キリン、クラフトビールブランド「SPRING VALLEY BREWERY」始動
キリンビール株式会社は、出資100%のクラフトビール専門事業子会社を2015年1月に設立することを発表した(プレスリリース)。ブランド名は「SPRING VALLEY BREWERY(スプリングバレーブルワリー)」。2015年春、渋谷区代官山に醸造所を新設するほか、キリンビール横浜工場内のパブブルワリー「スプリングバレー」を同時期にリニューアルオープン。この2箇所で醸造を行う。複数の通年アイテム、多様な切り口のシリーズ展開を予定している。
醸造所施設内は、醸造の様子を眺めながらできたてのビールを楽しめるレストランやイベントスペース、ビールの歴史を伝える展示などを予定。食事とビールのペアリング、ビールや食にまつわるワークショップほか、飲み手と造り手や、飲み手同士の交流の場を提供する考えだ。
「ビールは本来、多くの味わいや楽しみ方がある。大手ビール会社が画一的な味わいしか提供していないことが、ビール離れにつながっているのでは」(キリンビール 磯崎功典社長)。名称は明治初期、日本で最初に商業的に成功したビール醸造所から。チャレンジとパイオニア精神を象徴するブランドとしている。多彩なビールを醸造することでビール市場を活性化させる狙いがある。
2つの醸造所での年間生産量は200キロリットル弱を予定。2020年の販売目標は年間6〜7万キロリットル、ビール市場全体の約3%を目指す。
スプリングバレーブルワリーが造るビールのコンセプトは「新次元のクラフトビール」。「ビール通を唸らせ、ビールが苦手な人もはじめての出会いに感動するビールを目指す」とし、香り、コク、苦み、甘み、酸味の“究極のバランス”を追求する。
事業開始に先駆け、9月下旬より試作品第一弾「SPRING VALLEY BREWERY 496」の発売を開始する。予約受注制。キリンオンラインショップ「DRINX」(http://www.drinx.jp)で330ml×6本、3000円(税・送料込み)。
購入者からの声をオンラインのディスカッションやイベントでの交流を基に反映させながら試作を重ね、最終版は醸造所オープンに合わせた2015年春に発売予定。予約開始日、第二弾以降などの詳細は後日発表。プロトタイプ名称「496」の由来は未公開。代官山、横浜の醸造所、オンラインショップ以外での発売は予定していない。
「プロトタイプ496は、エールのリッチ感やIPAの苦みなどを持つが、既存のいずれのビアスタイルにも属さない、ハイブリッドな商品」(田山智広マーケティング部商品開発研究所所長)
【限定テスト展開概要/第一弾商品】(資料より)
商品名:SPRING VALLEY BREWERY 496
商品コンセプト:スプリングバレーブルワリーを代表するフラッグシップビール。香り、味わい、余韻が深い、リッチタイプ。
香味特徴:エールのような芳醇さと低温熟成ビールのようなキレ、IPAのように濃密なホップ感。既存のいずれのビアスタイルにも属さない革新的なフラッグシップビール。甘み・酸味・苦みの究極のバランス。
酒税区分/アルコール:ビール/6.5%
原料:麦芽、ホップ
【仕様】(ラベルより)
Prototype:#01(Rich Type)
Specification
Original Graviry:15.1P
IBU:45
ABV:6.5%
Key Hop:BRAVO(Dip Hopped)
Filtration:Unfiltered
Special Ingredient:Passion 🙂
Brewer:蒲生 徹(Toru Gamo)
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。