「ビールで太る」は迷信だ!
年末年始に太っちゃったって話、よく聞きます。
寒いので外出せずにゴロゴロして、おせち料理や買い置きしてた物をついつい食べ過ぎて…。なんて感じでね。
こんな時、よく「ついついビールを飲み過ぎちゃって、お腹の周りに贅肉がついたよ」なんて話も耳にします。
ビール腹なんて言葉もあるし、「ビールは太るんで飲みません!」なんて女性もいるそうだ。
はたして、本当にビールは”太る原因”なのだろうか?
医学博士宍倉朋胤氏によると、「ウィスキーや焼酎のような蒸留酒はアルコールのカロリーしかありませんが、ビールやワインなど醸造酒には糖質やタンパク質もあります。これが、お酒の酒類によって太るとか太らないと言われる原因です。しかし、実際は糖質やタンパク質の量は少ないので、それが原因で太ることはありません」
また、「エチルアルコールは1グラムあたり約7.1キロカロリーとされており、どんなお酒でも同じです」とのことだ。
さらに続けて「アルコールは食欲を増進させる作用があるため、どうしてもつまみが欲しくなります。また、アルコールのカロリーが優先的に消費されるため食事の分のカロリーが消費されにくいことになります。ただし、胃腸への負担を考えると何も食べずにお酒だけを飲むことはお薦めできません」とのことだ。
つまり、「ビール=太る」というのは迷信というわけだ。どの酒もほとんど同じなのである。
ビールが太ると言われる所以は、ビールのアルコールとホップが食欲を増進させ(中世ヨーロッパではホップが食欲不振の薬として使われていた記録もある)、またピルスナー・スタイルのビールがソーセージなどの脂肪の多い肉料理、揚げ物といった脂っ気のある高カロリー食との相性が良いことから、これらをついつい食べ過ぎてしまうということが原因と考えられる。
決して、ビールだけが悪者ではないのだ。どちらかと言えば肴のカロリーのほうが問題と言うことだ。
ま、最終的には「運動してカロリーを消費することが楽しいビアライフに繋がる」ということである。
ビールを言い訳にしてはイカンよ。(と自戒)
(2005年「The Beer & Pub Vol.2」に掲載された「Dr.宍倉の『ビールで健康』」を再構成して掲載)
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