[テイスティング]2014.1.17

ビアポエム(7)ホットビール リーフマン・グリュークリーク

寒い日が続きますね。分かっていながらも外に出ると「寒い」を連発してしまうのは人間の性というものでしょうか。「寒いと言ったら100円貯金」なんて始めてみると、結構いい額になるかもしれません。

さて、寒いときにこそビールです。

ビール党各位にはご賛同頂けると思いますが、”ビールも好き”党の方々にもぜひお試し頂きたいのが冬ビール。
こたつに入っていつもの缶ビールもよし。いつもとは違った濃厚なビールを味わうのもよし。
今回紹介するのは後者、いつもとは違う「ホットビール」です。
リーフマン・グリュークリーク
リーフマン・グリュークリーク。
2008年からデュベル・モルトガット傘下となったリーフマン醸造所ですが、17世紀から300年以上の歴史を持つ老舗のブランドです。東フランドル州に位置し、当時スヘルデ川のほとりに建てられた醸造所は現存しています。「紙巻きボトル」で有名なグーデンバンドをはじめ、フルーツビールでも有名です。その中でも、このグリュークリークは基本的には「ホット用」としてボトリングされたものです。

大学時代、よく先輩に釘をさされた思い出があります。「ビールを火から遠ざけろ」と。鍋料理を皆で楽しむときも、缶ビールは決して鍋の近くに置いてはいけない。遠くに置かねば忽ちぬるくなり、ビールの味を損なうと。しかり、と私は天啓を受けた信者のようにこの風習を是としておりました。それから10年・・・、温めるビールを紹介することになろうとは。この記事は破門覚悟で書いております(笑)。

まずは温め方。ぬる燗ではなく少し熱めに、グラスを直接触ったら熱い程度、香りをかいだらむせる一歩手前まで温めます。雪平鍋で直接温めるなら弱火でとろとろと、一気に炭酸が抜けきらないように。小さな泡が鍋底の全体から上がってくるくらいがいいお手前。耐熱グラスであれば、レンジを使うのも手軽です。このときは突沸に注意して。

・・・tasting
甘いクランベリーの香り。シナモンやアニスが醸し出す独得なスパイシーさで、胃がカッと開く。グリューワインよりもアルコールが弱い分、柔らかい甘さを感じられる。少し甘味料の平坦な風味もあるが、舌先をピリッとさせる余韻が複雑味をカバーしてくれて飲み飽きない。冬のほろ酔いには最高。酸のある甘さなので、醤油を使った料理などとも相性は良さそう。

グリューはドイツ語で灼熱を意味しますが、このビールを飲むと体の芯からポカポカとして気持ちよいです。
少し意地悪をして、冷やして飲むとどうか。
温度が低いため甘みが弱く感じられ、スパイスの味わいやチェリーの酸味がよく分かります。こっちが好みという人もいるかも。私は両方飲んで「美味しい」を連発することにしたいと思います。

Liefmans GluhKriek, Liefmans醸造所Duvel Moortgat Group)6%

ベルギービール

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

ニシバヤシ タツマ

ビアジャーナリスト/びあけん1級(2013,2015)

大学時代に自転車旅行でビールのうまさを知る。ほどなくしてベルギービールにカルチャーショックを受け、 世界のビールの虜に。ビールは大人の趣味の1つ。その一期一会を記事やビアポエムとして伝えていきたい。

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