【国内初!ブルックリン・ブルワリー×ブルーボトルコーヒー collab.】「ブルックリンサマーエール」はフードペアリングも楽しもう!
米国の代表的なクラフトブルワリーである「ブルックリン・ブルワリー社(米国ニューヨーク、CEO Eric Ottaway/President Robin Ottaway )」と、アメリカ・オークランド創業のスペシャルティコーヒーブランド「ブルーボトルコーヒージャパン合同会社(代表 伊藤 諒)」が、6月25日(火)~7月14日(日)にて期間限定コラボレーションを実施している。
国内で同ビールブランドを販売するキリンビール株式会社(代表取締役社長:堀口英樹)のもと、「ブルックリンサマーエール」をブルーボトルコーヒー各店舗(※1)にて提供すると共に、同ビールに合わせるオリジナルフードを計3種展開中だ。※1 一部店舗で採用
上記に伴い、2024年6月25日(火)に行われたプレスイベントにご招待いただいた。
フードペアリングインストラクターとしての感想を交えつつ、詳細をお伝えしたいと思う。
目次
美味しさへの追求とコミュニティーの活性化を共通項としたコラボ
まず、「ブルックリン・ブルワリー社」「ブルーボトルコーヒー社」の両社について簡単に触れておこう。
「ブルックリン・ブルワリー社」は米国・ブルックリンで1988年に創業したアメリカを代表するクラフトビール醸造所。「ブルックリンラガー」をはじめ、現在では世界30か国以上で愛飲されている。創業者のスティーブ・ヒンディ氏は元AP通信の記者であり、1980年代に滞在していた中東で出会った味わい深いビールに魅了され、帰国後は新聞編集者と勤務しながらホームブリュー(自家醸造)を開始。近所の銀行員トム・ポッター氏と同所を設立した。
「ブルーボトルコーヒー社」は同国・カルフォルニア州・オークランドで誕生。「おいしいコーヒーは、人生をより美しくする」の考えのもと、世界中のコーヒー農園から仕入れた高品質で新鮮なコーヒーを国内の自社焙煎所で焙煎、注文を受けてから丁寧に淹れた、おいしさを徹底的に追求したスペシャルティコーヒーを提供している。現在はアメリカとアジアで合計100店舗以上のカフェを展開。創業者のジェームス・フリーマンは当時フリーランスの音楽家であり、2000年代前半の一般的な国内コーヒーの鮮度管理や品質を憂い、開業を決心した。自宅ガレージに小さな6ポンド(約2.7kg)用の焙煎機を設置し、ファーマーズマーケットでコーヒーを提供し始めた所から事業を拡大し現在に至る。
美味しさへのこだわりやコミュニティーへの貢献を大事にする姿勢を共通点として、ブルーボトルコーヒー社のコーヒーを使用したコラボレーションビールの発売など現地でも様々な活動を行ってきた。また、ブルックリンとオークランド、当時活気が失われかけていた創業の地を、それぞれ「ビール」と「コーヒー」で街の活性化を図ってきたこれまでの歩みも両社が共にシンパシーを感じた点であった。
日本国内では今回が初のコラボレーションとなる。
上記の流れもあり、コラボ自体は割と自然な形で決まったとのこと。
「ブルックリンサマーエール」の発売に合わせて、夏場の楽しみ方を提案する上で、コーヒーやフードペアリングを含めた空間の提供という企画内容に固まっていった。
様々なシーンに寄り添う味わい深さとのどごしの良さ
会場では実際に「ブルックリンサマーエール」を試飲させて頂いた。商品スペックと飲んでみての感想は以下のとおりである。
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1.商品名 「ブルックリンサマーエール」
2.発売日/容量・容器/販売地域
・2024 年5月 28 日(火)350ml 缶/CVS チャネル先行発売
・2024 年 6 月 25 日(火)350ml 缶/全国発売
・2024 年 6 月 13 日(木)/1L ペットボトル(キリン ホームタップ)
・2024 年 5 月 27 日(月)/3L ペットボトル/全国(Tap Marché)
3.価格(消費税抜 希望小売価格) オープン価格
4.アルコール分 5%
5.製造工場 キリンビール横浜工場・滋賀工場
フラッグシップの「ブルックリンラガー」に次ぐ、夏限定の人気商品(※2)。ラベルデザインは「プールのような透き通る水面と光の反射を表現」しているとのこと。
