北海道での若きブルワーたちの胎動:「Ezo Brewers Assemble」(EBA) 第2弾
北海道内の若手ブルワーの技術交流会「Ezo Brewers Assemble」(EBA)。昨年に引き続き今年(2022年)も実施され、第2弾ビールがリリースされました。今回のEBAの様子と、札幌でのお披露目会の様子をレポートいたします。若手のブルワーの集まりとしては、全国的に見ても他に例がほとんどない規模と思われます。北海道での若き造り手たちの未来にご注目ください。
EBA(Ezo Brewers Assemble)とは
北海道内の20代~30代の若きブルワーが中心となって集まり、協働してビールを造ることで技術交流をし日頃の醸造の悩みやトラブルを解決し合います。
昨年(2021年)実施分の紹介記事
EBA第2弾ビール「士別」
今年は4つのブルワリーが新規参加し、以下のブルワリー・会社が集まりました(順不同)。
NORTH ISLAND BEER(江別市)/忽布古丹醸造(上富良野町)/のぼりべつ地ビール鬼伝説(登別市)/大雪地ビール(旭川市)/月と太陽BREWING(札幌市)/美深白樺ブルワリー(美深町)/澄川麦酒(札幌市)/Brasserie Knot(鶴居村) /士別サムライブルワリー(士別市)/Bixer Brewing(鈴木栄 氏の個人事業)/ヒニニツカ(札幌市・ビアバー)
今回集合したブルワリーは道北の「士別サムライブルワリー」、造ったビールは「Sour Hazy IPA」でした。
技術的なテーマは以下の2つです。
・乳酸菌発酵ではなくフィリーサワーという比較的新しい品種のイーストを使って酸味を出す
・ホップクリープ対策と永久ヘイズの形成
『EBA Vol.2~士別~』
ABV: 6.0% IBU: 14 STYLE: Sour Hazy IPA
テイスティングノート
色はヘイジーなイエロー。ライチ、レモンを感じさせるホップのアロマ。ブレッティでエステリーなイーストのアロマとフレーバー。明確な酸味があるが甘みがある分だけソフト。フルな苦みがストレートに出ているが渋みはない。
仕込の現場だった「士別サムライブルワリー」のヘッドブルワー風間健氏にお話を伺うことができました。
仕込み中に使用するホップをその場で多数決で決めるライブ感の中、メインに選ばれたのは『サブロ』でした。ライチ、ココナッツ、レモンのような香りがあります。そしてHazyらしい甘味とSourの酸味要素が合わさって、まるでホッピーなスポーツドリンクのような、「若手の集まり」らしく、爽やかさを感じさせるビールになりました。
みんなで造ったビールを管理する大役を引き受けたのもよい経験となりました。最初発酵が始まらなかったときはドキドキしましたが、上手に発酵してくれて良かったです。
士別サムライブルワリー
https://shibetsucb.official.ec/
https://www.instagram.com/samuraibrewery/
※今回のビールは少量生産のため瓶詰製品がなく、樽詰のみが士別サムライブルワリーより発売されました。
また、EBA発起人の一人である「ノースアイランドビール」のヘッドブルワー中村峻也氏からコメントをいただきました。
昨年から始まったこの活動も2回目を迎えることができました。それぞれ1年を経て経験も知識も増し、また参加ブルワリーも増えたことでより充実した時間を過ごすことができたと実感しています。
仕込日に会話が途切れること無く、全員が貪欲に意見交換をしていたことがそれを物語っているのではないでしょうか。
まだまだ発展途上ではありますが、継続していくことでより良いビールシーンが作れると信じています。
温かい目で見守っていただけると嬉しいです。
北海道の明るいビールシーンに乾杯!
札幌「ヒニニツカ」は北海道のクラフトビール専門店
EBA第2弾ビールのお披露目の会場だった「ヒニニツカ」は、2022年3月札幌にオープンした北海道のクラフトビール専門店です。
店長の平松祐太郎氏はブルワー経験も持ち、今回のEBAの仕込にも参加しました。
JR札幌駅北口から徒歩1分の交通至便な場所にあります。北海道ビール観光のスタート地、あるいは最後の一店として重宝できるお店です。
「ヒニニツカ」Infomation
北海道札幌市北区北7条西2丁目20 NCO札幌駅北口 別棟 1階
TEL/011-700-0012
営業/17:00~22:00(平日)、14:00~22:00(土日)
定休日/月
https://www.instagram.com/hininituka/
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