「足立区をイメージしたビール」を造りたい! 文教大学生の取り組みにご協力ください
文教大学国際学部国際観光学科の清水ゼミが東京北東部にある足立区をイメージしたビールを造るため、アンケートを実施しています。
足立区をイメージしたクラフトビール開発のきっかけは?
今回、企画を立ち上げたのは、文教大学の清水麻帆准教授。ゼミでは、「文化と地域創生」をテーマに活動しています。
清水さんは、コロナ禍で全国の社会経済活動が停滞する中、ゼミ活動を通じて大学のある足立区の活性化に貢献できないかと考えていました。
そのような中、「近年、観光資源の1つとして地酒やワインなどの食文化が注目されています。クラフトビールも地元の職人達によって造られる地域固有のものであり、現地に足を運ぶことでしか味わえない地域文化の1つであるといえます。今回は、地域性を強く打ち出すため、足立区をイメージしたクラフトビールの開発を企画し、地域特有の商品になればと考え、足立区内にある『さかづきBrewing』のオーナーブルワーである金山尚子さんに相談をして企画がスタートしました」
同時に、ゼミ活動として、ゼミ生がアンケートを作成。これについて「足立区のことを知らなければ、アンケートの質問項目を作成することはできません。そのため、学生に足立区を深く知るきっかけとなる学修の機会を提供することや地域の方々と触れ合う機会を設けることも、この活動の目的でした。地域の活性化に、なぜ地域の人々が関わることが重要であるのかを学生自身が身を持って少しでも体験して理解する機会になってほしい」と清水さんは理由を話します。
区民だけではなく区外の人のイメージも含めて造る
足立区のビール造りのアンケートを行うことになったゼミ生たち。しかし、内容がなかなか決めることができなかったと言います。
「ゼミの学生は足立区で生まれ育った者はいないので、アンケートを作成する段階で足立区をイメージすることが難しかったです。どんな質問をするのが良いのかとても悩みました」とゼミ生たちは声を揃えます。
質問は、同校の学生や区内に住む人、活動している人に聞いて作成し、清水さんや金山さんの意見も参考にして完成させました。
今回のアンケートでは、「区民だけではなく、他の地域の人たちが抱いているイメージも知りたい」とゼミ生たちは言います。2023年の年明けから幅広い世代や地域の人からのイメージを集めていますが、「もっと多くのイメージを知りたい」と、ビールが好きな人たちにもアンケートの回答をお願いしたいということです。
「何が足立区のイメージなのか?」 不安もあるけど形にするワクワクもある!
ビールを担当する金山さんは、今回のプロジェクトを聞いてどう思ったのでしょうか。
「率直に、『地域のビールがどうあるべきか?』『飲み手が何を求めるのか?』という疑問が頭に浮かびました」
ビール原料となり得る特産品が豊富ではない中、「これが足立区のクラフトビールです」と、何をもって語るのか。どういうストーリーが生まれるのか。本質的な課題のを前に見通しが効かず、不安だったと言います。
その反面、「アンケートを通じて、その解をあぶり出し、ビールのレシピに落とし込むという、異次元の作業にわくわくしています。足立区内外の人がアンケートに参加するので全員が納得するビールは造ることができないかもしれません。それでも一部の人の心に深く刺さるものを造りたい」と話します。
この取組みからビールに興味をもつ人が増えたら嬉しいと文教大学側も金山さんも言います。さらに「このプロジェクトを通じて、いかにビールが自由で開かれたものであるかを感じてほしい」と金山さん。
イメージを形にしていく。人それぞれ違うものを1つのビールにしていく難しい挑戦だと思います。しかし、どんな風になるのか興味もあります。
最後に改めて未来を担っていく学生たちの挑戦にビールファンのご協力をお願いします。アンケートは2023年3月末日までとなっています。内容は性別や年齢をはじめ、足立区のイメージを選択する簡単なものです。
アンケートの結果からどんなビールが生まれるのか。そして、飲んだ人たちがどんな感想を話すのか。完成したら飲みながら聞いてみたいと思います。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。