「日本一」のビアガーデン! 札幌・大通ビアガーデン2024
「ビアガーデン」といえば、クーラーのないビルの屋上で1社だけのビールを飲むというイメージでしょうか?
ビールの本場、札幌の大通公園では、7月19日から「福祉協賛 さっぽろ大通ビアガーデン」が始まりました。6つの丁目に跨り、収容約13,000席という日本最大規模のビアガーデンです。街のど真ん中・一等地にあり、大手4メーカーをはじめとしたさまざまなビールが飲めます。これはもう他都市にはない「日本一」のビアガーデンと言ってもいいでしょう。今年は8月14日まで開催されます。
この記事は、今年2024年の大通ビアガーデンのトピックです。中心部から遠い西(11丁目)から東へ並べました。地元の方を含めて多くの方は街の中心部(4丁目)から周りがちですが、実はこの西から東へ行くコースがおススメです(西の会場は、地下鉄東西線「西11丁目」駅直結です)。そうすると大手メーカーばかりではなく、多種多様なビールを楽しむことができます。そして、各会場とも「1杯だけでもOK」という気軽さですべてのメーカーを回れるのが、このビアガーデンの大きな利点です。
個人的に毎年、「定点観測」をしています。大通のビアガーデンを見ると、各メーカーがいま何を考えているのか、次に何をしようとしているのかわかることがあるからです。それは最後の「まとめ」で。
目次
札幌ドイツ村(11丁目)
https://www.sapporo.travel/summerfes/event/odori11/
本場ドイツ・ミュンヘンのオクトーバーフェスト風の外装。コンセプトは完全に「オクトーバーフェスト」で、出されるビールもフェスト公式6大ブランドのひとつ「ホフブロイハウス」の樽生です。なお、札幌市はミュンヘン市と姉妹都市の関係にあります。
フードも、札幌市内の鶏料理の名店「トリタベルカ」のほか、神奈川からハム・ソーセージのお店「ブッティングハウス・ジロー」が来るなど、ドイツビールに良く合うものが揃っています。
単価は高く見えますが、ミュンヘン への交通費を考えたらタダみたいなもの。ヘレスをマース(1.3リットルジョッキ)で飲めば、気分はミュンヘンにひとっ飛びです。
「マイバウム」(「5月の木」という意味)は姉妹都市ミュンヘンからの寄贈品で、会場の東側に建っています。上部にはオリンピックのモチーフもあるので最近のデザインなのは間違いがないのですが、なぜオクトーバーフェスト全銘柄のマークがあるのかは不明です。今後調査していきたいと考えています。
世界のビール広場(10丁目)
https://www.sapporo.travel/summerfes/event/odori10/
以前は夕方からしか営業しない寂しい会場でしたが、他会場同様お昼からスタートするようになりました。いまやビールの品種数はここが一番多くなっています。
他会場にないさまざまなビールが揃っている中でも、この会場の特徴は、北海道クラフトビール専門の「HOKKAIDO BREWERY Station」があることでしょう。日替わりで3~4社が並びます。
この日は、「TRANS BREWING」(札幌)「ルピシア」(ニセコ)「美深白樺」(美深)「すすきのエール」(札幌)の4社でした。
また、「世界のビール」というだけのことはあり、大手各社による輸入ビール、ベルギービールなどの樽生が揃います。フードも札幌市内から様々なお店の料理が出店していて彩り豊かです。
ビアガーデンの最寄り駅は大通ではなく「西11丁目」駅、と思わせる充実ぶり(そして駅直結!)。ぜひ、こことドイツ村からスタートして、東進しましょう。
9丁目は公園のままで、8丁目から大手メーカーのブロックが始まります。
サッポロ(8丁目):THE SAPPORO BEER GARDEN
https://www.sapporo.travel/summerfes/event/odori08/
ミュンヘンのオクトーバーフェストの巨大テントの雰囲気に一番近いのが、8丁目です。日影が多いので日中におすすめです。
