【シリーズ☆鳥取のビール事情】自宅のカウンターにビールサーバーを備え付けている方に色々聞いたのでレポート
慢性的ドラフトビール不足に陥りがちなここ鳥取。以前、酒屋でビールサーバーをレンタルしてしまうという解決策をご紹介したが、その遥か上を行く解決策が存在した。それは、ビールサーバーを自宅のカウンターに備え付けてしまう。というもの。…はっきり言って反則である。遠足で例えると、「おやつは300万円以内(バナナ含む)」みたいなものである。そんな全てのビアラバーが思わず「ずるい!」いや、「羨ましい!」と叫びたくなる家が米子にあると聞いたので訪れた。お話を伺ったのは田中哲哉さん(43歳、会社役員)。家にお邪魔すると、キッチンにビールサーバーが鎮座ましましていた。その姿は神々しかった。
若い頃からビールが大好きだったと言う田中さん(「若い頃」がいつなのかは明言しません)。「これまでで特に印象に残っているビールは、韓国で飲んだサッポロ黒ラベルですね。それからしばらくは黒ラベル一辺倒でした」。
大手はもちろん地ビールも好きで、よなよなエールがコンビニに並び始めた頃、美味しさに衝撃を受けて店長に2ケース発注したこともあったそう。そんな田中さん、7年前に念願のマイホームを建てることに。すぐ頭に浮かんだのは、カウンターにサーバーを備え付けることだった。“伯耆富士”大山を眺めながら生ビールが飲める家。「これはもう譲れない条件でしたね」と田中さんは笑う。
隣にいらした奥様に当時のことを聞いてみると、「家にビールサーバーなんて最初はびっくりしました。でも、条件でしたからね。私からは特に何も言ってません」と微笑んでいた。ビアラバーの奥様の鑑のような方である。
サーバーには大きく、瞬冷、氷冷、空冷の3種類があるが、田中さんが選んだのは氷冷サーバー。持ち運びできるのと、氷さえあればすぐに冷やせる点に惹かれたそうだ。ビアサーバー専門サイトにて約10万円で購入。設置は大工さんにお願いし、ビアラバーのソフトな無茶振りに見事大工さんが応えた結果、オリジナルの氷冷サーバー付カウンターが誕生した。
完成後、家を訪れる人は皆、一様にサーバーに目を奪われると言う。「お客さん、特に男性陣からは“いいな!”“羨ましい!”と言われます」。奥様いわく「意外と子どもや子どもの友達たちにも人気があるんですよ」とのこと。確かに子どもにとっては面白い形をしているかもしれない。
使用頻度は少し控えめな数カ月に1回程度。大満足だったが、落とし穴も。「メンテナンスが結構面倒です。水通し洗浄はもちろん、スポンジ洗浄もしなくてはいけませんからね。それと、余ったビールをつい一人で飲み過ぎてしまうんです(笑)」。義務感で樽を空けることもあるのだとか(その節はぜひ私を呼んでください)。
最後に、自宅ビアサーバーライフを考えている方にアドバイスとメッセージをいただいた。「酒屋さんと仲良くなるといいですよ。炭酸ガスやジョッキなどをもらえることもありますしね。たくさん飲める友達やビール好きの家族がいるなら、缶ではない味わいが楽しめるサーバーは本当におすすめです!」
取材後、サーバーを眺めて僕は思った。たとえ実際の使用頻度は少なくても、そのクールな佇まいと妖艶な曲線美は最高のオブジェでもある、と。…話がフェチシズムな方向に流れそうなので、ここで筆を置くことにしたい。
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。