取材当日、安藤氏がこだわりを持って空輸しているベルギービール、セゾン・デュポンで乾杯しました。この日は、偶然にもMJの誕生日であり、さらにベルギー王国の建国記念日と重なっていたため、特別な日だったのです。7月21日は、その縁もありセゾン・デュポンの日でした。
お誕生日ビールについては、冨江弘幸氏の著書『BEER CALENDAR』をご確認ください。
オーナー・安藤耕平氏の哲学と挑戦
安藤耕平氏は、ビールへの情熱と店舗運営に対する深い思いを抱くオーナーです。インタビューでは、CAVE開店までの多くの苦労が語られました。物件探しや準備の段階で数々の困難がありましたが、彼はスタッフ一人ひとりの人生、生活を支えるという責任を胸に抱き、心臓をバクバクさせながら毎日を過ごしていたと語ります。
安藤氏は、才能に恵まれたスタッフに囲まれ、どの一人が欠けても店は成り立たないと強く感じています。そのため、彼はスタッフ一人ひとりを大切にし、彼らの成長や幸せを支えることに力を注いでいるのです。
店を訪れると感じられる温かい雰囲気は、スタッフと共に魅力あふれる店舗を造り、運営していくという、彼の強い信念の表れといえるでしょう。
幕末の思想家・吉田松陰とのつながり
安藤氏の経営哲学には、幕末の武士であり教育家・吉田松陰の思想が深く根付いています。松陰を師と仰ぎ、彼の著書に記された孟子の言葉「至誠通天(しせいつうてん)」が、安藤氏の心に強く響いています。この言葉は「誠意を尽くせば天にも通じる」という意味を持ち、彼の経営の根幹に位置しています。
「誰かが本当に一生懸命に努力している姿を見て、手を差し伸べない人はいない」このような信念を貫く安藤氏のチャレンジは、錫管プロジェクトという、日本のビールを100年先まで続かせたいという壮大なストーリーとなります。そしてこのプロジェクトは多くの人の胸を打ち、クラウドファンディングも大成功を収めています。
安藤氏は、単なるビジネスの枠を超え、資本主義に相反する価値観を大切にしています。スタッフやお客様に対しても、真心を込めて接し、100年続くビール文化と、そのことを通じて人々の心を豊かにすることを目指しています。安藤氏はまさに、現代に蘇った志士といえるでしょう!
遊び心溢れる店内の「サルーン」
HIGHBURY-THE CAVE OF BEERの魅力は、真剣な経営哲学だけではありません。店内の奥にある「サルーン」と呼ばれるベルギービールの雰囲気が存分に楽しめる客席では、安藤氏のこだわりと遊び心を感じることができます。
彼が大好きな漫画『スラムダンク』の全巻が揃っており、私たちはリラックスしながらコミックスを楽しむことができます。
さらに、暖炉の脇にはロッキングチェアが置かれており、暖かみのある空間を提供しています。
特にユニークなこだわりポイントは、暖炉にくべられた「牧」(薪の代わり)というキャラクターと、「炎の男・三井」が顔をのぞかせている点です。このユーモア溢れる装飾を、ぜひお店で楽しんでください。
HIGHBURY-THE CAVE OF BEERを訪れたら、絶対に見てほしい「スラム暖炉」
ビールファン必訪の名店
安藤耕平氏の情熱と信念が詰まったHIGHBURY-THE CAVE OF BEERは、ビールファンなら一度は訪れたい名店です。
安藤氏が掲げる3つのポイント、カスクコンディションエール・ベルギービール・ファインクオリティラガーという、ここで表現されるビールの素晴らしさを、是非堪能していただきたいですね。
今回乾杯させて頂いたセゾン・デュポンを始め、ベルギービールの豊富なラインナップはもちろんのこと、安藤氏の深い経営哲学やスタッフへの思いが店舗全体に反映されています。
ビールを愛する人々が集うこの店は、単なる飲食店を超えた、心温まるコミュニティとしての役割も果たしています。安藤氏のような志を持つオーナーによって運営される店舗は、現代のビアバー文化において特別な存在と言えるでしょう。
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