※1 2023年米国 Brooklyn Brewery 2023年出荷実績
<ティスティングコメント>
①外観:輝きのあるゴールド
②香り:シトラスピール、マスカット、アプリコットやライチ、桃のような、瑞々しく甘やかなフルーツの香りに、バラやディルのようなフローラル、グリーン、ハーバルなニュアンス
③味わい:甘味・苦味ともに穏やか。余韻に柑橘を連想させるような酸味をほのかに感じる
④飲みごたえ:ライトボディ、すぅーッと喉を駆け抜けていく
⑤全体印象:柑橘の皮やみかんの実のような甘く爽やかな味わいの余韻が心地よく広がる。苦みの余韻も長すぎず、もうひと口をすぐ口に含んでしまうほどにするする飲めてしまう。
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夏の日差しを浴びながらごくごくと、はたまた友人と食事をしながらゆったりと。
様々なシーンで活躍してくれそうな、味わい深さとのどごしの良さを両立したビールに仕上がっている。
綿密に味わいを構築されたオリジナルフードとのペアリングを
今回のコラボレーションでは「フードペアリング」にもかなり力を入れている。
コラボ期間中、特定の店舗では「ブルックリンサマーエール」に合わせた下記のオリジナルフードメニュー3種が展開予定である。
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●ブランチプレート:
特に注目していただきたいのはブルックリンサマーエールとのペアリングを考えて誕生したサラダ。フレッシュなフェタチーズの酸味・塩味にブルックリンサマーエールの爽やかな味わいがよく合います。また、オレンジの爽やかな香りと甘味がブルックリンサマーエールのバラやオレンジを感じさせる華やかな香りにぴったりです。
*青山カフェは「カタネベーカリー」、代官山カフェは「Et Nunc」のパン、渋谷カフェ・梅田茶屋町カフェはセイボリーワッフルとご一緒にお楽しみいただけます。
●トースト アボカド:香ばしさと爽やかさが引き立つペアリング
カンパーニュの爽やかな酸味とごまの香ばしさがブルックリンサマーエールの麦の甘味に相性ぴったり。熟したアボカドの甘味とレモンの程よいアクセントがブルックリンサマーエールの華やかな香りを引き立てます。
(みなとみらいカフェ)
●ミートパイ スパイスポーク:暑い夏を満喫するペアリング
プルドポークの甘さやほのかに香るスパイス、サクサクのパイ生地の香ばしさと、ブルックリンサマーエールのすっきりとした味わいと最後に鼻から抜ける華やかな香りがぴったりの、夏らしいペアリング。
(清澄白河フラッグシップカフェ・銀座カフェ)
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*( )は提供店舗。同社説明を一部抜粋
「(スティル)ワインとは異なるメリットとして、ビールには「炭酸により口内をさっぱりとさせる」効果がある。それを活かせるビールならではのペアリングは無限の可能性を秘めている。(Robin Ottaway 氏)」
「ビールもコーヒーも、飲み物だけで(嗜好品として)完結はしている。但し、フードと合わせることでのサプライズはブルーボトルでも注力しているところ。食べ物を食べて、液体を飲んで、単体では体験できない味わいの変化を楽しんでほしい。(伊藤 諒 氏)」
今回実際に上記の試食の機会を得ることができたが、どれも綿密に考えられた素晴らしいペアリングであった。中でも個人的には「トースト アボカド」との組み合わせが気に入った。同ビールの「柑橘やグリーン、ハーブのような華やかな香りと爽やかな飲み口」には同じく柑橘類のレモンやアボカドの青々とした風味がリンクしやすい。かつ、カンパーニュの香ばしさや酸味が麦の味わいとも合わせて重なり合い、「味わいの変化とまとまり」とを共に感じる素晴らしい食べ合わせであったので、ぜひ他の2品も含め、皆さまも各店舗に味を運んでいただきたいと素直に感じることができた。
枝豆とアボカドのフムス:くっくショーへイ的ペアリング
今回の試食を得て、「フードペアリングインストラクター」としての血が騒いだ。
せっかくであれば、ご自宅でもビールを購入して楽しめるようなおつまみもご紹介するとしたら、自分なら何を合わせるだろう。
くっくショーへイ理論「①一緒の法則」「②置換の法則」「③味変の法則」「④対比の法則」に照らし合わせた結果、考案したメニューがこちらである。
