2014年秋、ミュンヘンに新しいスタイルのブルーパブ誕生
2014年秋、ドイツに面白い醸造所がリニューアルオープンする。
ミュンヘン市内の南に位置するギージング地区にあるマイクロブルワリー、
「ギージンガー醸造所(Giesinger Braeu)」が規模を拡大し、移転先の新しい醸造所内にブルーパブをオープンさせるのだ。
ギージンガー醸造所は2006年に醸造を開始したばかりの若い醸造所。
設立当初の名前が”ビール研究所”であったことからも分かるように、醸造長のサイモン・ロスマン(Simon Rossmann)氏は、革新的なビールを数多く手掛けている。
毎年クリスマス時期には、シナモンや柑橘類の皮を使用したスペシャルビールを造る。
コーヒを加えたヴァイツェンや、ドライホッピングされたIPAなど
これまでドイツではなかなか造られることがなかった他国スタイルのビールも実験的に造っている。
小規模だからこそ、新しいアイディアのビールにチャレンジできるのだ。
もちろんドイツの伝統的手法を継承した定番のへレス、ヴァイツェン、デュンケルの美味しさは折り紙付き。
新鮮なビールが瓶詰めされると、近所の人が醸造所まで買いに来る。
醸造所の庭にはちょっとした行列ができるほどだ。
地元でも愛されているビールなのである。
ドイツのマイクロブルワリーではビールを濾過や熱処理していないところが多い。
ギージンガー醸造所も同様だ。
酵母で白濁したヘレスやデュンケルはフルーティなコクがあって、なんとも美味い。
ただ消費期限が通常のビールより早いので現地で味わう他ない。
現在の醸造所はビルケナウ(Birkenau)通りにあり、一見すると醸造所とは気づかず通り過ぎてしまいそうだ。
新しい醸造所は、そこからは歩いて10分ほど。
小高い丘の上に建つ聖十字教会のお膝元、マルティン・ルター(Martin-Luther)通りだ。
目下、建築中。
ビールのラベルには、町のシンボルでもあるこの教会の鐘楼と身廊が描かれている。
革新的な醸造所であるにもかかわらず、歴史を感じさせる教会を使うとは、ギャップが面白い。
醸造所を移転することで、これまで1200~1500HLであった年間醸造量は5000HLにアップする。
完成すれば、きっとミュンヘンの新しい名所になるだろう。
9月以降にミュンヘン旅行を検討されている方は、是非いち早く「ギージンガー醸造所」を訪問してもらいたい。
2014年5月現在、未完成の醸造所なので、Web等で確認してから行かれたし。
ギージンガー・ブロイ
http://www.giesinger-braeu.de/ドイツ語のみ
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。