韓国でホームブルーイングにチャレンジしました!ヴァイツェン造り②
ホームブルーイング作業記、その第2弾です!
前回に続き、ドライホッピングとボトリングの過程を紹介し、待望のテイスティングについても書こうと思います。前回も触れておきましたが、このホームブルーイングは実家の韓国で造ったものです。日本では造る予定はありません。
2014年1月3日(金)
★ドライホッピング★
ご存知だと思いますが、ドライホッピング(Dry Hopping)とは、「発酵または熟成中のビールに追加でホップを入れること」です。これでビールの香りがもっと豊かになりますね。
今回のドライホッピングのやり方を簡単に言うと、発酵容器の中にホップをホイ〜と入れて終わりです。簡単ですが、素早く行うことが大事です。
今回のホームブルーイングで使ったホップは2種類ともペレットホップです。ドライホッピング時にペレットホップを使うと、リーフホップより香りを強く出すことができます。
・ペレットホップ:ホップを細かく砕き圧縮して、 ウサギの餌みたいに小さな円柱状に加工したもの。・リーフホップ:毬花のまま使うホップで、ホールホップとも言う。
これが本当にヴァイツェン?と思うほど、何とも言えない色ですが…ビールの発酵は順調に進んでいます!
↓↓終わったら、何もなかったかのように素早くラップで密封します。
ラップがけが終わった後に最終比重を測ってみました。最終比重は1.002。初期比重は1.036だったので、アルコールの計算式によると、4.754(%) = (1.036−1.002)X 131 + 0.3
約4.8度のビールになるということですね。
これでドライホッピングは終わりました!ボトリングの日まで、発酵が上手く進むのとドライホッピングの成果が出るように祈りながら待ちます。発酵容器の周りを霧吹きでこまめにアルコール除菌するのも忘れずに!
2014年1月7日(火)
★ボトリング★
いよいよ、造ったビールを瓶詰めする日です!今回はガラスの瓶ではなく、ペットボトルを使いました。ペットボトルに普通に注ぎ込めば良いんじゃないの?!と思うかもしれないが、これが実に体力との勝負なんです。
殺菌消毒剤は専用の酸素系殺菌剤「ワンステップ(One Step)」というものを使いました。
ワンステップは本来ならばマイルドな成分になっていることで、使った後にリンス(水洗い)をする必要がないそうですが、使う時に水の量とワンステップを定量を正確に測って使わなければならないため、結局ホームブルーイングではリンスをするしかないと言われています。
そのため、ワンステップをボトルに入れて殺菌消毒した後、エタノールと水を1:1に溶かした溶液で手をしっかり洗い、ペットボトルに水を入れてボトルの口を手で押さえ、shake it!shake it!と振って水を捨てます。これをリンスと言い、3回くらい繰り返します。
ペットボトルを少しつぶした状態でビールを入れることが大事です!これが結構体力を使ってしまう作業。
なぜかと言うと、ボトル内にいる酵母が糖分を分解し続けてアルコールと炭酸を作り出すため、時間が経つと炭酸でボトルがパンパンに膨らむからです。普通にそのまま入れてしまうと炭酸ガスの圧力でボトルが破裂してしまう恐れが…。
↓↓6本半出来上がりました!世界にたった6本半しかない希少ビールです!
ここで一つ疑問が…。8L造るって言ったのに何で6.5Lしかないの?
私の判断ミスでもありますが、理由は二つです。
一つはドライホッピング時にペレットホップを入れたので、ビール表面に浮いていたホップが注ぐ時にコックに詰まってしまうこと。(詰まる原因には沈殿物もありますが)もう一つは、ビールの沈殿物をすべてボトルに入れてしまうと、いがらっぽい味わいのビールになるので、適量で切ったら6.5Lになったこと。ここまで考えて最初から10Lぐらいは造った方が良かったですね。
この後は冷蔵庫に保管し、コンディショニングに入ります。細かくいうとカーボネイティングとコンディショニングに分かれます。瓶内酵母が作り出す二酸化炭素(カーボネイティング)がビールに溶け込み、不要な臭いを消して沈殿物を寝かすことで雑味を消す(コンディショニング)。ビールの香りと味わいのバランスを合わせつつ、熟成させることです。一般的に上面発酵ビールは数日〜2週間、下面発酵ビールは1〜3ヵ月程度かかります。
これで初ビールが誕生しました!後は飲むだけ!
2013年1月30日(木)
★テイスティング★
この日が本当に来ました。普段は何のためらいもなくビールを飲みましたが、これは緊張しますね。
色は濃いめの黄色で、ヴァイツェンの色を出しています。ヘッドも泡立ちが良かったですが、写真をパシャパシャと撮る途中で半分なくなりました。泡持ちは普通のヴァイツェンより少し短かったです。
バナナのような香りもしつつ、草っぽく爽やかなホップの香りも気持ち良く伝わってきます。ドライホッピングが効いてますね。気になる味わいは!最初はヴァイツェンの甘味。苦味は少ないです。ほんのりとオレンジの甘酸っぱくて爽やかな味もします。さらに松の葉、草のようにホッピー。
ドイツのヴァイツェンのキャラクターは思ったよりは弱かったですが、アメリカンウィートビアの濃厚バージョンとも言えそうです。ブルームーンみたいにガーニッシュをグラスに添えて飲んでも合いそうと感じました。
自分が造ってこういうのもあれですが、初めて造ったビールとしてはなかなか良いのではないかと思います。自分がこうしてみたい、こんな味わいを出してみたいと頭で描いていたのが形になる。本当に楽しく、やりがいを感じる経験でした。日本では一部のブルワリーでビール造り体験ができるので、次回はそちらも体験してみようと思います!
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