これまで「サッポロ・クラシック」のスピンオフで出ていた「富良野シトラス」は札幌開拓使ブランドになりました。フラノビューテイ種のホップを一部使用した、ほんのりシトラスの香りがする限定醸造ビールです。杯数限定ながらも、時間に関係なく飲めるようになりました。
フードは、ほたて、にしん、鮭など道産の食材を活用したメニューが中心です。
キリン(7丁目):キリン一番搾りビアガーデン
https://www.sapporo.travel/summerfes/event/odori07/
提灯ををあしらった屋台風の外装。開放的なレイアウトなので日差しが弱まってからの夜がオススメの会場です。
一番搾りをはじめ、「ハートランド」「キリンラガー」「ブラウマイスター」の樽も飲めます。
今年はタップマルシェで日替わりに3種類ずつの「クラフトビール」を提供。ヤッホーをはじめ、いわて蔵、金しゃちも飲める日があります。
その日のメニューは Instagram からわかります。https://www.instagram.com/oodori7chome
フードは室蘭やきとりや釜焼きピッツア、海鮮焼き、キリンビール園のジンギスカンなど。
アサヒ(6丁目):ASAHI SUPER DRY BEER PARK
https://www.sapporo.travel/summerfes/event/odori06/
ケヤキの木の下でビールを飲める6丁目。ドイツの「ビアガーデン(ビアガルテン)」の雰囲気に一番近いのはここです。自然の木陰がとにかく気持ち良く、昼に行くのが断然オススメです。
ビールはスーパードライを筆頭にマルエフ、エクストラコールドまで。ニッカのハイボールもあります。
フードはジンギスカンを中心にビアガーデンらしいおつまみが並びます。
サントリー(5丁目):サントリー ザ・プレミアム・モルツ ガーデン
https://www.sapporo.travel/summerfes/event/odori05/
街の中心部に一番近い会場。噴水を囲む涼し気なロケーションです。
プレミアム・モルツだけではなく、サントリーの6種類の樽生「マスターズドリーム」「香るエール」「パーフェクトサントリービール」「プレミアムモルツ黒」「トリプル生」が飲めます。
また、CHEF-1グランプリ初代王者下國伸シェフによるフードも充実。飲兵衛の気持ちを熟知したおしゃれなアテが楽しめます。
全会場とも、18時以降は勤め帰りの人達で、平日であろうととにかく混み合います。観光客の人が行ってみたら「混んでて座れなかった」という話も実際によく聞きます。
そこで、各丁目には観光客対象の予約席「おもてなシート」が用意されています。夜に行く方はホテルで予約してから行くとよいでしょう。
詳しくは https://www.sapporo.travel/summerfes/news/detail/229/
【まとめ】
今年は、コロナ禍後2年目で、昨年よりも底上げされた感じがあります。「タップマルシェ」をついに出したキリンの充実ぶりで、やっと各社の「本気」を感じられるようになりました。
酒税法上の「ビール」が充実していたのが今年の特徴でしょう。2026年のいわゆる「酒税一本化」に向けて各社とも「ビール」回帰の傾向がありましたが、この会場のメニューにはそれがはっきりと出ていました。今後もしばらくは、その傾向が続くと思われます。
なお、ビアガーデンとなると各社とも「黒ビール」を必ず用意する素晴らしい”慣習”がありますが、この大通ビアガーデンも例外ではありません。このビアガーデンは全社の黒飲み比べが一気にできる非常に貴重な場でもあります(この記事のビールの写真が基本的に「黒」だったことにお気づきでしたでしょうか?)。
「混んでる」「高い」とも言われますが、混んでいない昼のうちに、各丁目をハシゴすれば、とても充実したビアライゼができると思います。街の中心部の屋外でこれだけのビールを堪能できる都市は他にないでしょう。
大通ビアガーデンは札幌の夏の風物詩であり、宝です。一緒に楽しみましょう。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。