[イベント,ブルワー]2023.9.23

コロナ禍を乗り越え6年ぶりの開催!ポペリンゲのビール&ホップ祭りに行ってきました in ベルギー

2023年9月15日から17日までの3日間、ホップの名産地、及び世界一の味わいと称されるトラピストビールWestvleteren(ウェストフレテレン)の街として有名なポペリンゲにて、ビール&ホップ祭りが開催されました。今回私は、祭り最終日である9月17日(日)に行ってきました!

大通り前に設置されたメイン会場。祭り開催中の3日間、市街地のいたるところがこのようにホップで装飾され、鮮やかな黄緑色と爽やかな香りに包まれました!

ビール&ホップ祭りについて

Bier-en Hoppefeesten(ビール&ホップ祭り)は、3年に1度、9月にホップの名産地であるポペリンゲで開催される地方自治体主催の祭りです。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、開催の延期が繰り返されたことで、2020年度分の実施が見合わせたまま3年が経過してしまいましたが、今年はパンデミックが収束に向かいつつあるため、実に6年ぶりに25回目の祭りが開催されました

3日間にわたって実施されるビール&ホップ祭りは、メインイベントであるホップの行列(パレード)や、ホップ人形への点火式のほか、ベルギー国内アーティストのコンサートやDJブース設置によるナイトパーティ、さらにはホップの女王として選出された3人の女性達のお披露目ショーも開催されます。ホップの女王達は、街の観光大使として3年間広報活動を行う予定です。また、市街地から数キロ離れた場所に位置するSt .Bernardus(セント・ベルナルデュス)のブリュワリーや、メイン会場から程近いHopmuseum Poperinge(ポペリンゲ・ポップ博物館)のランチ付き特別見学ツアー等のアクティビティも期間中に行われます。

メイン会場に飾られたホップ人形。

地元のビール、特産品の販売ブース

街の中心部近くに位置するホップ博物館の敷地内では、地元産のホップを使用したビールやリキュール類のほか、ベーコン、リエットなどの加工肉が販売されていました。今回私は、ポペリンゲの街から5キロ程離れたフランスとの国境に程近い場所にあるマイクロブリュワリーWerbrouck(ウェルブルック)の販売ブースへお邪魔させていただきました!

Werbrouck(ウェルブルック)の販売ブース。写真撮影、及び本記事掲載に快く応じていただきありがとうございました!

ウェルブルックは、醸造家のコンラッド・ウェルブルックさんが、息子のサムさんと妻のリエンさんとともに、2018年に設立した比較的新しいマイクロブリュワリーです。ベルギーの昔ながらの伝統的な製法にこだわったビール造りをモットーとしており、現在、ブロンド、アンバー、ブラウンの3種類が醸造されています。また、ビールには、ポペリンゲ産のホップが100%使用されています!さらにウェルブルックでは、ポペリンゲ産のホップを副原料に使用したジンも7種類造られ、販売されています。商品の詳細については、ブリュワリーの公式ホームページ(オランダ語)をご覧ください。

ブースで購入したビールセットと専用のテイスティンググラス。

名物のクレープと限定ビール

今回のポペリンゲ訪問の目当ての1つであったこの地方の伝統的なお菓子であるクレープと会場限定のビールも味わってきました!

ホップを使用したレモネードとホップ形に焼かれた伝統的なクレープ。

形だけでなく、このクレープには地元産のホップが練り込まれており、グリーンフローラルの心地良い香りと爽やかな苦味が口いっぱいに広がります。同じく地元産のホップと、フレッシュなレモンを使用したレモネードとの相性も抜群です!

会場限定ビールのHommelpap(ホーモルパップ)。

きめ細かな泡と淡い麦わら色を持つこのビールを口に含むと、しっかりとしたホップ由来の苦味と、グラッシーで爽快なアロマが感じられた後に、かりん、洋梨のようなフルーティさとミントのような爽やかな余韻が長く続く最高の一杯でした!

ホップの行列(パレード)と点火式

15時ごろからは、祭りのメインイベントであるHoppestoet(ホップの行列)と題するパレードが行われました。このパレードには80のグループが参加し、伝統衣装やホップに関連するコスチュームに身を包んだ1300人以上もの人々が、華やかに市街地を練り歩きました。もちろん、衣装装飾や楽器、大道具や小道具のいたるところにも本物のホップが使用されていました。

伝統衣装に身を包み、ケルト音楽を演奏する一団。ベルギーもケルト文化との関係が深い国の1つであります。

Hommel(マルバネバチ)をイメージした衣装に身を包んだ参加者とイベント公式のマスコットキャラクター。

全てのグループが街を練り歩いたあとは、いよいよ祭りもフィナーレ!国内バンドによる音楽ライブの後に、もう1つのメインイベントであるホップ人形への着火式が行われました。この儀式は、今年のホップ収穫作業完了を公に知らせることを意味しています。その後、DJブース設置によるアフターパーティが行われ、3日間の全日程が終了しました。

 

まとめ

コロナ禍の度重なる延期を経て、人々が待ちに待って6年ぶりに開催されたビール&ホップ祭り。ベルギー国内外から多くの人々が集まり、大盛況に終わりました!今回私は、スケジュールの都合上、パレードの途中でポペリンゲの街を後にしましたが、様々な音楽ライブやショーのほか、メインイベントであるホップの行列の写真や、火が付けられ燃えるホップ人形の様子は、街の公式Facebookで確認することができます。街の観光大使となった新ホップの女王達の今後の活動にも乞うご期待です!

次回は2026年9月18日から20日までの3日間の開催が予定されています。是非この時期にベルギー屈指のホップの名産地ポペリンゲを訪れて、最高のビール旅を体験してみては!

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

安彦良紀 (Kazuki Abiko)

ビアジャーナリスト/ JSA認定ワインエキスパート/ WSET Level3 Award in Wines

1996年生まれ、福島県出身。ブリュッセル自由大学(ULB) 博士課程在学中。2023年度日本ビアジャーナリスト協会新人賞受賞。
インスタグラム@bierebelgequejaime114でも、飲んだクラフトビールの記録およびベルギーや他のヨーロッパ諸国で訪れたバーや醸造所の情報を発信中。

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