季節のお酒と酒肴を味わうアカデミア横丁#5【アビイビール編】
OBPアカデミアで開催されている「アカデミア横丁」で「秋の夜長にワインの様に楽しむベルギービール〜アビイ・ビール編」に参加して、楽しくおいしい時間を過ごすことができたのでご紹介します。
目次
「アカデミア横丁」とは?
「アカデミア横丁」は、“仕事帰りにふらっと横丁に寄るような感覚で、お酒と酒肴が楽しめる会”として、月に一度、「OBPアカデミア」にて開催されている講座です。
「OBPアカデミア」は、大阪メトロの大阪ビジネスパーク駅から徒歩3分の場所にある「ツイン21 MIDタワー9階」にあるコワーキングスペースで、アカデミア横丁以外にも様々なセミナーやイベントが開催されています。
「アカデミア横丁」では、日本酒や焼酎、ワイン、ビール、ウイスキーなどから季節やテーマに合ったお酒とそれに合う酒肴を楽しむことができます。
お酒と酒肴を振る舞い、またそのお酒と酒肴にまつわる楽しいお話をしてくださるのは、料理家であり唎酒師のフジノマキ先生。
参加者が簡単な自己紹介と、本日のお酒にまつわるエピソードを話すアイスブレイクの後、マキ先生からの本日のお酒と酒肴についての楽しいお話が始まります。
今回は、通常の「アカデミア横丁」でしたが、いつもよりハイグレードなお酒と酒肴が楽しめる「プレミアム横丁」や、酒肴をメインにお酒を楽しみ、さらに酒肴のレシピが付く「酒肴スペシャル」などが開催されることもあります。
講座がスタートしてから今年で7年目を迎えるロングラン講座です。
今回のテーマは、アビイビール!
今回のテーマは、ベルギービールの中でも「アビイビール」です。
ビールの飲み比べは年に2回ほど開催されていますが、秋から冬にかけて開催されることが多いのは、“ゆっくりと味わいを楽しむビール”の飲み比べ。
アカデミア横丁では「ベルギービール」が秋・冬に飲み比べるビールの定番になりつつあり、今回の開催は6回目になるそうです。
ベルギービールは、味わいが様々で、中には高アルコールのビールもあります。
ゴクゴク飲むのではなく、ゆっくり味わいを楽しむビールにはこれからの季節にピッタリですね。
昨年11月に開催されたベルギービールの飲み比べでは、味わいの他にビールの「色」にも注目しながらフルーツ系のランビックを含めた3種を飲み比べました。
「ベルギービール」は、ベルギーで醸造されたビールの総称であり、その種類は多種多様に渡ります。
代表的なものに「ベルジャンホワイト」や「セゾン」、「トラピストビール」がありますが、アビイビールを理解するには、まず「トラピストビール」の説明をするとわかりやすいですね、とマキ先生のお話が始まりました。
「トラピストビール」は、醸造所を持つトラピスト会の修道院で造られるビールのこと。
瓶にトラピストビールであることを証明する認定ロゴがあり、現在、世界で12の修道院で醸造されています。修道士の高齢化により醸造をやめる修道院もあるようなので、その数は変動しているそうです。ベルギーの他、アメリカやオランダ、イタリア、オーストリアの修道院で醸造されています。
トラピストビールにはいくつかの定義があり、そのひとつに「必ず修道院の敷地内にある醸造所で醸造されること」というものがあります。
アビイビールの「アビイ」は修道院のことを言い、修道院で造られるビールと同じ醸造方法で造られますが、一般の醸造所に委託して造られるビールが「アビイビール」となります。
トラピストビールと同じく公認を受ければアビイビールのロゴが付けられるということですが、トラピストビールほど厳密ではないということでした。
本日飲み比べをするアビイビールには、アルコール度数10%のものがあるとのこと。
普段はなかなか高アルコールのビールに手が出ないので楽しみです。
本日のお酒と酒肴(しゅこう)
マレッソ ブロンド × 南瓜のガーリックヴィネガー風味
以前はマレッソ修道院内で醸造されていましたが、現在はデュヴェル社に委託して醸造されているビールです。
「アビイビール」という名称はビアスタイルの名前ではないので、一口にアビイビールといってもその色や味わい、アルコール度数は様々。
こちらのビールはきれいな黄金色で爽やかな香りのビールです。
マレッソ修道院では、今でもこのビールを毎日ランチタイムに飲んでいるとか。羨ましい!!
