店舗刷新から2ヶ月で絶好調!伊勢丹新宿店 「ISETAN CRFT BEER BAR」の今とこれからについて
伊勢丹新宿店本館地下一階のISETAN CRAFT BEER BARが今年2月に改装してから絶好調だ。
その絶大なるブランド力で影響力のある伊勢丹新宿店がクラフトビールに注目し、さらに売り上げを伸ばしている事は我々クラフトビールファンにとって、とても嬉しいニュース。
現在の売り場になるまでの経緯、今回のリニューアルの狙い、売り場の変化について、早速売り場担当者に取材をした。
目次
お客様ニーズを慎重に見極めながら大胆に刷新
ー売り場をリニューアルし、クラフトビールバーがオープンするまでの経緯を教えてください。
池ノ内氏(以下 池):2020年頃までは、当店の品揃えにはクラフトビールがあり、その時点では約100種類のアイテムしかなかったんです。理由としては、一つあたりの単価が平均500円程度であり、まだまだ贈り物としてご紹介するには難しかった事。しかし、2018年以降、ビール業界には新しい参入者が増え、クラフトビールの種類が増えたことで、お客様に提供できる選択肢が広がりました。そして、2020年には大きな転機を迎えました。新型コロナウイルスの影響で店舗が一時閉鎖しましたが、再開後にビールの需要が急増したんです。在宅する時間が増えたことで、お客様の自宅での飲用が増えたのが一因でしょう。これにより、当店でもクラフトビールの販売が伸びました。
この機運を逃さず、お客様のニーズに忠実に対応していく。売り場を約1.5倍に拡大したら、売り上げが約2倍に。数字と世の中のムードを読み取り、慎重かつドラスティックな判断が今の売り場に繋っていく。
池:2020年は100種類程度しかありませんでしたが、売り上げとお客様の様子を見ていて、このままでは要望に応えきれないと判断し、2021年2月に売り場を約1.5倍にしました。国内のブルワリーを中心に人気が出始め、リピーターがつくようになりました。2021年22年は約150種類に展開拡大させたことにより、売上は約2倍の規模に拡大しました。
直接この売り場を目掛けて来店されるお客様もいらして、クラフトビールファンの熱心さも感じましたし、数字からも市場としての成長性も感じられたので、常時220種類以上展開できる棚の拡大とバーカウンター設置のリモデルに踏切りました。
お客様の層にも大きな変化が。20代、30代のお客様は約2倍に増え、若い女性が1人でバーカウンターでビールを楽しむ姿を見かけることもしばしば。結果、20代や30代の年齢層のお客様を増やす、という昨今のお店全体の課題解決にも貢献することに。
造り手とお客様を繋ぐバーカウンター
ープロモーション中のビールがバーでも飲めるというのが良いですね。
池:このバーカウンターは造り手さんとお客様を繋ぐために設けた大切な場所なんです。1週間のプロモーション期間中、何日かブルワリーさんに来ていただき、サービングや、ブルワリーの紹介をしていただいております。直接お客様の反応を見ていただける良い機会ですし、お客様側も日頃なかなか会えない造り手さんのお話を聞けることに価値を感じてもらっています。
ここのタップ営業はちょっとユニーク。サイズは基本的には265mlの少し小さめサイズの提供。お一人様30分3杯までというルールがある。あくまでもプロモーション中のビールの“有料試飲”という建て付けなので、お客様側も、少量を試して気に入ったら購入することができ、結果、スピード感がある業界でより多くの人にとってハードルを感じることなく、クラフトビールを楽しむことができる。
ー人気ブルワリーの週だと並びきれない程のお客様が来店されることもあったそうですね。
池:僕が一番驚いたのは、ラストオーダーの時間が近づいて来た時、並んでいたお客様同士が時間とスペースを譲り合って飲んでいたことです。みなさんビアフェスに行ってるから、待つ、そしてシェアする、という行動が自然なんですよね。とても良いお客様だなと感心しました。
顧客起点の品揃えを心がける
ー見た目にも圧巻の常時220種類以上の品揃えですが、セレクトの基準について教えてください。
池: 分かりやすい“ビールのものさし”がなかったので、初期は話題のあるトレンド性を持っているビールを中心に選定していました。ビアバーも重要な情報源のひとつです。また、取引先の酒屋さん、ブルワリーさんからの持ち込みの話も多くありますが、最終的には多様なお客様の反応を受け止め、顧客起点で品揃えをするようにしています。
ブルワリーの数も急増し様々なスタイルも生まれる昨今ではこの「話題」にキャッチアップするのも困難。池ノ内さんは自らビアバーへ赴き、得た情報を元に、自らもリサーチをしている。
ー今注目のブルワリーについてお聞かせください。
池:国内だと、クリフビールさんですね。沖縄の果物だったり野菜だったり、原料を使っていて、唯一無二のものなんじゃないかなって思います。パイナップルや6種類の野草を使ったセゾンも美味しい。飲まなくても、イメージしやすいところもあるのでいいなと思ってます。
ー海外だといかがでしょうか。
池:ニューヨーク近郊のブルワリーは今個人的にはアメリカの中でも注目してます。例えばアザーハーフ。バーリーオークというサワー系が強いところがあってそこもいいですね。
でも、これらのブランドはすでに注目されていますので、自分たちの役割としては、“ネクストアメリカ”のご紹介していくことだと思っているので、今はカナダのオンタリオ州のブルワリーに注目をしています。
ーカナダのクラフトビールの味はどうですか?
