ビアジャーナリストアカデミー2期生卒論①(李珵寧)
はじめまして。
ビアジャーナリストアカデミー2期生の李珵寧(イ・ジョンニョン)です。
名前からお気づきになった方がいらっしゃるかも知れませんが、私は韓国出身です。
私の書いたビアジャーナリストアカデミーの卒論を公開いたします!
卒論では、韓国のクラフトビールについて、以下の内容を書かせていただきました。
①韓国のマイクロブルワリーとクラフトビールの紹介
②韓国のタップハウスの紹介
今回は、①韓国のマイクロブルワリーとクラフトビールの紹介についてご紹介します。
また、本文の最後にあるリンクをクリックすると、卒論原本をご覧いただけます。
韓国とビール?
韓国のビールと言えば、みずみずしく、味の薄いビールのイメージが強い。実際に多くの韓国人は、韓国のビールはおいしくないと自ら認めており、韓国の焼酎か海外のビールを飲んだり、韓国焼酎とビールを混ぜた「ソメック(焼麦)」を飲んだりする場合が多い。また〇〇マートと呼ばれる大手スーパーのビールコーナーで海外の輸入ビールを買う人も近年増えている。余談だが、国産ビールがおいしくないことがもたらした良い所を言うと、輸入ビールへのニーズが高くなり、そのおかげで韓国の大手スーパーでは良い輸入ビールを安値で買うことができる。
韓国のマイクロブルワリー
韓国にクラフトビールがあるの?と不思議に思う人が多いだろう。たしかに、韓国人がクラフトビールを飲むイメージはなかなか想像し難い。しかし、正解は「ある」だ。2002年、2010年に酒税法が大きく改正され、小規模のブルワリーでもビールを醸造・販売ができるようになった。つまり、韓国でもやっと法律的にマイクロブルワリーを立ち上げる土台ができたのだ。
Ka-Brewは韓国の京畿道(キョンギド)清平(チョンピョン)という地域に2002年に設立された。韓国初のマイクロブルワリーであり、大手ブルワリーを含めて4番目にできたブルワリーである。「My style My beer」をスローガンとして揚げ、ブルワーが本当に造りたいスタイルのビールを造り出すことにこだわっている。それゆえ、今まで韓国のブルワリーで造りたくても造れなかったペールエール、インディアペールエール(以下IPA)ゴールデンエール、ヴァイツェン、オートミールスタウトなどがここでは造ることが可能なのだ。しかし、法律的に小規模のブルワリーが許可されるようになったとしても、まだクラフトビールのお店が個人のブルワリーを持つことはなかなか厳しい状況である。そのため、韓国のクラフトビールのお店のオーナーたちは、Ka-Brewで造られたビールをお店に仕入れるか、自分のビールレシピをKa-Brewに渡して、ブルワリーの人と一緒に造るか、あるいは造ってもらうようにしている。Ka-Brewこそ、韓国のクラフトビール界を担っているブルワリーと言っても過言ではない。
Ka-Brewのクラフトビールの中で最も有名なのは、韓国の山の名前が付けられたビールである。ビールのスタイルが山の特徴とマッチしているのもお見事だ。
★韓国の山の名前のビールシリーズby Ka-Brew★
※ビールの説明はKa-Brew直営タップハウスCraftworksのホームページより引用
(http://namsan.craftworkstaphouse.com/?page_id=1490)
・Baekdusan Hefeweizen 4.5% (白頭山:朝鮮半島で最も高い山)
→バナナとクローブの香る爽やかな無ろ過の小麦ビール
・Namsan Pure Pilsner 4.5% (南山:ソウル4大山、Nタワーのある山)
→軽やかで飲みやすい、満足の行く飲み口のプレミアムラガー
・Halla Mountain Golden Ale 4.5% (漢拏山:済州島にある朝鮮半島で2番目に高い山)
→キャラメルの甘味がほのかに感じられるミディアムボディのアメリカンスタイルエール
・Bukhansan Pale Ale 4.5% (北漢山:ソウル4大山のうち、最も高い山)
→強い柑橘系のフレーバーとホップの香るカリフォルニアスタイルエール
・Geumgang Mountain Dark Ale 4.5% (金剛山:四季によっていろんな名前がある山)
→スモーキ―でナッツのようなフレーバーとチョコレートフレーバーが感じられるまろやかなブラウンエール
・Jirisan ‘Moon Bear’ IPA 6.4% (智異山:ツキノワグマで有名な山)
→エール好きのためのビール!高いアルコール、強い柑橘系のフレーバー、キリッとした飲み口のIPA
・Seorak Oatmeal Stout 4.5% (雪嶽山:朝鮮半島で3番目に高い山)
→ローストしたコーヒーとダークチョコレートの豊かなフレーバーとクリーミーなテクスチャーが自慢のビール
<原本リンク> ※読み込みに少々時間がかかる場合があります。恐れ入りますが、ご了承ください。
次回は、韓国のタップハウスをご紹介します。お楽しみに!
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。