場所を変えて再スタート! 季節のお酒と酒肴を味わう横丁・立花篇#6 【真夏のビール特集〜HAZY IPA編〜】
OBPアカデミアで開催されていた「アカデミア横丁」は、OBPアカデミアの閉館により一旦閉幕となりましたが、季節のお酒と酒肴を楽しむ「横丁」は、場所を尼崎市・立花に変えて再スタートをしています。
今回のテーマは、「真夏のビール特集〜HAZY IPA編〜」。
HAZY(=濁り、かすみ)で、トロピカルな味わいが特徴の「HAZY IPA」のビールに合わせる酒肴とは!?
HAZY IPAを楽しむ際の参考にされてはいかがでしょうか?
目次
横丁・立花篇とは?
「横丁・立花編」は、“仕事帰りにふらっと横丁に寄るような感覚で、お酒と酒肴が楽しめる会”として、月に一度、開催されている講座です。
2024年4月から大阪市・京橋から尼崎市・立花に場所を変えて、毎月第3木曜日に開催されています。
「立花ってどこ?」と思う方もいらっしゃると思いますが、JR大阪駅から神戸線に乗って3つ目の駅がJR立花駅。「横丁・立花篇」が開催されている「ソレイユフラワー&カルチャーサロン」は、JR立花駅から徒歩3分の場所にあります。
「横丁・立花篇」では、日本酒や焼酎、ワイン、ビール、ウイスキーなどから季節やテーマに合ったお酒とそれに合う酒肴を楽しみます。
お酒と酒肴を振る舞い、またそのお酒と酒肴にまつわる楽しいお話をしてくださるのは、料理家であり唎酒師のフジノマキ先生。
参加者が簡単な自己紹介と、本日のお酒にまつわるエピソードを話すアイスブレイクの後、マキ先生からの本日のお酒と酒肴についての楽しいお話が始まります。
今回は、通常の「横丁」でしたが、いつもよりハイグレードなお酒と酒肴が楽しめる「プレミアム横丁」や、酒肴をメインにお酒を楽しみ、さらに酒肴のレシピが付く「酒肴スペシャル」などが開催されることもあります。
大阪市・京橋で講座がスタートしてから今年で8年目を迎えるロングラン講座です。
今回のテーマHAZY(ヘイジー)IPA!
ビールをテーマにした「横丁」が開催されるのは年に2回ほど。
今回のビールは、IPAスタイルのビールから派生した「HAZY IPA」の3種飲み比べです。
IPAは「India Pale Ale(インディア・ペール・エール)」の頭文字を取ったもので、「アイ・ピー・エー」と発音します。
名前に“インディア”とありますが、インドではなくイギリス発祥のビールです。
18世紀頃、イギリスは植民地のインドに向けて船でビールを運んでいましたが、その輸送途中にビールが劣化しないように、防腐効果のあるホップを大量に入れてできたビールが「IPA」だと言われています。
ビールは、ラガー酵母を使った下面発酵のラガースタイルのビールと、エール酵母を使った上面発酵のエールスタイルのビールに大きく分けることができます。
IPAはエールスタイルのビールで、ホップを大量に使用することから強い苦味と香り、そしてアルコール度数がやや高いことが特徴のビールであり、IPAから派生したビアスタイルも多くあります。
マキ先生からIPAから派生したビアスタイル「セッションIPA」や「ブラックIPA」、「イングリッシュIPA」などの説明があり、
2022年5月に参加した「旨苦い!これぞビール!IPA3種飲み比べ編」で、「ブラックIPA」とタンドリーチキンとのペアリングがとても美味しくて、感動したことを思い出しました。それ以来、ブラックIPAにはスパイシーな酒肴を合わせるようにしています。
名前にある「HAZY(ヘイジー)」は「濁り・かすみ」という意味で、濁った見た目、そして華やかで強いホップの香り、苦みは柔らかくジューシーな飲み口が特徴のビールです。
本日のビールと酒肴(しゅこう)
酒肴とは、お酒を飲むときにいただくお料理のこと。
横丁に参加して、この「酒肴」という言葉を知りました。
Hop Shop HAZY IPA(Mikkerller) × パイナップルのマリネと鯵のソテーのサラダ
「Mikkerller(ミッケラー)」は、デンマークの首都であるコペンハーゲンのビールです。
北欧らしい缶のデザインがとてもかわいく、ビールごとにデザインが異なるのでお店で見かけるとついつい買ってしまいます。
「Hop Shop HAZY IPA」は、明るいイエローで、うっすら霞がかかったような濁りがあるビール。アルコール度数は4.9%と高くなく、味わいもHAZY IPAの中ではあっさり、ドライな方なので食事にも合わせやすく、暑い日の1杯目にごくごく飲むビールとしても良さそうです。
こちらのビールに合わせるのは、「パイナップルのマリネと鯵のソテーのサラダ」。
「サラダ」なのに、パイナップル?鯵のソテー?と、頭の中が「???」でしたが、食事にパイナップルを合わせるのも青魚も大好きなので、考えるよりも食べてみましょう!
