[コラム]2025.3.19

ブックレビュー「キリンを作った男」ビール好きなら必読の熱いドラマ【JBJAChannel】

ビールに愛された皆さまへ。

今回は、ビール業界の歴史を知るうえで欠かせない一冊、『キリンを作った男』(永井隆著)をご紹介します。2024年7月に文庫化されたこの本は、キリンビールを支え、蘇らせた天才マーケター・前田仁の物語。昭和の終わりから平成にかけてのビール業界の激動を、豊かな筆致で描いたノンフィクションです。本記事では、本書の魅力を動画とともにお伝えします。

キリンビールのガリバー時代と凋落

かつてキリンビールは、国内ビール市場の絶対的王者でした。しかし、時代の流れとともに競争が激化し、シェアを大きく落とす苦しい時期が訪れます。こちらの本は、そんなキリンの凋落と、その後の復活劇をリアルなデータとともに描き出しています。キリンビールへの甘い礼賛だけではなく、辛い時期や組織的に闇の部分があったことも、キリンの不利な部分も含めてきちんと描かれています。

前田仁のマーケティング戦略

本書の中心人物である前田仁は、ビール市場に革新をもたらした天才マーケター。1980年代に彼が手がけたハートランドは、今も多くの人に愛されるブランドとなっています。そしてキリンラガーを超えるブランドとして一番搾りを誕生させる過程。彼のマーケティング手法や新商品の開発秘話が、ビジネスの視点からも非常に興味深く描かれています。

ビール好きにこそ読んでほしい熱いドラマ

本書の魅力は、単なるビジネス書ではない点。ビールを愛し、業界を支えた人々の熱い思いが、ページをめくるごとに伝わってきます。今なお続く人気銘柄のビールたちの履歴書のようなストーリー展開に、ビール好きなら思わず共感し、読みながら一杯飲みたくなること間違いなし。

アスファルトの白線と。大切な本なので地ベタではなく台に乗せています。

『キリンを作った男 マーケティングの天才・前田仁の生涯』

書籍情報:

  • 著者: 永井 隆
  • 出版社: 新潮社
  • シリーズ名: 新潮文庫
  • 発売日: 2024年6月26日
  • 判型: 文庫
  • ページ数: 384ページ
  • ISBN: 978-4-10-105431-5
  • 定価: 825円(税込)

この本は、キリンビールの「一番搾り」「淡麗」「氷結」などのヒット商品を手掛けた前田仁氏のマーケティング手法や、ビール業界の激動の時代を詳細に描いています。ビール業界の歴史やマーケティングに興味のある方にとって、非常に興味深い内容となっています。ビール好き必読の書です!

動画で新しい表現方法に挑戦

今回、この本をじっくり読み込み、あちこちに持ち歩いて写真を撮り、それらをまとめたレビュー動画を制作しました。従来とは違う表現方法を試してみたので、ぜひご覧ください。

 

 

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

MJ

ビアジャーナリスト/Youtube JBJA Channelプロデューサー

ビールと昆虫とリコーダーと天然石が大好きです。JBJAではイベントサポートやBJAチューターも楽しんで取り組んでおります。人に寄り添う記事作成を心がけ、JBJA公式動画サイトJBJAchannelではMCを担当しております。
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