「自然に感謝をし、環境を守る」人々の思いを伝えるビールBACK TO RIVER
クラフトビールはその存在を通じて、様々な「土地の情報」を伝えてくれます。
なにが特産で、どんな文化があって、何を大切にしている場所なのか。
1本のビールとゆっくりと向き合うことで、その土地の持つ様々な側面が見えてくるのです。
2023年6月にリリースされたビール「BACK TO RIVER」は、東京都にある檜原村の環境保全に向けた啓蒙活動プロジェクト「サンクスヒノハラ」とFar Yeast Brewingのコラボレーションビール。
檜原村の自然に感謝をし、その豊かな環境を守ろうとする人々の活動を伝えてくれるビールです。
ではそこに一体どんな想いが溶け込んでいるのか。「BACK TO RIVER」について詳しくご紹介していきたいと思います。
東京唯一の村 檜原村を守る
「BACK TO RIVER」が生まれたきっかけ、それは檜原村の産廃焼却場建設計画でした※
檜原村は、東京最奥の水源地であり大自然に囲まれた山里。東京からわずか2時間程の場所にありながらも、力強い木々の息吹や、澄んだ川が流れる貴重な場所です。
しかし2022年4月号の檜原村広報にて、民間企業の産業廃棄物焼却場建設計画が突如住民に知らされました。現場は檜原の中でも上流域。そして東京都最大規模であることに、多くの住民は困惑しました。
檜原村の豊かな自然が壊されてしまうのではないか、そう考えた地元住民は自然環境を守るため、反対活動を始めます。
その想いや、声を上げづらい方々にも寄り添えるように、檜原村を愛する人々が「サンクスヒノハラ」というプロジェクトを立ち上げました。
『檜原村の魅力を多くの人に伝えつつ、大切な環境を守りたい』
そんな想いの下、サンクスヒノハラは様々な活動を通じ檜原村の状況を知ってもらう「やさしい運動」を展開していきます。
その中の一つのイベントに、とあるビールの男性が好きが参加したこと。それが「BACK TO RIVER」が生まれるきっかけとなったのです。
※ 檜原村の産廃焼却場建設計画は2023年4月に計画事業者から設置許可申請の取り下げ願が提出され、計画は白紙となっています。現在、サンクスヒノハラでは計画再申請の可能性も考え、一連の出来事を檜原村だけでなく、多くの人に知ってもらうための継続的な活動へ移行しつつあります。
ビールを通じ、活動を伝える「BACK TO RIVER」誕生ストーリー
「BACK TO RIVER」の企画者は、江辺和彰さん。さまざまな企業のウェブサイト制作や、プロジェクト推進行っているWebディレクター/プロジェクトマネージャーであり、ビールブランド『SLOW SLOW BEER(そろそろビール)』の立ち上げ人です。
檜原村で活動をする会員制キャンプ場「HINOKO TOKYO」で行われた,
ビールと同名の「BACK TO RIVER」に参加した江辺さんは、サンクスヒノハラの存在を知り、そして何か協力できることはないか、と考えます。そして想いついたのが『川をテーマにしたオリジナルのクラフトビール造り』だったのです。
ではそこからどのようにしてビールを造り上げていったのか、そこにはどのような想いが込められているのか……江辺和彰さん(以下江辺さん)にお話をお伺いしました。
――どうして「BACK TO RIVER」の醸造を企画しようと思ったのですか?
江辺さん:イベントに参加する中で、“自分だから協力できること”はなんだろうとずっと考えていました。そこで思いついたのがビール造りだったんです。
ブルワリーさんに頼んでビールを造り、仲間と楽しむという活動をしてきた中で、「ビールは人が自然と集まるコミュニケーションツール」であると肌で感じてきました。だとしたら、ビールというツールを通してサンクスヒノハラの存在をより多くの人に伝えることができるのではないか。そう考え、サンクスヒノハラに企画書の持ち込みをしたんです。
――企画書持ち込みからスタートしたんですね!
江辺さん:そうなんです。最初はかなりドキドキしたのですが、メンバーの方々が喜んでくれ、「是非やりましょう!」と、話が進んでいきました。
――今回はFar Yeast Brewingさんとのコラボですが、ここにも何か理由があるのですか?
江辺さん:Far Yeast Brewingさんとはサンクスヒノハラのメンバーの紹介でつながることができたのですが、檜原村と同じく多摩川の源流域、小菅村にあるということで、すごくご縁を感じました。
Far Yeast Brewingさんには、今回のプロジェクトのお話をする中で、いつか小菅村でも檜原村と同じような問題が起こる可能性もあり他人事ではない、という部分で共感をしていただきました。さらに、ちょうどアウトドア向けの限定ビールを造るタイミングでその製品コンセプトとも合致したということもあり、その一部を特別ラベルという形でコラボレーションさせてもらうことが決まったんです。
――そうだったのですね……!「BACK TO RIVER」にはどのような想いが込められているのでしょうか
江辺さん:このビールを通じて、より多くの人に一連のプロジェクトや経緯、そして檜原村のことを知ってもらいたいなと思っています。
ただそういった話は抜きにしても、まずはいろいろな方にビール自体を楽しんでもらいたいと願っています。サンクスヒノハラのプロジェクトの姿勢は、ただ「反対!」と署名運動の声をあげるものではなく、自然環境に感謝をしながら、村の魅力を伝え応援していくものなんですね。僕がサンクスヒノハラに感銘を受けたのはそういった部分だったので、それをビールを通じてやっていければなと思っています。
――素敵な考え方ですね!今後もこのような活動を続けていくご予定ですか?
江辺さん:はい、今後も川や自然などに共感してくれるブルワリーさんと一緒にビール造りをしていければいいなと思っています。
大自然の中で飲みたい「BACK TO RIVER」
檜原村の豊かな美しさや、その魅力を守ろうと活動する人々の想いから生まれた「BACK TO RIVER」。環境保全をテーマにしたこのビールはどのような味わいなのか。
最後に江辺さんからビールに対するコメントをいただきました。
「BACK TO RIVER」5種のホップを使用したアメリカンペールエールです。軽い飲み口で、ホップの香りが広がる飲みやすいアウトドアにぴったりなビール。ぜひ大自然の中での一杯目や、BBQなどの味のしっかりした肉料理と合わせて楽しんでいただければと思います。
■商品紹介■(Far Yeast Brewing HPより)
生産地:山梨県
スタイル:American Pale Ale
アルコール度数:4.5%
IBU:20
容量:350ml
賞味期限:2024/06/30
カラー:ゴールド
5種類のホップの投入タイミングを調整しながら、オレンジや花、そして大自然に調和するハーバル&ウッディなアロマを纏わせました。
山の空気や香りに調和する香りと、アルコール度数4.5%という軽やかなボディで、大自然の開放感のなかで飲むのにぴったりなビールに仕上げました。
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https://hinokoproducts.com/items/64a3b89f01165d002dad7538
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。