池:ドリンカブルでとても飲みやすいです。日本人にはすごい刺さるんじゃないかなと思います。缶のデザインが本当にオシャレで、20代の方への間口も広いと思います。缶は特にイメージで買う人が多いですが、そんな動機で飲んだとしても間違いないビールを揃えています。
クラフトビールは常に「前に」進んでいる
ー今後の展望についてお聞かせいただけますか。
池:この場所はお客様とブルワリーを結ぶ場所と捉えています。なので、ここから生まれる出会いやコミュニケーションが人々にクラフトビールの魅力を伝え、愛されるきっかけになることを期待しています。また、ブルワーだけでなく、店舗のスタッフも含め、一丸となって素晴らしいビールを提供したいと思っています。ビールに関わる全ての人たちが主役になれるような場所にしていきたいです。
ー最後に改めて、クラフトビールの魅力って何でしょうか?
池:一番の魅力は新しい発見とか、ワクワクする体験があることです。
デザインや味わいもですが、常に「前に」進んでる感覚がありますよね。それが私たちをポジティブな気持ちにさせてくれる。ブルワリーの方々が本当にすごいなと思ってて、定番もありつつ、限定酒を今のようなスパンで回すということは本当に常に稼働してしていないとできないことですよね。その熱量もそうですし、常に技術を磨き、最高の味わいを提供するために尽力している所が、素晴らしいと思っています。
このような、ブルワリーの熱量や情熱を大切に、彼らが築き上げたものを壊さないようにお客様に伝えていきたいです。
プロモーションのご案内 京都醸造
京都府/京都醸造 5/17(水)~23(火)
『自分たちが飲みたいビールを作れば良い』をモットーに、アメリカ・カナダ・ウェールズと多国籍なメンバーで設立されたブルワリー
ベルギーの酵母とアメリカ産などのモダンなホップを掛け合わせるという独自の発想で、他にはない味わいのビール作りに取り組んでいます
ファンの方々を魅了してやまない京都醸造さんが、ついにICBBへ!(ISETAN CRAFT BEER BARの略)
この機会にぜひご来店ください
樽生提供
☆夏の気まぐれ
スタイル:セッションIPA
トロピカルフルーツのような甘みのあるアロマ
やや抑えめの度数も相まって、ゴクゴク飲みたくなる、夏の始まりを感じさせるIPA
☆陽が知る
スタイル:セゾン
仕事終わりに飲みたいビール!
軽やかでいてしっかりと深い味わい、フルーティーでいてキリッとドライで飲み良いセゾン
☆芽吹(めぶき)
スタイル:ペールエール
【樽生限定】
キレがあってドライな口当たり
淡い色合いとレモンのような香りが特徴の春爛漫なペールエール
☆末広がり(すえひろがり)
スタイル:ダブルIPA
ベルギーとアメリカそれぞれのエール酵母の個性が融合したIPA
※グラウラーでのお持ち帰りのご用意はございませんので、予めご了承くださいませ。
>ゲスト来場
☆5/19(金)15時~20時(L.O.19時30分)
京都醸造株式会社 椿野 遥氏
(来場は予定となります。諸事情により不在のお時間もございます。予めご了承くださいませ。)
- ISETAN CRAFT BEER BAR
所在地 :東京都新宿区新宿3丁目14−1 伊勢丹新宿店本館地下1階
営業時間:15:00~20:00(L.O.19:30)※ボトルショップは伊勢丹新宿店の営業時間に順ずる。
HP/Instagram
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。