温泉とビール
はじめに
温泉に入りながらビールを飲む。最高だと思います。しかし、現状では浴室内に飲食物持ち込み禁止の温泉が多く、ビールを飲む場合、無料の露天風呂とか、客室内に露天風呂がある場合、稀に大自然の秘境温泉が可能です(温泉スタッフに確認してください。)。
今回は、温泉ソムリエの立場から温泉とビールについてお話したいと思います。
温泉と療養泉とは
地中からゆう出する温水で鉱水及び水蒸気その他のガスが水に溶けたもの。それらの内、泉源温度が25℃以上または、「水素イオン」「よう化物イオン」等含有成分に関する19の特定条件のうち1以上規定値に達しているものを温泉と言います。
よく、この温泉は、ナトリウム泉とか硫黄泉とか言いますが、「~泉」と泉質名がつくため、また、「適応症」が認められるには「療養泉」でなければなりません。これの条件は泉源温度が25℃以上または「総硫黄」「二酸化炭素(遊離炭酸)」など含有成分に関する7つの特定の条件のうち1つ以上規定値に達していることです。
例えば総硫黄が温泉1kg中1mg含有されていれば「温泉」ですが、それだけでは泉質名はつかず、2mg以上含有されていれば「療養泉」と認められ「硫黄泉」となります。
温泉(療養泉)は薬ではないので効果のことを「効能」とは言わず「適応症」と言います。
ちなみに、「単純温泉」は、含有成分が「療養泉」に達していない泉源温度が25℃以上の温泉を言います。その中で、㏗が8.5以上の温泉を「アルカリ性単純温泉」と言います。
温泉でビールを飲むときの注意点
1・飲酒後(特に泥酔状態)の入浴は避けてる事
既に血圧の上昇や血液が濃くなっている可能性があります。
2・温泉に入る前にコップ1杯以上の水を飲む事
温泉に入ると汗で水分が失われるため、血液が濃くなる可能性が高いのでその予防です。
3・缶かペットボトル入りのビールで飲む事
瓶やグラスが割れた場合危険です。
4・ビールの飲む量は500㎖1本以下に
温泉内で飲みすぎは危険です。
5・できるだけ、半身浴か40℃以下の温めのお風呂で飲む事
血圧上昇の予防です。
6・お風呂上りにコップ1杯以上の水を飲む事
失われた水分補給の為です。
家庭でも温泉気分でビールを
私自身が家で実践している事を紹介します。
わが家の風呂は給湯式で熱いお湯に水を足して温度調整をします。
お湯400Ⅼでお湯の温度は38℃。缶ビール1本(私はエビスビールを飲んでます。)とペットボトル入りの水を用意します。
重曹(炭酸水素ナトリウム。これは、食用の重曹を使います。)と食塩(塩化ナトリウムの他塩化カルシュウム等のミネラル入りを使用。海で精製された物)それぞれ40gをお湯に入れます。
体を洗い、入浴します。
重曹で肌がツルツルになり、ナトリウムで保湿効果があります。
ぬるま湯なのでゆっくり入りながらビールを飲みます。途中水も飲みます。
肌の弱い方は入浴終了時に全身をお湯で洗い流して下さい。
是非、お試し下さい。
さいごに
熱い温泉が好きな人や温泉施設で入浴した場合は、入浴後に水をコップ1杯飲んで、着衣をして少し落ち着いてからビールを飲む事をお勧めします。
大抵の温泉には、休憩室や売店に缶ビールや生ビールが有りますので風呂上がりの1杯は最高に美味しいと思います。
全道でわが町の仁木町だけが温泉施設がありませんので、温泉好きの私は道内の温泉巡りをしています。
その中で、滝川市の「ふれあいの里」に温泉の食堂及び休憩所内に醸造所があります。食事をしながら、あるいは入浴後にビールを飲む事が出来ます。「滝川クラフトビール」が「大雪ビール」に委託して醸造している様です。「滝川クラフトビール」は基本、瓶ビールで提供されます。その他、国産生ビールもあります。「滝川クラフトビール」は売店でも購入できます。
また、ホテルと醸造所が一緒になったイワナイビールブルワリー&ホテルが岩内高原ホテル別館が先月オープンしました。本館で温泉入浴が可能で、売店でビールを買う事が出来ます。ブルワリー併設のバーは予約制です。
温泉は、どちらも炭酸水素塩泉(旧重曹泉)で特にナトリウムが多く含まれていますので、美人の湯として肌がツルツルします。
北海道にお越しの際には是非お試し下さい。
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