今年はホップ暴動100周年「ホップライオットIPA」―ビアレポート(52)
争いごとはあまり好きではない私です。
勝負ごと、となると血が騒ぎますが、争いごとはないほうがいいですね。今回は争いというか暴動なビール。ハイウォーターの「ホップライオットIPA」です。
ライオット(riot)とは、「暴動」という意味。ホップが暴動を起こしたかのような、強い苦味が特徴のIPAです。ま、IPAですから苦味が強いのは当たり前。この「ホップライオットIPA」はしっかりしたモルトの甘味とのバランスがよく、華やかなシトラスフレーバーが特徴。探そうと思えばいろいろはフレーバー、味わいが見つけられます。
さて、この「ホップライオットIPA」は、実はホップが暴動を起こしたかのような苦味があるから「ホップライオット」という名前を付けられたわけではないようです。ハイウォーター醸造所があるカリフォルニア州で実際に起こった暴動にちなんでいます。
その暴動は「ウィートランド・ホップ・ライオット(Wheatland Hop Riot)」。カリフォルニア州ウィートランドで1913年8月3日に起こった暴動です。これは、ホップを摘む季節労働者たちが待遇改善を求めて起こした暴動で、死者4人を含む多数の怪我人が出るほどのものでした。この暴動から労働者の待遇などが変わっていくことになり、カリフォルニア州では歴史的な出来事となっています。
このホップ暴動が起こったのがウィートランドということで、なんだかビールと関係が深そうな暴動ですね(実際にウィートランドでウィートを作っていたかはわかりませんが)。
で、2013年はこの「ウィートランド・ホップ・ライオット」からちょうど100年。暴動があった8月3日からはちょっと時間が経ってしまいましたが、年が明ける前に飲んでみてはいかがでしょうか。
【BEER DATA】
ホップライオットIPA
生産地:アメリカ
醸造所:ハイウォーター
スタイル:アメリカンIPA
アルコール度数:7.3%
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。