[コラム]2022.6.11

【ドラマ・イン・サイタマ2】気になるドネアの今後と、「ビール×スポーツ」のペアリングについて。

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さいたまスーパーアリーナ

2019年11月7日、WBSSバンタム級トーナメント決勝で実現した井上尚弥(以下、井上)VS.ノニト・ドネア(以下、ドネア)の一戦。
2019年「年間最高試合」にも選出されたこの試合は、「ドラマ・イン・サイタマ」と呼ばれ、世界から称賛されました。
あれから943日後、2022年6月7日に井上とドネアは再び拳を交えました。
会場は再び「さいたまスーパーアリーナ」です。

ドネアの井上戦にかける想い

「井上と再戦する為には、井上が持っていないベルトを集めることだ」
「ドラマ・イン・サイタマ」で敗れたドネアは、そうすることで、再戦のチャンスは必ず巡ってくると考えました。
ドネアのタイトル挑戦が実現したのは2021年5月29日。
当時無敗だったノルディック・ウバーリを4R1分52秒KOで破り、WBC世界バンタム級王座を獲得すると、同年12月11日にはWBC世界バンタム級暫定王者(当時)のレイマート・ガバリョも4R2分59秒KOにて退けます。

そして迎えた「ドラマ・イン・サイタマ2」。
世界5階級制覇(暫定含む)、アジア人初となる主要4団体での世界王座獲得という数々の偉業を成し遂げてきたレジェンドは、試合前にこう発言しています。
「今回はキャリア最大の試合になると思っている」
試合前のドネアからは、井上戦に懸ける並々ならぬ決意と、コンディションの良さが伺えました。

スポーツ観戦のときに飲むビール、どうやって選んでいるの?

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ビールのペアリング相手は料理だけではない

いつもはここで、“試合を観ながら飲みたいビール”や“飲んだビール”を紹介しますが、今回は、私なりの「ビール×スポーツ」のペアリング方法について触れてみたいと思います。
「ビール×料理」のペアリングは有名ですが、私は「ビール×スポーツ」のペアリングも基本的な考え方は似ているように感じています。

国・地域で合わせる

最も分かりやすいのが、国や地域を合わせる方法です。
例えば、“奈良県出身の村田諒太を応援したいから、奈良県のブルワリーのビールを飲む”や、“横浜DeNAベイスターズを応援したいから、球団オリジナル醸造ビールを飲む”といった方法です。

地域密着型のチームを応援する際にもオススメです。

キーワードで合わせる

その試合や選手のテーマやキーワードを探し、そこに合わせます。
例えば、読売ジャイアンツと阪神タイガースの試合なら“伝統の一戦”、競馬の日本ダービーなら“競馬の祭典”など、キーワードの選定方法は十人十色。

直近だと、2022年6月19日(日)に開催される【THE MATCH 2022】のメインカードがわかりやすいでしょう。
武尊と那須川天心を“ライバル”とし、“ビール界で有名なライバル、「アルト」と「ケルシュ」”を合わせます。

イメージで合わせる

競技や大会のイメージに合わせるのも、その世界観に没入できるのでオススメです。
試合展開がイメージできるのであれば、そこからヒントを得るのもいいでしょう。

最も簡単なのは、大会のオフィシャルスポンサーになっているビールを選ぶことです。
2023年に開催される「ラグビー ワールドカップ フランス 2023」では、【アサヒ スーパードライ】がオフィシャルビールになることをご存知でしょうか?
ラグビーファンはサッカーファンの6倍のビールを飲むともいわれており、大会期間中は【アサヒ スーパードライ】が世界中で爆発的に売れることが予想されます。
会場の雰囲気を感じつつ飲むには、これ以上のビールはありません。

競技の特性に合わせる

一口にスポーツといっても、スタートからゴールまで10秒未満で決着する男子100mから、ラウンドするのに4時間程かかるゴルフなど、競技によってプレイ時間など特性は異なります。

長くじっくり観たいスポーツには、同じく長くじっくり味わえるビールがオススメです。
「インペリアルスタウト」や「バーレーワイン」など、時間とともに変化する味や香りを楽しみつつ、じっくり観戦できるビールなんていかがでしょうか。

オススメしない合わせ方

個人的には、スポーツ観戦のお供に初めて飲むビールはオススメしません。
言い換えると、集中して観たいスポーツの時ほど、日常的に飲み慣れたビールを選ぶことをオススメします。
理由は3つです。

① スポーツ観戦に集中するあまり、ビールについての印象が残らない可能性がある
② 初めてのビールに気を取られ、大事なシーンを見逃す可能性がある
③ 日常的に飲み慣れたビールは、決してあなたの邪魔をしない

「ドラマ・イン・サイタマ2」を前に選んだビールと試合結果

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Sierra Nevada Hazy Little Thing IPA

私はこの試合、前回以上の激しい攻防が展開されると予想していました。
井上のパンチがドネアを仕留めるが先か、それとも、ドネアの一撃が井上の顔面を捉えるのが先か。
フェイントや仕掛けた罠など、パンチだけじゃないスリリングな攻防の後、中盤~終盤にかけて井上がKOするというのが私の予想でした。

そして、その予想する試合展開から導き出したビールが【Sierra Nevada Hazy Little Thing IPA】でした。
マンゴーやパッションフルーツ、グレープフルーツやオレンジといったアロマが、グラスにビールを注いだ瞬間から次々とやってきます。
まるで、ホップによるパンチが次々と打ち込まれてくる感覚とでもいいましょうか。
飲みごたえ、爽快感も抜群です。


〇井上尚弥 (2R 1:24 TKO) ノニト・ドネア●
※WBAスーパー、IBF、WBC世界バンタム級王座統一(日本人初の3団体統一)
しかし、私の予想は大きく外れることとなります。
結果はあなたもご存知の通り、井上の圧勝。
井上の圧倒的な強さのみが際立つ試合結果でした。

気になるドネアの今後について

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San Miguel Pale Pilsen

井上の左フックを被弾して崩れ落ちるドネアの姿を観て、私の視線は井上よりもドネアを追っていました。
奇しくも私とドネアは同じ1982年生まれ。
井上がプロデビューする前からドネアのファンでした。
そのドネアが、完膚なきまでに敗れ去る姿は、やはり淋しさを覚えます。

井上は今後、WBO世界バンタム級の王座も獲得し、日本人初の主要4団体統一王者になるでしょう。
そして、2023年にはSバンタム級へと階級を上げ、その輝きは一段と増していくことは間違いありません。

一方、ドネアはこのままバンタム級に留まるでしょうか。
これはあくまで個人的な願望ですが、私はドネアにはSフライ級に転級を期待します。
井上なきバンタム級では、ドネアのモチベーションを維持する相手も見つからないでしょう。
ならば、タレント揃いかつ、過去には“暫定王座”しか獲得していないSフライ級正規王座獲得し、ドネアには有終の美を飾って欲しいと願っています。
「ドラマ・イン・サイタマ2」から一夜明けて飲んだ【San Miguel Pale Pilsen】の味は、なんだかいつもよりキレと苦味が強く感じました。

 

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

南原 卓也

ビアジャーナリスト/樽生アドバイザー

埼玉県にある“日本一面積の小さい市”で生まれ育ったビール好き。
サントリー樽生アドバイザー、業務用酒販店の営業を経て、埼玉とお酒を伝えるライターになりました。

【日本ビアジャーナリスト協会】2021年新人賞 受賞
【日本ビアジャーナリスト協会】2022年最優秀執筆賞 受賞

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