[テイスティング,新商品情報]2024.12.17

Far Yeast Brewingからタバジビエとのコラボ第3弾「Off Trail Wild Caught 2024」新発売

Off Trail Wild Caught 2024

(画像提供 Far Yeast Brewing)

「Far Yeast」や「馨和 KAGUA」などの銘柄で知られるFar Yeast Brewing。2019年から取り組んでいる「Off Trail」シリーズから、新作となる「Off Trail Wild Caught 2024」が2024年11月26日(火)から発売されました。こちらでは、気になる新商品がどんなビールなのかをご紹介します。

注目の「タバジビエ」とのコラボレーション第3弾

750ml

(画像提供 Far Yeast Brewing)

Off Trail Wild Caught 2024は、Far Yeast Brewingの醸造所の隣村 山梨県丹波山村のジビエブランド「タバジビエ」とコラボレーションした商品。2023年3月に第1弾「Off Trail Wild Caught」が発売され、同年11月に第2弾「Off Trail Wild Caught 2023」に続き、今回が第3弾となります。

今回のテーマは、タバジビエの鹿肉のローストとのペアリング。ジビエによく合う味わいを目指した樽熟成サワーレッドエールのビールです。

ビールの特徴は?

公式サイトでは、ビールの味の特徴について、下記の通り伝えています。

『Off Trail Wild Caught 2024』は、10ヶ月熟成のRed Aleをベースに、14ヶ月熟成のKveik Sourの樽と12ヶ月熟成のSour Porterの樽をブレンド。キャラメル・レーズン・ベリーといったキャラクターを、柑橘のような酸味やカカオ感が下支えしています。またビネガーのニュアンスのあるSour Redの樽もあえて少量だけブレンドすることで、より複雑みのある酸味に寄与しています。

そのようなベースビールに、丹波山で採れたフレッシュ山椒をブレンドすることで、清涼感のある柑橘感が加わり、ベースブレンドの複雑な味わいに爽やかなアクセントが生まれました。適度に複雑な酸味と山椒の柑橘感、鼻から抜けるオーク樽のニュアンスが「鹿肉のロースト」の味わいを引き立てるとともに、さっぱり飲める仕上がりとなっています。

長期熟成の樽をかけ合わせることで、とても複雑な味となっているようです。山椒のアクセントも気になります。どんなビールなのでしょう、さっそく飲ませていただきました。

濃厚な色味に反した、すっきり爽やかな柑橘感

ビール

開栓すると、ふわりと鼻腔をくすぐるのはワインを感じさせるグレープの香り。グラスに注ぐと、向こう側が透けないほど色味が濃く、黒ビールのような見た目です。しかし、香りは色味に反してとても爽やか。泡立ちは控えめで、炭酸の気泡も浮かんできません。

どんな味だろうと口に含むと、びっくりするほど爽やかな柑橘感がいっぱいに広がります。まるでワインかと思うような味わい。苦味はなく、ほどよい適度な酸味を感じびっくりしました。何が起こったのかとグラスのビールを二度見。そのくらい、私にとっては見た目と味のギャップが大きかったです。

優しい炭酸感で、穏やかな喉越し。さっぱりした後味で、山椒のアクセントを舌の上でほんのり感じる。複雑で奥行きのある芳醇さで、飲みながらも温度変化で味わいの違いを楽しめるユニークなビールです。

鹿肉とのペアリングに挑戦!熟成したビールが引き立てる味わい

ペアリング

「鹿肉のロースト」とのペアリングを目指したビールとなれば、やはりぜひともペアリングを楽しみたいと思い、初めて鹿肉を食べました。初心者でも食べやすいと言われる鹿のもも肉を選び、ドキドキしながらペアリングに挑戦です。

タバジビエによると、鹿肉は「高たんぱく!低脂肪!低カロリー!低コレステロールの非常にヘルシーな食材」だそう。加えて、「豊富な鉄分やビタミンB群も大きな魅力」とのこと。なるほど、牛肉の赤身肉のような見た目です。

食べてみると臭みが無く、ぎゅっとしまった肉質は凝縮された旨味で溢れていました。噛むほどジューシーな鹿肉を楽しんだら、Off Trail Wild Caught 2024をごくり。肉の旨味を見事に引き立てる、柑橘の爽やかさが口の中に広がり、思わず「わあっ」と声が漏れました。

熟成された樽香が楽しめるよう、口の広めのグラスがおすすめです。「鼻から抜けるオーク樽のニュアンス」(公式サイトより)を存分に味わえますよ。

「Off Trail」シリーズとは?

off trail

(画像提供 Far Yeast Brewing)

Far Yeast Brewingが手がけるOff Trailシリーズは、2019年11月から始まった、クラフトビールの新たな可能性に挑戦するブランドです。「しっかりと舗装された道路」から一線を画し、「Off Trail(舗装されていない道)」を突き進むイメージからその名がつけられました。他醸造所とのコラボや地元農家のフルーツを使用するなど、これまでにリリースしたビールはすでに50種に及びます。

ビールの大きな特徴は、ワインや日本酒、ウイスキーなどに使われた樽でビールを熟成させるバレルエイジングの手法という醸造方法。この手法によって、ビール酵母以外の微生物を活かすことができ、リッチで複雑な香りを生み出しているそうです。

【URL】https://faryeast.com/beer/offtrail/

「タバジビエ」とは?

taba gibie

(画像提供 タバジビエ)

「一人でも多くの方に丹波山の狩猟文化を知ってもらいたい」という思いから誕生した、山梨県丹波山村のジビエブランドです。丹波山村は自然豊かで、古来より狩猟文化が受け継がれています。野生動物を「山神様からの授かりもの」として尊ぶ姿勢を大切にし、狩猟の教えを忠実に守ってきました。

狩猟文化の維持に努めながら、高品質で安全なジビエ肉の提供と、野生動物の利活用や地域振興への精力的に取り組んでいます。自然体験学校「丹波山村狩猟学校」の運営も行っており、丹波山村猟師の日常を「学び」「体験」できる場を提供。タバジビエの方が講師も務めています。

【URL】https://tabagibier.com/

◾️ Off Trail Wild Caught 2024
【販売開始日】2024年11月26日(火)
【原材料】麦芽(外国製造)、ホップ、小麦、糖類、山椒
【アルコール度】7.0%
【スタイル】Barrel Aged Sour Red Ale with Sansho Pepper
【品目】ビール
【醸造所】Far Yeast Brewing源流醸造所(山梨県小菅村)
【仕様】330ml瓶、750ml瓶
【URL】https://faryeast.stores.jp

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

金子明日香

ビアジャーナリスト/ライター

静岡県生まれ、愛知県在住のWeb編集/ライターです。
大学のドイツ留学でドイツビールに出会い、在独1年間ですっかりビール好きに。ビールを通して、国内外さまざまな出会いやご縁に恵まれてきました。

ビールの楽しさや魅力をもっとたくさんの人に伝えたい!と思い、ビアジャーナリストアカデミー20期に参加。ビールが好きなステキな仲間と出会えたことで、私自身がビール造りをもっともっと知りたくなりました。

農家の娘なので農業×ビールに興味があります。特に国産ホップや大麦など、日本の農業からつながる、国産原料を使ったビールの情報を発信したいです。

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