フルーティでスッキリしているビールなので、どんな食事にでも合いそうです。
こちらに合わせる酒肴は、「南瓜のガーリックヴィネガー風味」です。
素揚げした南瓜がヴィネガーソースでマリネされているのですが、このヴィネガーソースがすごいんです。
食べようと口に近づけただけで食欲をそそるガーリックの香り!
パンチが効いた酒肴を爽やかなビールで流し込むと、後味スッキリでまた南瓜に手が伸びます。
パーテル・リーヴェン・ブラウン × マスタード入りラグーのショートパスタ
こちらのアビイビールは、赤みがかった濃い茶色のビール。
チョコレートやキャラメルのような香りと同時にスパイシーさ、そしてモルトの甘さが感じられます。
こちらに合わせる酒肴は、「マスタード入りラグーのショートパスタ」です。
ショートパスタに挽肉とバジル、トマトソースを煮込んだ「ラグーソース」をからませて、たっぷり粉チーズをかけていただきます。
マキ先生によると隠し味はマスタードということなのですが、残念ながら私にはあまり感じられず…。マスタードは、辛味としてではなくコクがプラスされることにより濃厚な味わいになるそうです。
しっかりとした味付けのショートパスタにビールが負けてしまうかと思いきや、ビールの存在感も全然負けていません。それどころか、ビールの甘みがプラスされたことでショートパスタの味に深みが増しているような気がします。
食事とビールのペアリング方法のひとつに「食事とビールの色を合わせる」と聞いたことがありますが、こういうことなんですね。
セント・ベルナルデュス・アブト12 × ブルーベリージャムバー
こちらのアビイビールも赤みがかった濃い茶色のビールになります。
お茶目な神父さんが描かれたラベルとは裏腹に、アルコール度数が10%と非常に高いビールなので少しずついただきます。
苦味はしっかりと感じられますが、最初に感じるのはフルーツのような甘みと香り。
かすかなアルコール香があり、味わいは濃厚ではあるものの、度数のことを言われないと高アルコールだと気づかずに飲んでしまいそうです。
まさに、本日のテーマである“秋の夜長にワインのように楽しむ”ビールだと感じました。
こちらに合わせる酒肴は、「ブルーベリージャムバー」です。
ブルーベリーが大好きなので、最初に見たときから気になっていました!
サクサクのクランブル生地の下にブルーベリージャムが挟まれた焼き菓子で、バターとシナモンが香ります。
ブルーベリーの酸味があるものの、しっかり甘いジャムバーに苦味のあるビールがよく合います。まさに食後のコーヒーのようにビールをいただきました。
アビイビール3種と酒肴をいただいた後に、マキ先生から恒例の「どのアビイビールが気に入りましたか?」というアンケートです。
私は、食事と一緒にビールをいただくことが多いので、どんな食事にも合いそうな「マレッソ・ブロンド」に1票です。
しかしながら、これからの時期にゆっくりいただくことを考えると「パーテル・リーヴェン・ブラウン」と「セント・ベルナルデュス・アブト12」がいいかもしれません。
特に「セント・ベルナルデュス・アブト12」は味わいも香りも複雑だったので、もう一度飲んでみたいです。
お酒の「はじめて」と出会う場所
私はお酒の中でもビールが大好きです。
でも、この「アカデミア横丁」に参加するたびに、マキ先生の美味しい酒肴とお酒、そしてお酒にまつわる楽しいお話に「こんなに美味しいお酒(ビール以外でも)があったんか!」と感動しています。
「世界には、まだまだ私の飲んだことのない美味しいお酒がたくさんある!」と思うと、その出会いにワクワクします。
また次回!アカデミア横丁のテーマがビールのときはレポートしますね。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。