箱根駅伝のCMでビールが映らない理由~第101回箱根駅伝を楽しみながら~
ビールに愛された皆さまへ。
良いお正月を迎えていらっしゃるでしょうか。
新年を迎えると同時に、私たちが楽しみにしているイベントの一つが箱根駅伝です。新年の2日と3日、大学生ランナーたちが繰り広げる力走は、毎年多くの感動を生み出します。私自身、出身校が駅伝の常連校だったこともあり、箱根駅伝は正月の風物詩として心待ちにしています。
駅伝観戦のもう一つの楽しみといえば、スポンサー企業のテレビCM。特に、長年スポンサーを務めるサッポロビールのCMは、駅伝を観る時間に欠かせない存在です。しかし、ここで一つの疑問が湧きます。なぜサッポロビールがスポンサーでありながら、ビールそのものが映るシーンがほとんどないのでしょうか?
サッポロビールの広告の秘密
サッポロビールのCMをよく観察してみると、企業の理念や応援メッセージは豊かに伝わるものの、「ビールを飲むシーン」や「ビールそのもの」が映ることはありません。この背景には、ビール業界全体が設けた自主規制が関係しています。
サッポロビールをはじめとする大手ビールメーカーは、未成年飲酒の防止やアルコールに関する問題の抑制を目的に、広告の表現について厳格なガイドラインを設けています。特に、朝5時から夕方6時まではビールのCMを控えることや、出演者が25歳以上であること、喉元や喉が鳴る音を強調する表現を避けるなど、細かな配慮がなされています。
これらのルールは法律ではなく、業界が自主的に決めたもの。社会的責任を果たしながら、正しい飲酒文化を推進するための取り組みなのです。
各社の行動指針の基としているビール酒造組合(ビールメーカー大手5社で構成される酒類業組合)のサイトを見ると、こういった取り組みについて、多くの情報を得ることができます。
なぜ箱根駅伝でビールは映らないのか?
箱根駅伝のスポンサーとしてビールメーカーが名を連ねる一方で、ビールそのものが映らない理由も、この自主規制にあります。箱根駅伝の放映時間は朝から夕方までと、広告自粛の時間帯に該当するため、ビールのイメージを押し出す広告は避けているのです。
さらに、箱根駅伝は幅広い年齢層が視聴するスポーツイベント。未成年を含む家族全員が観戦できる時間帯に配慮し、アルコールに関する不適切な印象を与えないよう、広告内容を調整しています。このような配慮があることで、駅伝の爽やかなイメージと、スポンサーとしての役割が両立しているのです。
ビール業界の社会的取り組み
サッポロビールをはじめとするビール業界全体は、社会的責任を果たすためにさまざまな取り組みを行っています。以下はその一部です。
- 未成年飲酒防止活動
「STOP! 20歳未満飲酒プロジェクト」などを通じて、未成年飲酒を防ぐ啓発活動を実施。飲酒のリスクを伝える広告やキャンペーンを展開しています。 - 環境保全活動
空き缶回収やリサイクル活動にも力を入れ、ビール生産が環境に与える影響を最小限に抑える努力をしています。 - 飲酒マナーの啓発
「楽しく適量で」をスローガンに、飲酒運転や過度な飲酒を防ぐメッセージを積極的に発信しています。
ビールとともに箱根駅伝を楽しむ
サッポロビールのような企業が自主規制を守りながらスポンサー活動を行うことで、私たちは駅伝という感動的なイベントを安心して楽しむことができます。そんな中で、家族や友人とともに飲むビールは格別です。
駅伝観戦の最中から、新年の余韻に浸りながら飲むサッポロ黒ラベルや、お気に入りのビールは至福の時間をもたらしてくれることでしょう。ビールを愛する皆さまも、今年も正しい飲酒を心がけながら、ビールとともに楽しい時間を過ごしましょう!
箱根駅伝でビールが映らない理由には、ビール業界の社会的責任を果たすための努力と自主規制がありました。その背景を知ることで、さらにビールの魅力と責任ある飲酒文化を感じられるのではないでしょうか。
今年も新たなビールとの出会いと、箱根駅伝の感動を胸に、素晴らしい一年をお過ごしください。ハッピーニューイヤー!
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。