[イベント,ブルワー]2014.1.13

イベントレポート・BALLAST POINT(バラストポイント)JACK WHITE氏 来日記念パーティー

2013年12月8日、アメリカビールの輸入業者、ナガノトレーディング直営のアンテナショップ Antenna America(神奈川県横浜市)にて、アメリカでも有数のクラフトビールタウン・サンディエゴにおいても誰もが認める実力を有しているブルワリーBALLAST POINTの創設者であり最高責任者であるジャック・ホワイト(JACK WHITE)氏とセールスマーケティング責任者のアール・カイト(EARL KIGHT)氏の来日記念パーティーが行われた。

JACK氏スピーチ
写真 左・通訳のライ氏(ジャパンビアタイムス代表)
中央・JACK氏(BALLAST POINT CEO)
右・佐藤氏(Antenna America店長)

パーティーの始めに、BALLAST POINT CEOジャック・ホワイト氏のスピーチが行われた。
以下、JACK氏のスピーチである。

みなさん今日来てくださってありがとうございます。
BALLAST POINTのビールが、ナガノトレーディングのおかげで、日本でもサンディエゴと変わらないこういうフレッシュな状態で美味しく飲めて嬉しいです。
まずは会社の歴史ついてと、これからのバラストポイントの目的ついて話したいと思います。

1980年代、ジャックはロサンゼルスのカリフォルニア大学の学生だった、
家族の一人がホームブリュワーでビールの醸造法を教えてくれた、
1988,9年、シエラネバダともう一社しかクラフトブルワリーが無く、そのクラフトビールを飲み始めて感動をした。
大手と比べたら味が凄く美味しく、自分もそのようなビールを造りたくてホームブリューイングを始めた。

大学を卒業して故郷のサンディエゴに戻り、ホームブリューイングしながら仕事を探していた。
そんなある日に、あることに気づいた。
ホームブリューイングをする道具がなかなか売っていない、
買うのより、自分で売る店を始めたほうがいい。
1992年ホームブリューイングの機械や材料を売るための店を始めた、それがバラストポイントの基礎だ。
半分趣味、半分仕事で「ホームブリューマート」という名前のホームブリュワーの店を始め、4年間続けて非常に上手くいった。そしてホームブリューイングも始めようと思い、店の後ろにブルワリーを作った。

1996年にブルワリーを作り出したが、そこまでの4年間で腕の良いホームブルワーと沢山知り合っていた、その彼らに自分の会社に入ってもらい美味しいビールを造ってゆき、そのおかげでバラストポイントブルワリーが出来た。

2006年、もっと大きいブルワリーを造った。
これは、日本のCOEDOやヤッホーブリューイングよりはるかに規模は大きいのだが、現在キャパシティー上限に達した。
そのため現在、その三倍の規模のブルワリーを新設している最中だ。
今、サンディエゴのクラフトビールカルチャーが凄く盛んになっている。
これが今までのバラストポイントの歴史である、

次はこれからについて話したい。
サンディエゴには100以上のブルワリーがあり競争が激しく、ブランディングが難しい、儲かりたいだけの所は潰れると思うし、本当に美味しいビールを造る所が存続すると思う。
自分たちは、消費者が飲みたいビールではなく、自分達、ブリューワーとして飲みたいビールを造っている
それでこれまで上手くいっているし、これからもそうするつもりだ。
アメリカ全国でバラストポイントが購入できるが、クラフトビールカルチャーが盛んな街で購入しやすい、大体22の州で樽生で飲める。

(ここから一般参加者の質問に移る)
何か質問はありますか?

