いまいただけるビールに感謝を
asahi.comに、大手メーカーの被災状況が紹介されている。
■ビール大手4社の主な大型工場の被災状況(記事)
SankeiBizの記事では、倒壊した生産施設の写真を掲載している。巨大なタンクが何本も倒れているさまは、M9.0が引き起こした揺れのすさまじさをまざまざと物語っている。同記事によると、アサヒビールの福島工場、サッポロビールの仙台工場は操業再開の目処がたっていない。キリンビールは、缶の材料メーカーも大きな被害を受けた。アサヒとサッポロは主力製品のみに生産を絞っている。またサッポロは、たる詰め工程の一部再開目処が5月中旬になる見込みだという。
3月のビール出荷は10.9パーセント減少(記事)。震災・計画停電の影響で仕込み、発酵、熟成などの製造もストップせざるを得ない状況が続いたため、首都圏のスーパーやコンビニでビールが品薄になっている状態だ。
アサヒビールお客様生活文化研究所が全国の20歳以上の男女約1800人を対象とした「お花見に関する意識調査」(2011年3月4日発表)では、「お花見に欠かせない飲み物」として「麦酒」が65パーセントという高い数字で1位になっていた(ちなみに2008年は74パーセント、2009年は60.1パーセント)。
お花見に持って行くお弁当との相性や、5パーセント前後のアルコール度数が外で飲むのに適しているという理由もあるだろうが、「乾杯はビールで」「外で飲むビールは気持ちがいい」といった文化が日本人に根付いているのは、1800年代から4大メーカーががんばってきてくれているからだとあらためて考える。
各メーカーは夏の商戦に向けた製造復旧に全力を傾けている。こちらでも既報のとおり、被災された国内クラフトビールメーカーさんのご苦労と負担もかなり大きい。震災の混乱の中、商品を市場に出してくれているメーカーさんに感謝しながら、今日も美味しくビールをいただこうではないですか。■
*コラムの更新が遅くなりました。ごめんなさい。
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