クラフトビールとは?その②の②:「クラフトビール=作品」
『クラフトビールとは?その②の②:「クラフトビール=作品」である』~藤原ヒロユキ~
先日、「クラフトビールとは何か」について、「クラフトビール=小規模」ではない。と書いた。
小規模であることが話題になっているだけの醸造所もあれば、素晴らしいビールを造る大手ビールメーカーもある。
(詳しい内容は、昨日のコラムでご覧いただきたい)
今日はその続きである。
クラフトビールとは? という定義は、難しい問題をはらんでおり、一言で語ることはできない。
業界をとりまく状況や個人の感覚、国や地域によっても変化する。アメリカのブルワーズアソシエーション(BA)が発表した「クラフトビールの定義」をそのまま日本に移行できないことはその好例と言える。
クラフトビールは「数字や文言で定義するものではない」と考えられる。
乱暴な言い方をすると「造る人、飲む人が自分で決めればいい」ということになる。
しからば、私にとってのクラフトビールとはどのようなビールなのか?
考えてみた。
出た結論は「クラフトビールとは“作品”となりうるビール」である。
私は「クラフトと言うからには、造り手は“クラフトマン=工芸作家”であり、造られたビールは“作品”だ」と思うからだ。
大手メーカーのビールのほとんどが「インダストリアル(工業的)・ビール」であり「大量生産されるパイプ椅子」とするならば、「クラフト(工芸的)・ビール」は「工芸作家が造る手作り家具」という位置づけとなる。(誤解されたくないのだが、私はパイプ椅子を否定しているわけではない。寸分たがわず均一に造られるパイプ椅子の素晴らしさも認めているし必要性も感じている)
大学で美術を専攻し、卒業後はイラストレーターとし、画業を重ねてきた者としての性なのだろう。ビール造りも工芸品や絵画制作のようにとらえてしまう癖がある。
「作る・造る」は「創る」に至ることこそ重要だと考えている。
「クラフトビール」は「工芸品」であり「作品」に他ならない。
続く
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