質問1
「輸入業者として何故ナガノトレーディングを選んだのか?」

ジャック氏
「我々の考え方とナガノトレーディングのアンドリューの考え方は似ている。
自分は自分が飲みたいビールだけを作っていて、
アンドリューは自分が飲みたいビールを輸入していて売っている。
ナガノトレーディングからバラストポイントに輸入をしたいと連絡があって始まった。
バラストポイントは2010年シカゴで開かれたワールドビアカップにて小規模ブリュワリー部門でチャンピオンブリュワリーに選ばれた。
その頃がナガノトレーディングが輸入を始めた時期で非常にいいと思った。
アメリカではバラストポイントは人気で売り切れることがあり、なかなか飲めなかったりする。」

アメリカ人一般客
「東京や横浜ではバラストポイントがパイントで飲めるのに、コロラド州では飲めない、あなた達は非常にラッキーだ」

質問2
「日本で直営のパブやレストランをやる予定があるか?」

ジャック氏
「今のところはやる予定はない。まだ日本については研究中である。
テイスティングルームはやろうと思っている。
(クラフトビールに関する)教育も大事と思っているので、皆さんに色々教えたいと思う。」

質問3
「バラストポイントの社名の由来、会社のロゴマークの意味、ラベルに魚を使っている由来は何か?」

ジャック氏
「ロゴマークは昔の羅針盤である、サンディエゴは海沿いの町なので、海のイメージでブランドを作っていこうと思った、それが社名とラベルの由来である。」
(サンディエゴのハーバーの名前がBALLAST POINTである)

質問4
「日本のこれからのクラフトビール市場とカルチャーについてどう思うか?」

ジャック氏
「ポテンシャルがもの凄くある、
ホームブリューイングを始めた1980年代頃のサンディエゴにすごく近い。
大手ビールだけを飲んでた人がクラフトビールを知ったら戻れない。
日本の消費者が今まで思っていなかった、ビールに多様性がある事を知ることになる。クラフトビールブームが始まっており、いろんなビールの味の素晴らしさを発見してゆくだろう。」

以上がJACK氏のスピーチである。

イベント当日は樽ビールの8タップにバラストポイントを繋いでおり、本場と変わらないバラストポイントのビールが楽しめ、また同じ銘柄のビンや缶などの飲み比べも出来た。
JACK氏、EARL氏ともにとても気さくな方で、一般参加者と気軽に接する様子が伺えた。

バラストポイントペールエール
写真:BALLAST POINT PALE ALE
ABV5.2%、23IBU、ペールエールという名称だがスタイルはドイツスタイルのケルシュ。ラベルは海の生物がモチーフとなっている。

バラストポイントアート写真:この日のイベントのために”手書き”製作されたのBALLAST POINTのロゴマークと、ラベルに描かれている海洋生物のアート作品、中央の大きなBALLAST POINTのロゴマークも印刷ではなく全て手書きである。
イベント2週間前に偶然制作する事が決まり、実製作期間が約3日と短いスケジュールで行われた。
EARL KIGHT氏はこれを非常に気に入り、即座にバラストポイントのFacebookページに写真を投稿すると共に、制作したアーティストに「サンディエゴに来ないか?」とスカウトしていた。

バラストポイントニール氏セールスマーケティング責任者のアール・カイト(EARL KIGHT)氏、非常に気さくな方である。

バラストポイント2写真:BALLAST POINTの歴史が書かれたボードにJACK氏がサインを入れ、それを掲げる佐藤氏

このイベント主催の輸入会社、ナガノトレーディングは、ホームページのトップにこう記載している。
“私たちは常に消費者皆様の立場に立った輸入業者の第一人者であり続けたいと思っています。
『もっと日本の皆様においしさをご紹介したい』その思いで商品を生産者の熱意と一緒にお届けするのが私たちの役目です。”

このナガノトレーディングのような、クラフトビールに誠意と熱意を持った輸入業者のおかげて、アメリカのクラフトブリューワーと日本が繋がれ、以前よりも増して、日本で美味しいクラフトビールが飲めるようになって来ている。
2013年はイタリアやフランスビールの輸入も増え、アメリカのクラフトビールの取り扱いもどんどん増えてきており、ジャック氏のスピーチにあるように、クラフトビール文化の成長期であり、今後が非常に楽しみである。

アンテナアメリカ公式ホームページ
http://www.antenna-america.com/
アンテナアメリカ公式Facebookページ
https://www.facebook.com/AntennaAmerica
ナガノトレーディング公式ホームページ
http://www.naganotrading.com/

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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