初出店インポーターから見たけやきひろばビール祭り
先日、年2回ある日本最大級のビールイベント、けやきひろばビール祭りの秋の回が開催されました。
開催日程は9/15〜9/19の5日間ですが、当然この日のために入念な準備が必要です。
こちらに出店するには一定の集客力がなければならないため名誉なことでもあります。
今回は海外ビールのインポーターであるDrinkuppersが初めて出店できるようになったことを聞き、
同行してその裏側に密着取材させてもらいました。
スケジュール
その前にDrinkuppersとは?
Drinkuppers(ドリンクアッパーズ)はカナダ、アメリカ、オセアニア、ヨーロッパなど世界中から品質が高いビールを扱っており、
加えて最近では評価が高いイースティボーイズ、香港からヤングマスターブルワリーも正式輸入を開始したインポーターです。
※飲食店舗を持っているためではないため今回は準備が多く、
飲み手の我々からすると早く感じますが、準備手続は9月よりも遡ること7月から既に開始されています。
7月
・出品商品の広告用情報の提出
8月からは
・保健所申請書
・お土産ビール販売申請書
・冷蔵スペース仕様申請書
・氷など備品の申請書
・フード併設ブースの場合フライヤー、防火シート申請書etc…
と、通常業務を行いながら開催本部へどんどん提出していかなければなりません。
また、インポーターはブルワリーとは違い実店舗でドラフトビールを出しているわけでないため、
8月中にビール発注手配、それを注ぐためのサーバー手配も並行して済ませておかなければいけないのです。
先を見越したスケジューリングが肝要となりますね。
営業開始後はビールのサービング、会計、列整理、片付けが主な業務です。
僕はイベント開催直前から合流しましたので、そこからお届けします。
搬入
9/14昼
搬入作業。高円寺のDRiNK UP!!に集合しました。
前日までにスタッフが準備した道具をピックアップ。
途中で倉庫に寄りさらに樽を積みます。
一般的には公開されていない場所なので、秘密基地に来たような特別感があります。
車の容量目一杯まで積んだ車で約1時間。
さいたまスーパーアリーナに到着です。
無人のスーパーアリーナ。
ここにこれから全国からブルワリーとビール好きが集まってくると思うと、
感慨深くなると共に誰もいない状態に入れるのもある意味貴重で不思議な高揚感を覚えました。
車がつかえているのでさっさと荷下ろし。
サーバー設置、水通し。ここが一番緊張の瞬間です。
接続部分の道具「カプラー」には何種類かあり、きちんと確認する必要があります。
それでもなお、ホースが傷ついていたり接続部分の相性が悪いとビールが出なかったり漏れてしまったりすることも。
不衛生だと雑菌汚染によりオフフレーバーの原因にもなるため消毒も徹底。
無事に水が出てまずは一安心。
因みに樽は保冷バッグと断熱毛布に包むことで保冷力が大幅に増強されます。
これは飲み手としてはなかなか知ることができない知識だったので目からウロコでした。
マストなものとそうでないものがありますが、これらの道具は基本的にはすべて自前で用意しなくてはなりません。
営業開始
そうこうしていると開場の時間に。
初日9/15は16時からスタート。
他は11〜21:30まで、
最終日9/19は19時までと今年は変則的な時間設定。
ここで当日繋げた樽から一部商品を紹介します。
1842アイランドIPA
ヤングマスターのフラグシップIPA。スッキリした飲み口ですが案外8%あります!
度数は強いですが、アルコールの押し付けがましいニュアンスを全く感じさせない素晴らしい完成度。
香港では7つの賞を今まで獲得している看板商品です。
ルバーブセゾン
ラトヴィアのブルワリー、アールプスと
「ボンシェン」という熟成サワーエールが世界的に有名なスイスのBFMのコラボビール。
ルバーブという、酸味がありジャムに加工したりしてヨーロッパで広く食される野菜のジュースを添加した、
日本ではなかなかお目にかかれない珍しいビール。
さっぱりしていて飲みやすく人気でした!
実は搬入と撤収以外はチームの人数とイベント形式によってはオープンしてからも時間に余裕がある場合も多いです。
そのためポップをその場で手作りして追加したり、レイアウトをいじったり、
ピークタイム以外の売上を最大化するために思いつくアイディアをすべて試していくのです。
今回のけやきひろばビール祭りはチケットによる完全席指定、時間指定形式だったため、
ピークタイムとそれ以外の時間の来客数にかなり幅がありました。
実際、手が空いてしまうタイミングも多かったため、他のブースを見せてもらって参考にしたり、
インポーターとしては挨拶回りで新しい取引先を開拓することも仕事のうちですから、
そういった時間に充てることができました。
また、Drinkuppersは柴田屋酒店主導でお土産ビールコーナーに缶ビールを出品していたため、
時間ができたら缶の売れ行きや商品がうまく補充されているのかも気にかけました。
樽で繋がっていないビールの宣伝もして売上の底上げを狙っていきます。
ラストオーダー
ラストオーダー終了。帰りは軽く片付け、タップを消毒していきます。
樽は冷蔵庫にしまう必要はあるものの、道具の方は繋いでしまえば翌日以降もそのまま使えるので開催中の片付けは楽です。
最終日までは同じ流れを繰り返し、最終日は19時から完全撤収作業。
車に積み終わり次第完全終了です。
普段知ることができないイベント出店の裏側をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
チームに人数がいるなら対応可能ですが、イベント中にもメールなどで受注や問い合わせも来るので、そちらの対応と、
さらに常にSNSでの拡散業務もしていかなければいけないので、やることはたくさんあります。
しかし普段あまり出すことができない生樽での提供を対面で出来る楽しさ、
目の前のお客様と交流できる喜びは何物にも代えがたいと感じました。
最後に、
Drinkuppers代表の真室光貴さんからのメッセージで締めくくりたいと思います。
代表の真室です。
今回のけやきは初参戦ということもあり、無事にやり切れるか心配になる局面が山ほどありました。
きっと周りから見ていたら、「この人たち大丈夫なんだろうか…」と思われたでしょう(笑)
でも、チーム・ドリンクアッパーズは強い気持ちを持った勢いのあるメンバーばかりですから、多少のことではめげません。
ドンと構える姿勢と持ち前の問題解決力で、気づけばキチンと着地できていました。
これは今後の私たちにとっても確かな自信になると確信しています(人に迷惑をかけない程度に…)。ドリンクアッパーズの業務は卸売が中心ですから、個人のお客様と直接触れ合える機会は多くありません。
けやきビール祭りのおかげで、たくさんの飲み手の方々と出会い、応援やお褒めの言葉を聞くことができました。
私たちが仕事にしているクラフトビールのインポートが、確かに誰かに喜ばれていると実感できたことを糧に、
今後も一層打ち込んでいきたいと思います。
ドリンクアッパーズのけやき出場に協力してくださった全ての方々に感謝いたします!
また、けやきビール祭り主催者様にも、貴重な機会を与えてくださったことに改めて御礼を申し上げます。
どうもありがとうございました!
See you soon!!
Drinkuppers
【twitter】https://twitter.com/drinkuppers
【instagram】https://www.instagram.com/drinkuppers/
【店舗】DRiNKUP!! Craft Beer Shop 杉並区高円寺北3-40-12
※9/25筆者加筆
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。