[テイスティング]2014.2.26

国花について考えるブラックアイル「ブロンド」―ビアレポート(74)

脱線しやすい私です。

ビールについて調べていくと(ビールだけでもないですが)、本題から外れてちょっと気になったことをどんどん掘り下げていってしまう傾向があります。その結果、いつまでたっても元々調べたかったことがわからない、なんてこともしばしば。

さて、今回はスコットランドの醸造所、ブラックアイルの「ブロンド」をご紹介。

Blackisle Blond

Blackisle Blond

ブラックアイルは1998年に設立された醸造所で、その特徴はすべてオーガニックな原料を使っているということ。モルトもホップもすべてオーガニックです。日本で購入できるのは「ブロンド」を含め、「レッドカイトエール」「ゴールデンアイ・ペールエール」「ポーター」「ハイバネーター・オートミールスタウト」「スコッチエール」の6種類ですが、ブラックアイルのウェブサイトを見る限りでは12種類のビールを醸造しているようです。いろいろな事情はあるのでしょうが、全部日本で飲めるようにならないかな…と思っているわけです。

で、ラベルには何やら見慣れない形が描かれていますが、これはスコットランドの国花であるアザミです。日本でも全国的に生育している花で、葉や茎にトゲがあります。なんでこんなトゲのある植物を国花に…と思ったら、隣のイングランドの国花もトゲのあるバラでした。おお、ではウェールズはと思い調べてみたらリーキだそうです。リーキとは聞き慣れない植物ですが、簡単に言うとネギです。ネギの一種です(ラッパスイセンもウェールズ国花のひとつです)。

ネギはさておき、スコットランドでは、アザミがデザインに多く取り入れられており、硬貨にも描かれています。スコッチエールのグラスもアザミ型をしていますね。

今回飲んだのは「ブロンド」なのですが、コンチネンタルスタイルラガーとなります。グラッシーな香りがあり、爽やかな印象。ウェブサイトを見ると、タイのグリーンカレーからピザまで何でも合う、とのことなので、いつかグリーンカレーと合わせてみたいと思います。ややドライな感じもあるので、辛くてスパイスのきいたタイ料理にはいいかもしれません。

【BEER DATA】
ブラックアイル ブロンド
生産地:イギリス
醸造所:ブラックアイル
スタイル:ラガー
アルコール度数:4.5%

イギリススコットランドラガー

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

富江 弘幸

ビールライター

1975年、東京都生まれ。法政大学社会学部卒業後、出版社でライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学、英字新聞社ジャパンタイムズ勤務を経てビールライターとして活動中。ビアジャーナリストアカデミーの講師も勤める。

【著書】
教養としてのビール(サイエンス・アイ新書、SBクリエイティブ)
BEER CALENDAR(ワイン王国)

【執筆・監修】
和樂web(小学館)
Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)
東京人(都市出版)
ビール王国(ワイン王国)
ビール大全(楽工社)
るるぶキッチンmagazine 秋冬号(JTBパブリッシング)
あなたのしらない、おいしいビール(cakes)
他多数。

【出演】
金曜たまむすび(TBSラジオ)
ちきゅうラジオ(NHKラジオ第1)
すっぴん!(NHKラジオ第1)
浜美枝のいつかあなたと(文化放送)

Twitter:hiroyukitomie
Website: 地域とビール
Weblog: 地域とビールとブログと

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