[コラム]2023.2.12

海鮮料理とビール(エビスビールとベルギービールを中心に)のペアリングについて【後半】

はじめに

前回は、刺身、海鮮焼、牡蠣ご飯とビールのペアリングを紹介しました。
海鮮料理とビール(エビスビールとベルギービールを中心に)のペアリングについて【前半】
今回は、海鮮鍋、缶詰め、イカの姿焼き、エビの衣焼とのペアリングを紹介したいと思います。

海鮮料理とビールのペアリング

海鮮鍋とビール

今回は、セゾンビール、エビスビールで試してみました。

セゾンビールとして「パルジャス・セゾン」と海鮮鍋を試してみました。

海鮮鍋とパルジャス・セゾン

「パルジャス・セゾン」の柑橘系ののアロマが、海鮮の臭いを抑え、適度な苦みが野菜とマッチしました。また、ビールの程よい酸味が海鮮鍋のスープを引きたてた感じになりました。

「エビスビール」と海鮮鍋を試してみました。

エビスビールと海鮮鍋

「エビスビール」は大手ビールの中で一番苦味が強いと個人的に思っています。また、苦みが強いだけではなく、旨味やコク等のバランスが良いビールだと思います。
「エビスビール」の苦みが野菜とマッチしました。海鮮鍋のさかなとスープの塩味と旨味とこくが、ビールの甘味を引き出た感じになりました。

缶詰とビール

今回はホワイトビールと「エビスビール」で試してみました。

ホワイトビールビールとして「シェフ・ブロンシュ」と缶詰(イワシの水煮)を試してみました。

缶詰とシェフ・ブロンシュ

「シェフ・ブロンシュ」の柑橘系の果物のようなほのかな甘い香りが、イワシの塩味を抑え、コリアンダーやカモミールなどのスパイスの風味がイワシの水煮にハーブの風味が加わり、全体的に調和が取れました。

「エビスビール」と缶詰(イワシの水煮)を試してみました。

エビスビールと缶詰

「エビスビール」は「シェフ・ブロンシュ」の様な甘味はありませんが、イワシの苦味とビールの苦みまた、水煮の塩味とビールのほのかな甘味がマッチして美味しく食べる事が出来ました。

イカの姿焼きとビール

今回はスペシャルビールと「エビスビール」で試してみました。

スペシャルビールとして「ルプルス セッションIPA」とイカの姿焼きを試してみました。

イカの姿焼き

「ルプルス セッションIPA」のトロピカルなフルーツの香りがあり、飲むとレモンの様な柑橘系の様な酸味が、イカと良く合います。丁度イカにレモンをかけたような感じです。また、イカのはらわたの苦味が、ビールの軽やかな苦みにマッチします。

「エビスビール」とイカの姿焼きを試してみました。

エビスビールとイカの姿焼き

「エビスビール」のほのかな甘みとイカの甘味がマッチします。また、ビールの苦みが少し強すぎる感がありますが、それは、味全体には影響なく美味しく食べる事が出来ました。

 

エビの衣焼とビール

ホワイトビールで試してみました。

 

ホワイトビールとして「パーテル リーヴェン・ヴィット」とエビの衣焼を試してみました。

パーテル リーヴェン・ヴィットとエビの衣焼

エビの衣焼とは、エビフライを油で揚げるのではなく、オーブンでエビにフライ用の衣をつけて焼いたものです。
グレープフルーツなどの黄色い果実の爽やかさを感じる香りと少し酸味を感じる口当たりで柑橘系の爽快なフルーティーな味わいがエビの衣焼にレモンをかけた様な錯覚を感じます。エビの衣焼自体がトーストに焼いたエビをサンドした感じでビールに良く合いました。

さいごに

よく、日本酒に海鮮料理と合うと言いますが、それは日本酒の持つ甘味が強いため、海鮮料理特有の塩味や酸味(この2種は主に調味料(塩・醤油・酢等 )や魚自体に含まれる塩味)と甘味(調味料由来と魚の甘味)そして苦味(主に魚等のワタの部分)に良く合うからです。
ビールは、甘味が強いものや苦味や酸味の強い個性的なものが多いのですが、基本麦から作っていますので、程度の差はあれ甘味もあるため日本酒と同じ様に海戦料理と合うと思います。さらに言いますと、日本酒にはない強い酸味や苦味はビールの種類として存在します。ランビックビールは、レモンの代わりとして生ガキや鍋のポン酢代わりになりますし、魚のわた付近の苦みの強い場所を食べる際にはIPAビール等の苦味の強いビールで飲むと苦味が相殺され程よい味になると思います。
是非、海戦料理と自身のお好きなビールで試してみてはいかがでしょうか。

 

参考文献及び引用サイト

ベルギービールJapan
すがや魅惑の麦酒
小西ベルギービール

エビスビールシェフ・ブロンシュパルジャス・セゾンパーテル リーヴェン・ヴィットベルギービールルプルス セッションIPA

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

もりあき(モリテツアキ)

ビアジャーナリスト/ベルギービール・プロフェッショナル

1968年1月福島県で生まれ現在北海道余市郡に在住。ロシア人と国際結婚(妻は現在帰化)。
佛教大学卒業後社会福祉士の資格を取り地元の特別養護老人ホームの管理者を行いながら実家の事業の1つである農業を手伝っている。
ビールはベルギービールを飲むのが主で、たまに道内のクラフトビールやエビスビールを飲む。特にベルギービールは専用グラスで飲むようにしている。
現在の活動は、Facebookで北海道ベルギービール愛好会の立ち上げ、道内でベルギービールが飲める飲食店や購入できるお店や自分の飲んだビールの紹介をしている。
又、産物のハネ品(サクランボ等)からビールを作るプロジェクトを2020年立ち上げ、ハネ品(規格外、交配用、完熟、微量な傷等)を対象にビールの副原料として使い数年かけて検証していく。
今後の取り組みとして現在の活動の他、ベルギービール(道内のクラフトビールを含む)の紹介や考察を書いていきたい。
また、2022年11月23日にベルギービールのランビックビールに特化したフェイスブックを立ち上げた。これは、自身の勉強と今後1つのビールスタイルに愛着を持つ者同士のグループができるとの予測から取り組んでみたいと感じたからである。

北海道ベルギービール愛好会
https://www.facebook.com/groups/1586818794929083
ランビック愛好会
https://www.facebook.com/groups/672595961169437

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