[テイスティング,ビアバー,ブルワー,新商品情報]2022.6.24

【ビールのある風景in岩手㉕】~岩手のクラフトビールの新風~ 盛岡市に新たに誕生したNANBU CRAFT(南部クラフト)

総務省統計局が行っている家計調査(二人以上の世帯対象)の「品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング」。その中の「ビール購入量ランキング」の最新の集計(2019年~2021年平均)によると、岩手県の県庁所在地である盛岡市は第5位にランクイン。平均年間購入量は、全国平均の20.27リットルを4リットル近く上回る24.05リットルで、「ビール好き」の人が多い街のひとつです。
そんな盛岡市は、クラフトビールのブルワリーの直営店をみても、ベアレン醸造所だけで3店舗。さらに北上市のSakura Breweryや花巻市のBrew Beastの直営店もあり、とても恵まれています。
そして、さらにこの春、新たなクラフトビール「NANBU CRAFT(南部クラフト)」が誕生しました。

NANBU CRAFTの種類・味わい

NANBU CRAFTの定番のビールは4種類。柑橘系の爽やかな香りとモルトの甘みや苦みの絶妙なバランスが楽しめるペールエール、見た目が黒く香ばしいナッツやチョコレートやコーヒーのような香りが特徴のスタウト、小麦麦芽を使いバナナのようなフルーティな香りで苦みが少なくクリーミーな口当たりを楽しめるヴァイツェン、ホップを大量に使用して造られホップの持つ香りや苦みを鮮烈に味わうことができるIPAです。

美味しいビールを造るために少量生産。そのため商品が欠品する場合もある反面、タイミングが合えば4種類以外の限定ビールが飲めることも。ちなみに、私はこれまでにオレンジペールエールも飲んだことがあります。
全体的にどれも味わいは優しめ。クラフトビール好きの方はもちろん、あまりなじみがない方が4種類の中から好みのスタイルを見つけるのも楽しそう。幅広い人々が美味しく飲めるビールという印象です。

NANBU CRAFTの飲める場所

現在NANBU CRAFTの直営店は、「NANBU CRAFT BREWERY」(盛岡市八幡町)と「南部クラフト櫻山店」(盛岡市内丸)の2か所あります。

NANBU CRAFT BREWERY

盛岡駅から約3キロ。駐車場も7台分ありますが、現地で飲みたい場合は本数も多いのでバスの利用をお勧めします。近くには盛岡八幡宮などもありますので、合わせて周辺の散策をするのもいいと思います。

こちらでは瓶ビールの購入だけでなく、昼間からその場で飲むことも可能。建物内にも席がありますが、天気が良ければ景色を眺めながら外でも飲めます。
外のスペースは、予約制で、ビールとBBQが楽しめるBBQ BEER GARDENとしての利用もできます。



私がこの日選んだのはヴァイツェン。おつまみとして、殻付きのマカダミアナッツも付いてきました。これで一杯300円というのは、かなりお得感があります。

住所:盛岡市八幡町13-32
TEL:019-601-6027
営業時間:10時~17時(月曜・火曜定休)
◎盛岡駅よりバスで20分。茶畑十文字バス停下車徒歩3分。
◎盛岡バスセンターより徒歩12分。

南部クラフト櫻山店

官庁街からも近い盛岡城跡公園(岩手公園)や櫻山神社のそば。昭和の雰囲気も残している飲食店が並ぶ地区の一角にあります。


一階は奥にキッチンスペースで、手前に4人掛けのテーブルが2卓、二階はカウンター8席ほどとテーブル1卓があります。
ビール4種は1杯480円。ビール以外にもカクテルなどドリンクメニューが豊富です。フードもお手頃価格で提供されているものが多く、特に唐揚げは絶品! 地元のパンを使ったガーリックトーストや限定のチーズケーキなどが味わえることもあります。


住所:盛岡市内丸5-17
TEL:019-613-5678
営業時間:平日16時~23時 土曜12時~23時 日曜12時~19時(日曜休みだった開店当初から変更になっています)
◎盛岡駅よりバスで10分。県庁・市役所前バス停下車徒歩3分。
◎盛岡駅より徒歩で約20分。

<番外編>材木町よ市

盛岡市材木町では、4~11月の毎週土曜日の夕方(15時10分~)に「材木町よ市」が開催されます。約430メートルの商店街が歩行者天国になり、お祭りのような雰囲気の通りを歩きながら、旬の農産物をお手頃価格で購入したり、様々なグルメを味わうことが出来る伝統あるイベントです。
今年、こちらにも南部クラフトの出店があり、1杯480円で提供されています。合わせて唐揚げも3種類用意されていて、それぞれ1個から買うことができます。

NANBU CRAFTを造っているのは…

NANBU CRAFTのビールを造っているのは、リフォーム事業などを手がける「グッドワンリフォーム」という会社。前述したNANBU CRAFT BREWERYは、設計から設備工事まで自社で行ったとのことです。
「醸造所ごとに多種多様な個性があるクラフトビールを自分たちで造りたい」と約2年半かけて設備や免許申請などの準備を進め、昨年12月から醸造を開始。今年3月26日にビールの提供を始めました。
まだ誕生したばかりと言ってもよいと思いますが、すでにしっかりと存在感を感じるブルワリー。今後は、自分たちが生産した野菜を副原料に使いながら自分たちのホップでクラフトビールを造ることも計画中とのことで、さらにどう発展していくのか…楽しみにしたいと思います。

少なくとも今のところ盛岡市でしか飲めないビール…皆さまも、ぜひ機会をつくって味わってみてくださいね。

NANBU CRAFT]南部クラフト岩手盛岡

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

きただ ともこ

ビアジャーナリスト

ビールと旅と野球観戦が大好きです。
主に、ビールがどんな土地で造られてどんな感じで飲まれているかに関心があり、気になるビールが出来るとその地元を訪ねたくなります。日本全国たまには海外にも足を運び、特に国内は岩手、海外は韓国のクラフトビールに注目してきました。
ビール好きがきっかけで岩手にどっぷりはまり、2019年4月から岩手沿岸の仮設住宅に住みながらの仕事を経験。現在も岩手に拠点を置き、得た情報を実際にこの目で確かめながら、岩手中心に東北地方のビール事情を発信してきました。最近は、日本語での情報が少ない韓国のビールについても、現地に足を運んで手に入れた情報をもとに記事にしています。

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