「天上天下唯我独尊」をテーマに醸す「寺(じ)ビール」!法龍山麦酒誕生
2023年4月20日、横須賀に新たなブルワリーが誕生しました!その名も「法龍山麦酒」。横須賀市内の歴史ある寺院「最光寺」を母体とした、僧侶がビールを醸すブルワリーです。
僧侶が造るビールとは一体どんな味わいで、どんな特徴があるのか……
気になるあれこれを探るべく、早速現地に行ってきました。
京急久里浜駅すぐそば!商店街にオープン
法龍山麦酒は京急久里浜駅から徒歩5分、久里浜商店街の中にあります。久里浜は海や山に囲まれた、穏やかな雰囲気の街。ペリーが黒船で上陸したことでも知られています。
人々が行きかう商店街を歩いていくと、八百屋さんの隣に「法龍山麦酒」の文字が!厚みのある木に、金色に輝く筆文字。思わず手を合わせたくなるような美しさの看板に出迎えられて店内に入れると、そこは温かみのある居心地のいい空間。新築特有の木の香りが鼻をくすぐります。
店内にはスタンディングカウンターが3か所、カウンターで出来立てのクラフトビールを受け取り、思い思いの場所でが楽しめるようになっています。オープンなその作りは、買い物帰りにふらっと立ち寄れるような気軽さ。わたしがお邪魔した時も、1人でサクッと飲んで帰る地元の方や、瓶詰したビールを買って帰る方々が入れ替わり立ち代わり訪れていました。
この日飲むことが出来たビールは3種類。セゾン「唯」、ペールエール「尊」、そして期間限定のヘイジーペールエール。1杯500円で、「龍」の文字が入ったグラスで提供されます。
「唯」はセゾン酵母の香りが心地よい、爽やかなセゾン、そして「尊」は柑橘の香り豊かで、華やかなペールエール。どちらも身体にするすると身体に染み込むような味わいでした。法龍山麦酒の定番ビールは、この「唯」と「尊」、そしてこれからリリースされる「我」と「独」の4種類。そう、すべて並べると「唯我独尊」となるラインナップなのです。
仏教由来のこの言葉をなぜ定番ビールの名前にしようと思ったのか、僧侶であり法龍山麦酒のマスターブルワーである藤堂 曜平さん(以下藤堂さん)にお話をお伺いしました。
ビールに込めた、お釈迦様の教え
――「唯我独尊」を商品名にした背景を教えてください!
藤堂さん:お釈迦様の教えである「天上天下唯我独尊」には、皆ひとりひとりがかけがえのない尊い命である、という意味があります。わたしたちがかけがえのない自分であり、その人生は無条件に等しく尊いのです。
その思いをビールに込め、法龍山麦酒を訪れた人々が笑顔になってくれればという思いでこの商品名にしました。
――「唯我独尊」は自分だけが優れている、とか自分勝手というような意味だと勘違いしていました……素敵な言葉ですね!残り2つの「我」と「独」はどのようなビールになる予定なのでしょうか?
藤堂さん:「我」はIPA、「独」はスタウトです。漢字のイメージと各ビアスタイルの特徴からつけているのですが、「我」はやはり我の強いIPA、「独」は色の感覚から独立しているスタウトかなと思いこのビアスタイルにしました。
――そのイメージすごくわかります!ちなみに「唯」と「尊」はどのようなイメージからこのビアスタイルになったのでしょうか?
藤堂さん:「唯」は他の上面発酵酵母よりも高い温度で働くセゾン酵母の特徴から「唯一」の意味を込めてセゾンにしました。「尊」はエール系ビールの根幹であるペールエールへの尊さからこのビアスタイルをあてはめました。
――セゾン、ペールエール、IPA、スタウトが定番ビールになるのですね!その他、期間限定ビールなども造っていくご予定なのでしょうか?
藤堂さん:そうですね!今決まっているものだとサワーIPA、そしてその次はお寺の境内で穫れた完熟梅を使用した、梅のサワーエールを醸造する予定です。
――お寺で穫れた梅!それは飲むといいことがありそうなビールですね
藤堂さん:梅のサワーエールに関しては、使用する梅の量などを調整して何種類か醸造したいなと思っています。
――法龍山麦酒は今後ネットでも購入できるようになるのでしょうか?
藤堂さん:オンラインストアは現在準備中で、恐らく5月中にはリリースできるかと思います!
「寺(じ)ビール」で人々を笑顔に
寺院が母体となり、僧侶が醸す法龍山麦酒。彼らは自身のビールのことを日本トラピスト「寺(じ)ビール」と表現します。人々の心を癒し、笑顔にする。今後法龍山麦酒が久里浜で、そして横須賀でどんな存在になっていくのか、今からとても楽しみです。
今後はクラファンなどを行い、様々な展開をしていくとのこと。HPやインスタなどでぜひチェックしてみてくださいね。
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