日本の高度経済成長期を支えたビールを現代に。『錫管』ビールサーバー復活プロジェクト!
高度経済成長初期。日本のビールサーバーには『錫(すず)製の冷却管』が使用されていました。
当時の味を知る先人達は口を揃えて「錫管から注がれるビールの味わいはまろやかで旨かった」と言います。
日本が活力に満ちていた時代のビール。現在では姿を消してしまった、錫製の冷却管を使用したビールサーバー(とその味)を現代によみがえらせるプロジェクトが始動しました。
目次
昭和初期のビールサーバーに使われていた錫製冷却管
昭和30年代まで、日本のビールサーバーには、柔軟性(=加工しやすい)があり、熱伝導率が良い(=冷却管に使用する素材として適している)という理由から、錫製の冷却管が使用されていました。
しかし時代の流れとともに、ビールの世界に次々と新しい技術や設備が導入された結果、現在のビールサーバーには、耐腐食性や強度に優れたステンレス製の冷却管が使われており、2023年、国内で実際に稼働している錫管は1つも存在しません。
そんな錫製の冷却管を復刻し、錫管のビールサーバーでビールを注ごう!味わおう!というのが本プロジェクトの概要です。
どうして錫管を復活させたいのか?
錫は、甘くフルーティな芳香をもつ不思議な金属で、その果実のような芳香が注いだお酒をより引き立てるとされています。
(日本酒の世界では「錫の酒器でお酒を飲むと味わいが良くなる」と言われることも・・)
現在、国内で稼働している錫管は存在しないため、その味を体感することは叶いません。
「当時のまろやかな味わいのビールを飲んでみたい。」
スイングカランと呼ばれるサーバーに使われていた錫管でしか再現できないビールの味わいを追求するロマンが、本プロジェクトの原動力になっています。
日本を代表するビール注ぎからの応援メッセージ
本プロジェクトは、ビール専門店『HIGHBURY-THE HOME OF BEER-』の安藤耕平さんを中心にスタートし、全国のビール注ぎや技術者の協力を得て、実現への歩みを進めています。
「ビールスタンド重富」重富寛さん、「BEER STAND MINATO」木村明宏さん、「ビアライゼ’98」松尾光平さん。
写真左:八木文博さん、写真右:安藤耕平さん
さらに、日本を代表する老舗ビヤホール「ニユー・トーキヨー」にて半世紀以上もの間ビールを注ぎ続けた名人・八木文博さんも錫管ビールサーバー復活に向けて力を合わせています。
八木文博さんより応援メッセージ
初めて安藤さんから「錫管のビールサーバーを復活させたら注いでもらえますか?」
という打診があったときは正直本当にそんなことできるの!?
と半信半疑でしたが自分も経験したことがなかったことなので興味津々ですぐに賛同しました。私は今回のオリジナルの錫管制作の前に昨年皆さんより一足早く暫定の錫管サーバーでビールの味見をしましたが、
一言でいえば錫管独特なスッキリした味わい、マロヤカな風味で間違いなく今までに味わったことがないビールの味でした。
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「ビヤホールにはスイングカランが必要だ」:日本で一番ビールを注いだ達人「八木 文博」さんインタビュー
https://www.jbja.jp/archives/41271
100年後の日本のビールのために。クラウドファンディング実施中
「このプロジェクトを通して、もう一度日本が一番元気だった時代の人々が飲んでいた唸るほどに旨いビールを復活させたい」
「世界に誇るべき日本のラガービールを次の世代に継承したい」
と、語る安藤さん。
現在CAMPFIREにて、『錫管』のビールサーバー復活に向けたクラウドファンディングを実施中です。
《100年後の日本のビールのために》 『錫管』のビールサーバーを復活させたい!! – CAMPFIRE (キャンプファイヤー) (camp-fire.jp)
上記サイトには、これまでの歩みも詳細に掲載されていますので是非ご覧下さい。
※クラファンリターンには、完成お披露目会への招待や制作現場見学、1年間ビール飲み放題なども用意されています。
4月下旬から5月上旬を目処に新店舗開業を予定中。『錫管』ビールサーバー復活プロジェクト今後の展開にご期待ください。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。