[コラム,ブルワー]2023.3.5

川口のヘッドブルワー集合! ここでしか聞けない貴重なトークを公開!(後編)

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左から、岩立さん、山田さん、五島さん、星野さん

埼玉県内で最も多い4社のクラフトビール醸造所が稼働している川口市。
その川口市のブルワリー4社でヘッドブルワーを務める4名に集まってもらい、川口のビールシーンについて語ってもらいました。

この日に集まったのは川口ブルワリー五島 侑さん(以下、五島さん)、星野製作所(麦)星野 幸一郎さん(以下、星野さん)、GROW BREW HOUSE岩立 佳泰さん(以下、岩立さん)、ぬとりブルーイングからは山田 泰一さん(以下、山田さん)の4名。

「ビール造りへのこだわり」「お互いの印象」について話した前編に引き続き、後編では「ビールを造りたいと思ったきっかけ」「造ってみたいビール」についての話をお届けします。

川口のヘッドブルワー集合! ここでしか聞けない貴重なトークを公開!(前編)

ビールを造りたくなったきっかけと、造りたいビール

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座談会はビールを飲みながら行われた

― そもそも、ビールを造ろうと思ったきっかけについて教えてもらえますか?

山田さん:この中で最初にビール造りを志したのは星野さんだよね?

星野さん:ブルワリーを始めたのは「川口ブルワリー」が最初だけど、この中で造ろうと思った順でいったらそうなるかな。
元々、ものづくりで商売できるものはないかなって考えていて、好きだったお酒の中からビールが面白いと思ったのがきっかけです。
地ビール八蛮で働き始めて、実際に自分で造り始めたのはそれから4~5年後(2018年3月)ぐらいかな。岩立さんはどれぐらい?

岩立さん:お店がオープンしてもうすぐ4周年で、その2年ぐらい前に税務署に問い合わせた気がします。それで、自分一人でやるよりもと思って、よく飲みに行っていたバーCASK AND STILLのマスターに「一緒にやりませんか?」って相談したのもその頃です。
※「GROW BREW HOUSE」は、2023年3月25日(土)に4周年イベント開催予定

山田さん:そのころ一緒に「川口ブルワリー」で働いていたもんね! 丁度、「川口ブルワリー」がオープンするタイミングで、お互いビール醸造を意識してアルバイトとして働き始めました。

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五島さん(手前)と山田さん(奥)

五島さん「ビールを造りたいと思ったのは5年前ぐらいですね。学生時代にビールが好きになって、学生時代を過ごした新小岩のBeer Bar CROWDに飲みに行くうちに自分でも造りたいと思うようになりました。
そこで調べたら地元にビールを造っているお店があると知って応募しました。
最初は母体の株式会社アライで色々な業務に携わり、前任の高坂さんが退社するタイミングで改めて手を挙げたのがきっかけです。

山田さん:そう意味では、ビール造りのスタート地点は「川口ブルワリー」って人も多いですよね。

星野さん:介さん(高坂さん)は、自分が働いていたところにも見学に来ていましたよ。今だと色々なところで経験が詰めるけど、当時はまだビール醸造ができる場所も限られていたからね。

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「自分で造れば好きなだけビールが飲める」と考えていた岩立さん

岩立さん:俺も元々ビールが好きでよく飲んでいたのですが、クラフトビールって高いじゃないですか? 自分で造ったら好きなだけ飲めるかなって考えたのがきっかけですね。もちろん他にもあるけど、最初のきっかけはそれでした(笑)

山田さん:みんな根底にはビールが好きってのはありますよね! 俺は「ビールメーカーになれる道があるのか!」って知ったのがきっかけです。
「十条すいけんブルワリー(現:Beer++ Brewing)」に飲みに行って、寸胴鍋とか見たことある道具だけでビールが造れることを知り感動したのを覚えています。
24時間ビールのことだけ考えていて、それを仕事といえるなんて最高ですよね!

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お忙しい中、ありがとうございました!

― 最後に、今後造ってみたいビールがあれば教えてください。

岩立さん:野生酵母のビールを造ってみたいですね。造っていて完成品が想像できないようなビールを造りたい! おかげさまで最近は想像した通りの味のビールが造れるようになったので、造っていてときめくようなビールは、もしかしたら自然酵母を使ったビールなのかなって感じています。

山田さん:それはわかるな! それこそ髭からとった酵母を使ってのビールも「ローグ・エールス」がやっていたよね!
俺は造りたいビールが多すぎて、むしろ、「どぶろく」なんかも造りたい! 埼玉産の米や麹も手に入りそうなので、酵母も含めてオール埼玉産のビールは造りたいですね。
川口にはそこまでこだわってなくて、埼玉がいいかなって思っています。麦とかホップもいろいろな方に手伝ってもらって。

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今年はモルトフォワードなビールを造っていくという星野さん

星野さん:今年はモルトフォワードなビールを造っていきたいと思っています。新しいアイデアが生まれる副原料も探しているし、日々、造りたいビールを模索中って感じですね。

五島さん:スムージー系やサワー系の、造ったことがない流行りのスタイルには挑戦してみたいですね。うちは定番3種を常に造っているので、それ以外の限定ビールも強化していきたい。自家製の麦味噌とか、地域の農産物を副原料にしたビールも常に意識しています。

「サッポロビール埼玉工場」跡地で、川口のビアフェス開催!?

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「アリオ川口 芝生広場」でのビアフェス開催なるか!?

造りたいビールと同時に、五島さんが実現させたいビアフェスについての話をしてくれました。
それは、川口市役所経済部の方とも話しているという、「アリオ川口の芝生広場でのビアフェス開催」だといいます。

「アリオ川口」といえば、2003年9月8日に惜しまれつつ閉鎖した「サッポロビール埼玉工場」跡地に建つ商業施設です。
今から100年前の1923年に建設(当時は「日本麦酒鉱泉東京工場」)され、長い間、川口市のシンボルであったビール工場跡地で、現在と未来のビールシーンを彩る4社が顔を揃えてビアフェスを開催する。

なんて、ロマンのある話でしょう。
現時点では全くの未定だというこの企画ですが、その実現を期待せずにはいられません。

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

南原 卓也

ビアジャーナリスト/樽生アドバイザー

埼玉県にある“日本一面積の小さい市”で生まれ育ったビール好き。
サントリー樽生アドバイザー、業務用酒販店の営業を経て、埼玉とお酒を伝えるライターになりました。

【日本ビアジャーナリスト協会】2021年新人賞 受賞
【日本ビアジャーナリスト協会】2022年最優秀執筆賞 受賞

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