マキ先生から「甘い・酸っぱい・辛い・香ばしいが一体となったサラダ」と紹介がありましたが、まさにその通り。香菜が入ったエスニックなサラダに、ホップの爽やかな香りが加わり、夏にピッタリの組み合わせでした。
Lupulin Nectar(Y.Market Brewing) × コロネーションチキン
「Y.Market Brewing(ワイマーケットブリューイング)」は、愛知県名古屋市のブリュワリーです。
HAZY IPAが好きな方であれば、一度はこちらの「Lupulin Nectar(ルプリンネクター)」を飲まれたことがあるのではないでしょうか?
マキ先生もHAZY IPAを好きになったきっかけは、「ルプリンネクター」との出会いだったそうです。
「ネクター」というと桃のジュースのイメージですが、意味は「果実をすり潰して入れた濃度の高いジュース」。ネクターという名前通り、果実が入っているのかと思わせるようなトロピカルな香りと味わい、そしてしっかりと濁りのあるビールです。
こちらのビールに合わせるのは、「コロネーションチキン」。
「Coronation(コロネーション)」とは、「戴冠(たいかん)」と言う意味で、エリザベス2世の戴冠式で出された鶏肉料理だそうです。鶏肉をドライフルーツと一緒にカレー風味のマヨネーズで和えたもので、イギリスではパンに挟んでサンドウィッチにするのが定番だということでした。
カレー風味のマヨネーズにヨーグルト、ケチャップと少し濃厚な味付けに、香り・味わいともに力強いビールがよく合います。
こちらのHAZY IPAは、アルコール度数が7.5%と高く、濃厚で重めのビール。
お料理にも合いますが、ホップが好きで好きな方は、”デザートビール”として濃厚な香りと味わいを楽しむのもおすすめです。
Hop Frontier Juicy IPA(Far Yeast Brewing ) × じゃがいもととうもろこしのサモサ
「Far Yeast Brewing (ファーイーストブリューイング)」は、山梨県のブリュワリーです。今回いただく「Hop Frontier Juicy IPA(ポップフロンティア ジューシーIPA)」は、 最新のホップ理論で、ホップの香りを最大限に引き出して造られたビール。
ビアスタイルは「Juicy IPA」とされていますが、うっすら靄(もや)がかった色合いのビールで、アルコール度数は6.5%。
こちらのビールに合わせるのは、「じゃがいもととうもろこしのサモサ」です。
サモサはインドの料理で、今回は春巻きの皮にじゃがいもととうもろこしにスパイスで味付けをしたフィリングを包み、その場でマキ先生が揚げたものをいただくことができました。
揚げたてが食べられるのって幸せ!
ビールと揚げ物の組み合わせは間違いないですよね。
やさしい苦みがとうもろこしの甘さを引き立て、揚げ物をいただいたのに後口はスッキリ。
「Juicy IPA」というスタイルから、香りが強く濃厚なビールを想像していましたが、フルーティーで華やかな香りと爽やかな味わい、もう一度飲んでみたいと思いました。
HAZY IPA3種類をいただいた後に、恒例の「どのお酒が気に入りましたか?」というアンケート。
Hazy IPAは一時期大好きでよく飲んでいたのですが、1杯2杯···と飲み続けることがしんどくなり、少し離れていました。
でも久しぶりに飲むとホップ好きにはたまらないビールですね。1杯をゆっくり飲むなら···ということで、ルプリンネクターに1票です。
お酒の「はじめて」と出会う場所
私はお酒の中でもビールが大好きです。
「横丁」に参加するたびに、マキ先生の美味しい酒肴とお酒、そしてお酒にまつわる楽しいお話に「こんなに美味しいお酒(ビール以外でも)があったんか!」と感動しています。
「世界には、まだまだ私の飲んだことのない美味しいお酒がたくさんある!」と思うと、その出会いにワクワクします。
また次回!横丁のテーマがビールのときはレポートしますね。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。