[コラム]2023.2.6

海鮮料理とビール(エビスビールとベルギービールを中心に)のペアリングについて【前半】

はじめに

今回は、海鮮料理とビール(エビスビールとベルギービールを中心に)のペアリングについて紹介したいと思います。
結論から言うと、全ての海鮮料理とビールとの合性は良いと思います。
理由として、ビールのおつまみとしての珍味には色々な海産物があります。例えば、イカの薫製、棒タラ、ホタテのミミや貝柱、鮭等のトバ、ちくわ、小魚、みがき鰊等。
海外の料理としてフィッシュ&チップス、ムール貝のビール蒸し、魚やタコのマリネ、パエリア、ピザやパスタのマリナーラ等。
また、会席料理で乾杯の際に「最初はビール」との風習が強いためか大抵の人はビールを注文します。そして、会席料理に最初に出てくるのは大抵刺身です。乾杯後、最初にビールと刺身を食べる人が大半です。もし、刺身とビールのペアリングが良くないと感じている方が多ければ「最初にビール」と言う人は少ないと思います。
今回は、和食を中心にエビスビール(妻専用ビールで分けてもらいました。)とベルギービール(その日飲みたいビール)でペアリングしました。

ちくわとロシュフォール8

海鮮料理とビールのペアリング

 

刺身とビール

アビィビール、ランビックビール、スペシャルビールで試してみました。

アビィビールとして「セント ベルナルデュス・アブト12 」と刺身を試してみました。

「セント ベルナルデュス・アブト12 」の甘くまろやかな口当たりが刺身につけた醤油の塩味が甘さを引き立て刺し身の甘さとマッチしました。そして、意外とビールの苦みがまろやかになり違和感はありませんでした。

刺身とセントベルナンデスアプト12

ランビックビールとして「リンデマンス・グーズ」と刺身を試してみました。

「リンデマンス・グーズ」はあまり強烈な酸味は無く、甘みがありとても飲みやすいグーズです。また、香が少ないのも特徴です。
そのため、刺身につけた醬油とビールの酸味がポン酢の様な感じになり、ビールに香りが少ないことから刺身の風味も殺さず、ビールの甘みが醤油の塩味によって刺身の甘さが引き立てられ一番よくマッチしました。元々、ビールに苦味が少ないため、食もビールも進みました。

刺身とリンデマンス・グーズ

スペシャルビールとして「シュフ・ソレイユ」と刺身を試してみました。

「シュフ・ソレイユ」は柑橘系の豊かな味わいの中には、バニラとペッパーの風味がほのかに感じられます。さらに香りにはカモミール等のハーブの香りがあります。「リンデマンス・グーズ」の様な酸味はありません柑橘系の味やハーブの香で刺身の生臭い香りを抑えるエビスかんじがしました。又甘味もあるので先の2種のビールと同様にビールの甘みが醤油の塩味によって刺身の甘さが引き立てられられました。

刺身とシェフ・ソレイユ

海鮮焼とビール

「エビスビール」とゴールデンビールで試してみました。

「エビスビール」と海鮮焼を試してみました。

エビスビールは大手ビールの中で一番苦味が強いと個人的に思っています。また、苦みが強いだけではなく、旨味やコク等のバランスが良いビールだと思います。
海鮮焼のはらわたに近い部分やホタテ等の綿の部分の苦味とビールの苦みが相まって海鮮の苦みを和らげてくれると共に、海鮮焼で表面に塩や醬油等の塩味がビールの甘味を引き立てました。

海鮮焼とエビスビール

海鮮焼とエビスビール

ゴールデンビールとして「ラ・ギロチン」と海鮮焼を試してみました。

「ラ・ギロチン」は、「エビスビール」とは対照的なビールで、最初は甘味を感じますが、あとで柑橘系の苦味のようなアルコールを感じます。その苦味も「エビスビール」より弱く感じます。しかし、海鮮焼で最初に感じるのは塩味と甘味です。食べていく中で苦味を感じますので海鮮焼に適したビールだと思います。

海鮮焼とラ・ギロチン

ビールと牡蠣ご飯

ビールと牡蠣ご飯は「エビスビール」で試してみました。

ご飯に牡蠣の塩味や旨味がしみ込みそれと一緒にビールを飲むと「エビスビール」の柔らかな甘味がさらに甘く感じられました。また牡蠣の苦みと「エビスビール」の苦味は増加することなく、程よい苦味に感じました。
本来ならランビックビールが牡蠣に1番合うと言われ実際に体験したかったのですが、都合上出来ませんでした。それでも、良い結果が出て満足してます。

牡蠣ご飯とエビスビール

さいごに

今回は、刺身、海鮮焼、牡蠣ご飯とビールのペアリングを紹介しました。後半はまた別な海鮮料理とビールのペアリングを紹介したいと思います。

参考文献及び引用サイト
ベルギービールJapan
すがや魅惑の麦酒

エビスビールシュフ・ソレイユセント ベルナルデュス・アブト12ベルギービールペアリングラ・ギロチンリンデマンス・グーズロシュフォール8

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

もりあき(モリテツアキ)

ビアジャーナリスト/ベルギービール・プロフェッショナル

1968年1月福島県で生まれ現在北海道余市郡に在住。ロシア人と国際結婚(妻は現在帰化)。
佛教大学卒業後社会福祉士の資格を取り地元の特別養護老人ホームの管理者を行いながら実家の事業の1つである農業を手伝っている。
ビールはベルギービールを飲むのが主で、たまに道内のクラフトビールやエビスビールを飲む。特にベルギービールは専用グラスで飲むようにしている。
現在の活動は、Facebookで北海道ベルギービール愛好会の立ち上げ、道内でベルギービールが飲める飲食店や購入できるお店や自分の飲んだビールの紹介をしている。
又、産物のハネ品(サクランボ等)からビールを作るプロジェクトを2020年立ち上げ、ハネ品(規格外、交配用、完熟、微量な傷等)を対象にビールの副原料として使い数年かけて検証していく。
今後の取り組みとして現在の活動の他、ベルギービール(道内のクラフトビールを含む)の紹介や考察を書いていきたい。
また、2022年11月23日にベルギービールのランビックビールに特化したフェイスブックを立ち上げた。これは、自身の勉強と今後1つのビールスタイルに愛着を持つ者同士のグループができるとの予測から取り組んでみたいと感じたからである。

北海道ベルギービール愛好会
https://www.facebook.com/groups/1586818794929083
ランビック愛好会
https://www.facebook.com/groups/672595961169437

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