【ビールを通して感じる韓国⑤】ソウルとその近郊でクラフトビールを飲む(1) 韓国伝統家屋が並ぶ益善洞へ
韓国でも2010年代半ばから、小規模なブルワリーで作られるクラフトビールが人気を集めてきています。
*韓国のビール事情の変遷についてはこちら(【ビールを通して感じる韓国】3年前に登場したビール「TERRA」が大人気!)から…
昨年12月の釜山に引き続き、先月、首都ソウルを起点にして韓国を回ってきました。
そこで、現地で実際に見て確認してきたことを中心に、さらに韓国のクラフトビールについて情報提供をしていきたいと思います。
今後、韓国を訪問する機会を得たビール好きな方に、少しでも参考になれば嬉しく思います。
ちなみに、現在韓国への入国の際は…、
・ビザなし渡航に必要だったK-ETA(電子渡航認証)の事前取得が、2023年4月1日から2024年12月31日まで、日本を含む22カ国を対象に免除されています。
・入国前に「検疫情報事前入力システム(Q-code)」の入力を済ませておくと、韓国入国時にQRコードを空港検疫に提示することによって速やかに入国できます。健康状態質問書の書類を記入・提出することでも対応可能ですが、紙の書類の積極的な配布がなくなり、以前よりさらにQ-codeの登録が推奨されているようです。
益善洞とは?
今回紹介するクラフトビールのお店がある地域は、ソウル中心部の益善洞(익선동・Ikseon-dong)です。
日本人にとってはまだあまりなじみのない地名かもしれませんが、伝統茶や工芸品の街として有名な観光地である仁寺洞に隣接しているエリアといえば、何となく場所がわかる方もいらっしゃると思います。朝鮮王朝の宮殿の中でも美しい昌徳宮や朝鮮王室の歴代の王・王妃を祭った宗廟からもとても近く、観光のついででも立ち寄りやすい場所です。
善益洞は、もともとは1920年頃にできた、細い路地に形成された韓国伝統家屋(韓屋)が集まっているエリアでしたが、2014年頃から古くなった韓屋を現代風にリノベーションしたおしゃれなレストランやカフェ、ショップが急増。韓国らしい韓屋の趣きを感じつつ、流行も取り入れた様々なお店があり、歩いているだけでも楽しめるので、国内外からの多くの訪問客で賑わう場所になっています。
私が訪問したのは平日でしたが、若者を中心に様々な年代の人々が通りを歩いていてかなり混雑していました。ちょうどランチタイムが始まる時間帯だったこともあり、人気のレストランで開店を待つ人の長い列をあちこちで見かけ、かなり人気のエリアであることを実感してきました。
益善洞でクラフトビール
そんな益善洞の中にある、オリジナルのクラフトビールが飲めるお店を2軒紹介したいと思います。
Aledang(에일당)
Aledangは、古い韓屋をかなりそのまま生かした建物でクラフトビール製造・提供しています。営業時間が12時から(~23時)なので、ランチに利用することもできます。
外観だけでなく、内部も趣があります。建物内部と中庭風の場所にテーブルがありましたが、「どこに座ってもOK」と言われた私は、建物の縁側にあるちゃぶ台を使うことにしました。こんな場所で飲める機会を逃すわけにはいきません!
オリジナルビールは8種類ほどで、単独で頼むと7500~8500ウォン(約750円~850円)。私は各200ml×4種類のサンプラー(17500ウォン・約1750円)を選びました。サンプラーのビールは決まっていて、JONGNO RAGER(アルコール度数4.6%・IBU14)、TOPGOL POTER(アルコール度数4.9%・IBU11)、CHANGDESK WHITE(アルコール度数5.4%・IBU16)、IKSEON IPA(アルコール度数6.7%・IBU40)の4種類でした。
全体的に軽めの味わいのビールが多いように感じたので、次に行くことががあれば、今度はサンプラーにないビールを飲んでみたいと思っています。
合わせて、ランチメニューの中からベーコンスパイシーカルボナーラ(14800ウォン・約1480円)も注文しました。程よい辛さがあり、ビールが適度にすすみました。
韓屋の中でクラフトビールと食事を楽しめるのは、韓国ならではだと思います。平日のランチタイムは食事中心で楽しんでいる方が多く、ソフトドリンクの用意もあるので、飲まない方と一緒でも訪問できるお店です。
◎Aledang所在地:서울특별시 종로구 수표로28길 33-9(33-9, Supyo-ro 28-gil,Jongno-gu,Seoul)
Craft Roo
Aledangから徒歩数分のところにあるのが、やはりオリジナルのビールを提供しているCraft Rooです。ここは、韓国東海岸の束草(속초・Sokcho)にあるCraft Root Breweryの直営店で、2016年に益善洞に最初に出来たクラフトビールのお店だそうです。
Aledangに比べて外観は現代風にスッキリとしていますが、それでも屋根などに韓屋の面影が残っています。
平日は16時半開店(~23時半)ですが、週末は12時から開いているようなので、昼に訪問したい方は週末を狙ってみてくださいね。
シンプルな内部も、ところどころに韓屋らしさが残されています。
この日提供されていたのは、オリジナルビールが9種類とゲストビールが3種類。オリジナルビールは、ほとんどが7000~8000ウォン(約700円~800円)、ゲストビールは12000ウォン(約1200円)。ゲストビールも含むサンプラーは、6種類で27000ウォン(約2700円)となっていました。
私が頼んだのは、Abai Weizen。アルコール度数5.2%・IBU10で、7000ウォン(約700円)でした。おつまみのクラッカーはサービスです。食事メニューもあり、特に人気なのはいろいろな種類があるピザのようです。
この日は1杯だけと決めていましたが、美味しいビールだったのでもっと他のビールも飲んでみたい誘惑に駆られてしまいました。
私は荷物の関係もあり断念しましたが、缶ビールの販売も行っているので、買って帰ってホテルの部屋でさらに楽しむという手も使えます。
◎Craft Roo所在地:서울특별시 종로구 수표로28길 17-7(17-7, Supyo-ro 28-gil,Jongno-gu,Seoul)
益善洞(韓屋村周辺)へ行くには?
最寄り駅は、地下鉄1・3・5号線の鍾路3街駅の利用が便利です。地下鉄5号線に近い3~6番出口を出ると、それほど歩かずに行くことができます。
ちなみに、鍾路3街駅周辺にはまだまだ昔ながらのソウルの雰囲気がそのまま残っているエリアもあります。韓屋村エリアを離れて路地を歩いてみたり、夜にお店や屋台で飲んでみるのも楽しいかもしれません。
ソウルは首都だけあって、クラフトビールを飲めるお店もかなり増えています。営業時間もお店の雰囲気も多種多様です。でも、クラフトビールが好きでも、飲むだけではなくせっかくなので観光や買い物もしたいと思う方がほとんどではないでしょうか。
どこかへ行ったついでにでも気軽に立ち寄れその両方をかなえることができる場所のひとつが、今回紹介した益善洞の韓屋村周辺になります。是非、機会があったら訪れてみてくださいね。
*10ウォンを約1円として換算しています
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。