県美里町のブルーベリーと秩父の麦菓子「こうせん棒」、さらにシナモンを加えた爽やかビール。○なみのりくまLv17
自社畑で栽培した自家製ホップを使用したIPA。フレッシュホップ使用。○すごいシロクマ
秩父麦酒一番人気シリーズの「シロクマHAZY IPAのホップ超増強バージョン。○紅藍彩(こうらんさい)の熊
秩父麦酒とCOEDOビールとのコラボレーションビール。川越産さつまいも“紅赤”と埼玉美里町産ブルーベリー(藍苺)を使用した、両社ならではの彩りが詰め込まれたハニーサワーセゾン!!
(4種の飲み比べセットが1,000円、各種1杯が500円)
列車が走り出した途端、4両ある客車のあちらこちらで注文の手が!筆者も取材そっちのけで、スタッフとしてお仕事!オーダー取りとビールのお届けで大忙しです!中でも秩父麦酒のそれぞれの特徴ある個性的ビールが楽しめる飲み比べセット4種は大人気!客車がガタンゴトンと揺れる中でのビールのサービングは至難の業!
客車内は暖房完備、ビールを飲むには絶好の環境!ビールのオーダーは発射して1時間経っても止むことがなく、タップと各車両のお客様を行ったり来たり・・・筆者、汗だくです・・・。
列車の途中停車駅は武川、寄居、長瀞、皆野、秩父、御花畑。通常のSLパレオエクスプレスと同じ停車駅です。途中、寄居駅、長瀞駅、秩父駅では10分ほど停車し、その度に機関車の前はたくさんの人であふれていました!
寄居駅を過ぎると山間部に突入!はじめは荒川上流の右岸に沿うように走ります!沿道からはSLに手を振る人達が!機関士などの乗員のみならず、乗客や我々スタッフも手を振り返します!
長瀞渓谷を過ぎると1914年(大正3年)に完成した荒川橋梁を通過!約20m眼下に荒川を眺めながら川の左岸へ!SLは黒煙を上げながら走り進みます!
客車内では秩父麦酒の他にも、お土産品やジュース、お菓子などの車内販売が!特にSLグッズのカートにはたくさんの子供たちでにぎわっていました。
そしてコレ!
秩父鉄道と秩父麦酒がコラボしたSLオリジナルラベルビール(「シロクマ HAZY IPA」「波乗りくま IPA」「秩父吉田うめ SIPA」)も車内にて販売されました!(こちらはイベント以外でもSL の車内販売や、ちちてつ長瀞駅売店でも購入が可能です!)
やがて列車は秩父盆地の中心地、秩父市街地を駆け抜けていきます。沿道から手を振る数がだんだんと増えていき・・・そしてカメラを構える人たちも大勢発見できました!きっと秩父麦酒特別ヘッドマークのSL狙いでしょうね。
車内では飲み比べセットで気に入った味のビールをもっと味わうべく、単品で購入されるお客様の姿が。ビールを片手に物思い気に車窓を眺めるその姿は、まるで昨今のコロナ自粛で溜まっていたストレスを浄化しているかのような・・・。熊谷駅を出発した頃のワイワイと賑わっていたのは対照的に、山の緑の風景と相まって、客車内にはSLの汽笛と列車のガタンゴトンと進行音がただただ鳴り響きます。
山々がだんだんと目の前に迫ってくると、SLはクネクネと右に左に曲がりながら進んでいきます。そして・・・
あっという間の2時間40分の旅ももう終わり・・・定刻の12時50分に終点の三峰口駅に到着です。
乗客の皆さんからは下車時に「たのしかったよー!」「おいしかったー!」「また開催してくださーい!」などの温かい言葉をいただきました!素敵な笑顔とともに、SLの写真を撮る方、バスに乗る方、町散策をする方、折り返しの電車に乗り込む方などなど、各々散っていかれました。
イベントを終えて
イベント終了後、秩父麦酒代表兼醸造責任者の丹広大さんにお話を伺いました。
今回のコラボイベントは、2021年7月に秩父鉄道のSLを盛り上げるべく第1回目が実施され、とても多くのお客様に楽しんでいただいたことで、季節は冬だけどとにかくやってみようと第2回目が企画されました。
ではなぜ秩父麦酒は秩父鉄道とコラボしたのでしょうか?
「地域に根を張る鉄道とのコラボは、地域の人に知ってもらうだけでなく、秩父に興味のある人にも知って頂ける、さらには秩父麦酒に興味を持って参加していただいた方にも秩父を知って頂ける、一石二鳥なイベントだと思います。」と丹氏。実際に始発駅の熊谷だけでなく、途中駅からSLに乗車するお客様は多く、またたまたま今回偶然SL秩父麦酒号に乗車し、秩父麦酒を初めて知り、そして味わい、美味しいと口にされる方もたくさんいました。
そんな秩父麦酒は「地域とのつながり」を大事にしています。
今回提供されたビールも埼玉県北西部の美里町のブルーベリーや川越市のサツマイモを使用したり、またコエドビールとのコラボ商品もブルワリー同士の絆みたいなものを知って頂きたいところから選定したりと、拠点の秩父市のみならず鉄道沿線やその近くの町の企業や農産物とのコラボレーションに力を入れています。
さらに秩父麦酒はイベント出店も積極的に取り組んでいます。これまでも秩父の地域のお祭りや埼玉県内で開催のけやきひろばビール祭りだけでなく、東京や長野、静岡や沖縄など、いろいろなビアイベントに出店されてきました。その理由は「お客様との交流」。丹氏曰く「僕たちのビールをじっくりと意見を交流させながら、ディスカッションして楽しむ座談会や、秩父地域の食材とのコラボレーションイベントなどをやっていきたいですね!」
秩父鉄道「SLパレオエクスプレス」と秩父麦酒とのコラボはまだまだ続く?「次回はまだ未定ですが、開催を楽しみにしたい!」とのこと!次回も期待しましょう!
最後に
世の中が新型コロナウイルス、特に感染者がまたここ最近で急激に増えていってしまっていることで、なかなか以前のような生活スタイルには戻れず、イベントや興行も実施が自粛されている中、久々にビアイベント開催のご報告ができたことが何よりもうれしく、参加(乗車)されている皆さんも素晴らしい笑顔で楽しんでいられたというのがとても印象的でした。
少しずつ少しずつ、このようにイベントが開催され、ビアファンの笑顔が増えていくことを切に願います。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。