【本郷菊坂町かもす】都内ビアバー巡り 文京区本郷
文京区とは
文京区は東京23区の中心から少し北側に位置します。北区、豊島区、新宿区、千代田区、台東区が周りを囲み、区内には6路線の電車が走っています。池袋駅、東京駅そして新宿方面や上野方面へもアクセス良好です。
そんな便利な土地柄ながらガヤガヤとした騒がしさはありません。
この地域は江戸時代より武家屋敷が多く、そのため武将にゆかりの寺社や学校が建てられました。加賀前田家の屋敷跡に建っているのはかの有名な東京大学(設置当時は帝国大学)です。
大学の周りに出版社が立ち並ぶようになったことで坪内逍遥、夏目漱石、樋口一葉、森鷗外などの文豪たちが移り住みました。
そんな文京区にあるブルーパブを訪ねて街ブラしました。
本郷菊坂町かもす
この辺りは旧菊坂町。古くは一帯に菊畑があり菊花を作る人が多く住んでいた事から菊坂と呼ばれるようになったと言われています。現在の住所は本郷五丁目です。
「本郷菊坂町かもす」は2023年5月にオープンしました。
オーナー兼ブルワーのSamさんは文京区に住んでおり近くで物件を探していた際、この場所に巡りあいました。
本郷三丁目駅からも近く便利な場所なためフラッと立ち寄る地元の方も多いそう。フードの提供はおつまみ程度ですが目の前のスーパーで購入したり近隣の飲食店でテイクアウトしたり食べ物の持ち込みも可能です。
昨年末から醸造を開始しました。タンクの注文・輸入・搬入から組み立てと現在に至るまで様々なアクシデントがあったそうです。「今もトラブル真っ最中です」と笑うSamさん。
そんな中、醸造を学んだ石川県金沢市にある「BREW CLASSIC」のWBC(WORLD BEER CUP )2023金賞受賞という嬉しいニュースも届きました。
ドイツに住んだ経験もあるSamさんは「ここにくればあのビールが飲める、地域の顔とも言えるようなビールを作りたい」と考えています。
「ビールは醸造所の煙突の影が落ちる範囲で飲め」という言葉はビールはつくりたてに限るという意味のドイツのことわざです。かもすさんもこのことわざの様に地域に根差した造り立てのビールを提供する場所になっていくのだろうなと思いました。
文京区の雰囲気
本郷三丁目駅近くに職場がある友人いわく、文京区は「落ち着いた街」だそうです。同じ東京都内でも渋谷などとは真逆な感じとのこと。飲食店でもチェーン店は少なく昔からの地元のお店が多いそうです。大学キャンパスがあるため若者は多いですが実際に訪れてみても騒がしい感じは全くありません。
街をブラブラしてみて「ひっそり」の理由はこの街の道にあるのでないか、と思いました。大きな道路を一本入ると、そこには細い路地があり昔ながらの佇まいが残っています。
著名な文豪の住居跡がこれまたひっそりと。昭和に瞬間タイムスリップしたような錯覚する場所もあります。歴史を辿りながら地元のお店の美味しいものを食べ、お土産を選ぶ時間はとても楽しいひとときです。
官能都市ランキング 1位
2015年にHOME’S 総研(不動産住宅サービス会社のLIFULL HOME’Sの社内シンクタンク)が独自の視点で都市を評価しランキングづけを行いました。
全国の都市を対象にさまざまな観点から都市の魅力を分析した研究成果をまとめ、134都市の中で第一位に選ばれたのは『文京区』でした。評価の項目は構成する8つの指標と32の詳細項目でランキング付けしています。
https://www.homes.co.jp/souken/report/201509/ranking/
文京区の「地酒、地ビールなど地元で造られる酒を飲んだ」の項目での順位は15位でしたが「馴染みの飲み屋で店主や常連客と盛り上がった」の項目は1位でした。
官能都市の「官能」とは人間の五感で体験するという表現を『官能』という言葉を使っています。お店の数ではなく訪れた場所でどんなビールを飲み、どんな人と会い、どんな会話をするのか五感で体感する官能にはその体験までもが含まれているのだと思います。
134都市トップの官能都市「文京区」は、まだまだ奥が深そうです。かもすさんのこれからと共に定期的に訪れていきたい街のひとつになりました。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。