[テイスティング]2013.12.28

来年のことを言ってもストーンの怪物は笑わない「レビテーションエール」―ビアレポート(59)

一年の計は元旦になる前に考えている私です。

来年のことを言うと鬼が笑う、と言いますが、もう12月も28日となりましたので、もう鬼が大爆笑するほどではない時期かと思います。クスリと笑うくらいでしょうか。なお、今回ご紹介するストーンの「レビテーションエール」に描かれている怪物さんはまったく笑っていないので、来年のことを言っても問題ないかと思われます。

ということで、今年最後のビアレポートは前回に引き続きストーンの「レビテーションエール」です。

Levitation Ale

Levitation Ale

ビールの説明に入る前に、ストーンのボトルに描かれている怖いオジサンについて。コイツは一体何者で、何という名前なのかが気になったのでいろいろ調べてみました。検索してすぐ出てくるのは、これは「ガーゴイル」さんですよ、という答え。なるほど、ガーゴイルという名前は何となく聞いたことがあります。これはガーゴイルという怪物なのか、というところで止まっていたのが先ほどまでの私。

じゃあ、ガーゴイルとはどんな怪物なのかと調べてみると、怪物ではなく石像のことでした。辞書によると、屋根の上などに置かれる怪物などをかたどった石像のことをガーゴイルといいます。本来は雨水の吐水口としての機能があり、口から水を吐くようなのです。

怖い顔をしてますが、なんだか酒に弱そうな感じがしますね。

結局、この怪物が何者かはわからないままですが、「レビテーションエール」について。スタイルはアンバーエールで、アルコール度数は4.5%と低めです。ほどよいモルト感を中心に、シトラス香としっかりした苦味が取り囲んでいます。見た目よりも後味すっきり。

ちなみに、レビテーション(levitation)とは「浮揚」という意味。この怪物も空中浮揚しているようにも見えますね。ただ浮いているだけではアレですが、来年はどんどん上昇していく年にしたいものです。

それでは皆さま、良いお年をお迎えください。

【BEER DATA】
レビテーションエール
生産地:アメリカ
醸造所:ストーン
スタイル:アンバーエール
アルコール度数:4.5%

アメリカアンバーエールストーン

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

富江 弘幸

ビールライター

1975年、東京都生まれ。法政大学社会学部卒業後、出版社でライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学、英字新聞社ジャパンタイムズ勤務を経てビールライターとして活動中。ビアジャーナリストアカデミーの講師も勤める。

【著書】
教養としてのビール(サイエンス・アイ新書、SBクリエイティブ)
BEER CALENDAR(ワイン王国)

【執筆・監修】
和樂web(小学館)
Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)
東京人(都市出版)
ビール王国(ワイン王国)
ビール大全(楽工社)
るるぶキッチンmagazine 秋冬号(JTBパブリッシング)
あなたのしらない、おいしいビール(cakes)
他多数。

【出演】
金曜たまむすび(TBSラジオ)
ちきゅうラジオ(NHKラジオ第1)
すっぴん!(NHKラジオ第1)
浜美枝のいつかあなたと(文化放送)

Twitter:hiroyukitomie
Website: 地域とビール
Weblog: 地域とビールとブログと

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