[ビアバー,ブルワー]2024.5.23

【ビールを通じて感じる韓国㉒】ソウルとその近郊でクラフトビールを飲む(8) The Hand and Malt Brew Lab@龍山

「OBビール」の名は、韓国のビールにあまり興味がない方でも聞いたことがあるのではないか? 1933年に創業し、韓国の酒類業界をリードしてきた韓国の大手のビールメーカーです。2023年1月~11月の調査データによると、主力商品のCASSは国内のビール国内市場で42.0%のシェアを獲得し、全ビールブランドの中で1位にランクインしています。 メーカー別ランキングでも、OBビールが52.6%のシェアで1位となっています。、

・韓国全体のビール事情については、【ビールを通して感じる韓国】3年前に登場したビール「TERRA」が大人気!(2022.12.20)にまとめてありますので、そちらも読んでいただけると嬉しく思います。

そんな韓国を代表するOBビールの関連会社になっているブルワリーがハンド&モルト(The Hand and Malt)。ソウルの龍山(용산・Yongsan・ヨンサン)にブリューパブがあるので、現地を訪問してみました。

龍山とは…

ソウル駅から地下鉄1号線で約5分。2駅南下した龍山駅は、地下鉄だけでなくKTX(韓国高速鉄道)や特急列車も発着しており、ソウルと近郊の街や釜山などを繋ぐ重要なターミナル駅です。
駅にはショッピングモールが直結しているほか、周辺には韓国最大の電子製品流通地区の「龍山電子商店街」もあり、韓国の秋葉原とも呼ばれてきました。
2018年にトップ化粧品メーカーのアモーレパシフィック本社が、2021年にはBTSをはじめK-POPを代表するアーティストたちが所属するエンターテインメント企業HYBEも龍山エリアに移転。路地裏では、リフォームされた一軒家の隠れ家レストランや、雰囲気あるカフェなども続々オープンしており、注目を集めています。

ハンド&モルト(The Hand and Malt)

ハンド&モルトとは…

ハンド&モルトは、ソウル市の東に位置する南楊州(남양주・Namyangju・ナミャンジュ)市に2014年に設立されたブルワリーです。2018年にOBビールが買収し関子会社になりました。翌年2019年に新しくブリューパブThe Hand and Malt Brew Labが龍山に開店しています。

The Hand and Malt Brew Labへの行き方

龍山駅からも徒歩で行けますが、一番近いのが地下鉄4号線の新龍山(신용산・Sinyongsan・シニョンサン)駅です。
 
副駅名にアモーレパシフィック(아모레퍼시픽・AMOREPACIFIC)とある通り、1番出口から地上に出て行くと、目の前に前述のアモーレパシフィック本社があります。

アモーレパシフィック本社前の大通りを渡り、路地に入ると徒歩数分でThe Hand and Malt Brew Labに着きます。

店内でビールを飲む

古い洋館をリノベーションして造られた店内は、少しレトロな雰囲気が漂っています。入ってすぐの正面にタップ、右手にテーブルが並んでいます。

1階にあるタップリスト。13種類並んでいました。

2階もあり、野外テラスも設けられていて雰囲気がまた違ってくるそうですが、私は無難に1階に座りました。ちなみに、醸造設備があるのは地下だそうです。


注文はタッチパネルで。最初に頼んだのはOh My Wit。アルコール分5%、IBU11のアメリカンウィートで7500ウォン(約825円)でした。香りも少なく、飲み口もとても軽く、ドリンカブルなビールでした。

注文のタッチパネルは、言語切り替えあり。ありがたいことに、主なビールの解説も英語で読むことができました。

次に頼んだのはSlam Dunkel。アルコール分5%、IBU19で8000ウォン(約880円)でした。まず香ばしい香り(解説によると「よく焼いたパンやビスケット」だそうです)を感じます。飲んでみると、

他で飲食を済ませてきたので、今回はこの2杯で終わりにしました。それなら4種類が飲めるSampler(15890ウォン・約1750円)を選べばよかったかもしれません。次回があれば、2階へ上がって、もっと多くの種類を味わい、料理も注文してみようと思います。

周辺は…

行きはお店を探すのに夢中で気がつかなかったのですが、The Hand and Malt Brew Labのある通りの反対側は高い塀が続いています。塀の上には有刺鉄線が…


それでも屋上がテラス席になっているお店も。内部が見えてしまうのは大丈夫なのかな…と思ってしまいました。こんなところも韓国らしいのかもしれません。

OBビールの関連らしさはまったく感じなかったhe Hand and Malt Brew Labですが、ちょっと変わった通りの雰囲気と合わせて、機会があったら味わってみると面白いと思います。

◎The Hand and Malt Brew Lab(핸드앤몰트 브루랩)
所在地:서울시 용산구 한강로2가 149(149 Hangangno 2-ga, Yongsan-gu, Seoul)
営業時間:平日17:00~23:00(金は24:00まで)・土14:00~0:00・日14:00~23:00

*参考文献:「CRAFT BEER KOREA(KOREAN CRAFT BREWERY GUIDE BOOK 2020)」BEER POST PUBLISHING
*100ウォンを約11円として換算しています

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

きただ ともこ

ビアジャーナリスト

ビールと旅と野球観戦が大好きです。
主に、ビールがどんな土地で造られてどんな感じで飲まれているかに関心があり、気になるビールが出来るとその地元を訪ねたくなります。日本全国たまには海外にも足を運び、特に国内は岩手、海外は韓国のクラフトビールに注目してきました。
ビール好きがきっかけで岩手にどっぷりはまり、2019年4月から岩手沿岸の仮設住宅に住みながらの仕事を経験。現在も岩手に拠点を置き、得た情報を実際にこの目で確かめながら、岩手中心に東北地方のビール事情を発信してきました。最近は、日本語での情報が少ない韓国のビールについても、現地に足を運んで手に入れた情報をもとに記事にしています。

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