▶【簡単&応用OK!】おつまみ選びが楽しくなる4つのビール×ペアリング法則
■枝豆とアボカドのフムス■
【材料】
・冷凍むき枝豆 250g
・アボカド 1/2個(皮・種除去後 約50g)
・エクストラヴァージンオイル 25g
・練りごま 25g
・レモン果汁 20g *フレッシュだとなお良し
・にんにく 1片(3gほど)
・塩 0.5~1g(お好みで調整)
・ディジョンマスタード 20g
【作り方】
- 鍋にたっぷりのお湯を沸かし、塩を1つまみ(分量外)とむき枝豆を入れる。
- 沸いたら20分ほどポコポコと強火で煮る(食感がなくなるくらいまで)。
- ザルに上げ、下にボウルを重ね、流水に当て枝豆を急冷する。茹で汁は取っておく。
(この時に手で豆をこすり合わせると薄殻が取れる。より滑らかな食感を楽しみたい方はこのひと手間を)。 - アボカドの皮と種を取り、粉砕しやすい適度な大きさにカットする。
- フードプロセッサーに塩以外の全ての材料を入れて、滑らかになるまで攪拌する。取っていたゆで汁と塩でお好みの粘度と塩加減に調整する。
- ココットに盛り、お好みのバケットを添えて召し上がる。
*表面にラップをして、タッパーで冷蔵保存。3~5日は日持ちする。上記で5食程度。フードプロセッサーでうまく攪拌できる分量で調理しているが、分量を減らすorフードプロセッサーがない場合、食感が残る程度につぶしてボウルで混ぜ合わせるでもOK。
*色の変色防止や長持ちさせたい場合、レモン果汁を増やすか、アボカドを抜いてもOK
*ココットに盛る際にくぼみを作り、エクストラヴァージンオイルを垂らしたり、クミンやパプリカのパウダーをかけるとよいアクセントになる。
【ペアリングポイント】
シトラスやフレッシュハーブ・フローラルを思わせる華やかなアロマを持つ「ブルックリン サマーエール」は、同系統の風味を持つ食材との相性が良い。また「オリーブオイル」「アボカド」など植物の青みを連想させる香りを、サラダにかけるドレッシングのようにうまくマスキング(緩和)したり、味わいに深みをつけることができる。アボカド単体でもよいが保存性も考慮して、比較的安価で手に入り似たような風味を持つ枝豆を使用し、中東諸国の伝統的な定番料理「フムス」に見立ててみた。ビールの味わいの強さに合わせてフムスの塩味と酸味は軽く利かせる程度にし、フムスのねっとり感をさっぱりとさせるビールの切れの良い味わいと炭酸によるリフレッシュ効果を狙った。
材料と器具さえあれば比較的安価で容易に作れるとは思うので、合わせて挑戦していただけたら嬉しい限りである。
総評:適正飲酒の側面も持つフードペアリングの未来は明るい
今回のコラボも含め、ビール業界でも「フードペアリング」を意識したメニュー展開やコラボレーションが様々な場面で、徐々に見受けられるようになってきたと思われる。
多種多彩なクラフトビールをはじめ、ビールはそれ単体やシチュエーションの違いも含め楽しむことができるが、ペアリングはビール単体では発見できない「感動や驚き」を得る、または提供するにはもってこいな切り口である。
加えて、ペアリングのメリットは「それだけではない」という新たな捉え方を今回知ることができた。以下、会場にいらっしゃったキリンビールの社員様との会話の中で伺ったお言葉である。
「弊社(キリンビール)は皆様に『スロードリンク:お酒の時間をゆっくりと楽しむこと』を提案しています。その「時」自体を楽しむということはもちろん、ゆっくりと飲むことで適正なペースでお酒をお楽しみいただけますし、お食事と共に摂取することで、空腹で飲むよりも体への負担も少なくなります。フードペアリングは「適量・適正飲酒」という点でも非常に有効な手段なのです。」
▶スロードリンクとは | アルコール関連問題への対応
「お酒を飲むことでパフォーマンスが下がる」「飲み会は時間やお金を浪費する」etc…
リスク回避やその他の娯楽の多様化もあり、若者を中心にお酒離れが進んでいるといった記事も多く拝見するようになったが、スマートな「嗜み方」の提案の一つとしてフードペアリングは非常に有効な手段なのでは?と改めてその片鱗を感じることができた。
今回のコラボレーションを含め今後の業界を取り巻く動向が非常に楽しみである。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。