[コラム,ビアバー]2024.10.16

ベルギービールの老舗Bois Céreste ボアセレストを満喫してきた1【JBJAChannel】

Bois Céreste 〜ボアセレスト〜の魅力

東京都港区赤坂に位置する「Bois Céreste 〜ボアセレスト〜」は、日本でベルギービールの文化を広めた草分け的存在です。1988年の創業以来、長年にわたり多くの人々にベルギーのビールと料理、そしてその豊かな文化を提供し続けてきました。この名店は、ビール愛好家やグルメたちが足繁く通う、まさにベルギービールの聖地です。

ベルギービールは、世界中で愛される個性豊かなビールの一つで、その多様性と深い味わいは他に類を見ないものです。特に「Bois Céreste 〜ボアセレスト〜」では、選び抜かれた銘柄とともに、ベルギーの伝統的な料理や歴史、文化にも触れることができる点が魅力的です。訪れるたびに新しい発見と感動がある、そんな特別な場所です。

Bois Céreste 〜ボアセレスト〜

ベルギーのビールとフードの定番、ヒューガルデンホワイトとフリッツ

Bois Céresteに訪れた際、まず最初に楽しんだのがベルギーの名銘柄「ヒューガルデンホワイト」と「フリッツ」でした。ヒューガルデンホワイトは、その特徴的なフルーティーで軽やかな風味と、爽やかな後味がビール愛好者に大人気です。柑橘類とスパイスが微妙に調和したこのビールは、初めてのベルギービール体験としても最適です。今回は、Bois Céresteのオリジナルでアプリコットの果汁を入れた、オリジナルカクテルのようにしたヒューガルデンを頂くことにしました。

一方、フリッツ(フライドポテト)はベルギー料理の代表格です。シンプルでありながらも、その揚げ方にはこだわりが詰まっており、外はカリッと、中はホクホクに仕上がる一品です。この二つの組み合わせは、まさにベルギーの定番で、特にベルギービールとのペアリングでは欠かせません。

フリッツの歴史と文化的背景

ボア・セレストのフリッツSサイズ。揚げたてもアツアツで美味しいのですが、冷めてもおいしいところが技術の見せ所です。

フリッツの起源は16世紀にまでさかのぼります。当時、じゃがいもがベルギーに伝わり、徐々に人気が高まっていきました。フリッツ・コット(フリッツの屋台)が登場したのは18世紀初めとされ、その後、移動式店舗が各都市に広がり、遊園地や広場、駅前でフリッツが楽しめるようになりました。

19世紀になると、家庭でも揚げ油が手に入るようになり、フリッツが一般家庭でも作られるようになりました。この頃には、フリッツはベルギー国民の食文化に欠かせない存在となっていました。

そして、第一次世界大戦時にベルギーを訪れたアメリカの兵士たちが、フランス語を話すベルギー兵士たちを見て、フリッツを「フレンチフライ」としてアメリカに持ち帰ったという逸話も有名です。

フリッツを美味しく揚げる5つのルール

(AIで作成したイメージ画像です)

フリッツはシンプルな料理ですが、その完璧な仕上がりにはいくつかの重要なポイントがあります。伝統的なフライドポテト専門店(フリッツ・コット)では、これらのルールが守られています。そしてBois Céresteで提供されるフリッツも、ルールを忠実に守ることで、その美味しさを最大限に引き出しています。

  1. じゃがいもの選定
    フリッツには、ビンチェ種と呼ばれるじゃがいもの品種が最も適しています。これに加え、シャーロット、アグリア、ヴィクトリアといった品種も適しています。
  2. カット
    じゃがいもはおよそ10×10㎜の均一な棒状にカットされます。均一な大きさで揚げることで、ムラなく均等に仕上がります。
  3. 揚げ油の選択
    揚げ油には好みによって牛脂や植物油が使われます。牛脂はより濃厚で本格的な味わいを生み出し、植物油は軽く仕上げることができます。
  4. 二度揚げの技法
    スティック状に切ったじゃがいもは、まず130~140℃の脂で5~8分揚げます。その後、休ませた後、170~175℃の油でカリカリになるまで再度揚げることで、外はカリッと、中はホクホクに仕上がります。
  5. 塩とソースで仕上げる
    揚げたてのフリッツには、塩をひとつまみふりかけ、好みのソースで楽しむのが定番です。

フリッツとベルギー国民の絆

20世紀初頭には、フリッツはベルギー国民のアイデンティティの一部となり、特別な絆が生まれました。ベルギーの食文化を研究した歴史家ピーター・ショリアーズは、著書『ベルギーの食文化』の中で、19世紀までは食が国民感情と結びついていなかったと指摘しています。しかし、フリッツが普及することで、ベルギー人は自身の食文化に誇りを持つようになりました。

その熱い気持ちが実り、2014年にはベルギーのフリッツがユネスコ無形文化遺産に登録されました。これは、フリッツが単なる食べ物ではなく、ベルギーの文化、国民の心に深く根付いていることを示しています。

出典;ベルギー農業史センター「ベルギーのフリッツ・コット カルチャー 特別無料版 2017年夏」

次回のペアリング探求

Bois Céreste 〜ボアセレスト〜は、ビールと料理のペアリングを深く探求できる場所です。次回は、さらに多様なベルギービールとその料理との絶妙な組み合わせを紹介していきます。ビール愛好家の皆さんにとって、ここでの体験は新たな発見とともに、ベルギービールの奥深さに引き込まれることでしょう。

ぜひ次回も、ベルギービールの新たな魅力を追求していきましょう。

Bois Céreste 〜ボアセレスト〜

東京都港区赤坂2丁目13-21

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この記事を書いたひと

MJ

ビアジャーナリスト/Youtube JBJA Channelプロデューサー

ビールと昆虫とリコーダーと天然石が大好きです。JBJAではイベントサポートやBJAチューターも楽しんで取り組んでおります。人に寄り添う記事作成を心がけ、JBJA公式動画サイトJBJAchannelではMCを担当しております。
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