「デンマーク クラフトビールとチョコレートの世界」イベントレポート
2015年2月9日、阪急うめだ本店にて「デンマーク クラフトビールとチョコレートの世界」セミナーが開催された。クラフトビールとチョコレートのペアリングイベントである。
講師は東京の三軒茶屋に店を構えるヨーロピアンビアパブPigalle(ピガール)オーナーの山田夫妻(写真右)と、デンマーク発のBean to BarチョコレートFRIIS HOLM(フリスホルム)オーナー、ミッケル・フリスホルム氏(写真中央)、そしてチョコレートソムリエのさつたにかなこ氏(写真左)
Bean to Barとは、豆の状態から仕入れ、工房でローストしてチョコレートを作り上げる、小規模生産のいわばクラフトチョコレート。どこかクラフトビールと通じるところを感じる。
フリスホルムのチョコレートは、ニカラグアからミッケル氏がこだわり抜いて厳選した6種類のカカオ豆を直接輸入して作られている。
セミナーでは、2種類のクラフトビールとそれぞれに合わせた2種類のチョコレートが用意された。
まず最初のペアリングは「モロトフ・カクテル Alc.13%/イーブル・ツイン・ブリューイング」×「チュノ トリプルターン70%/フリスホルム」 チュノとはカカオの品種で5日間の発酵作業が行われた豆を使用している。
モロトフ・カクテルはオレンジやマンゴーの果汁が入ったインペリアルIPA。ホップのしっかりとした苦み、パワフルな味に対して、チュノ(チョコレート)はなめらかでクリーミーな繊細さを持つ。そこへマンゴーの果実感がほんのりと合わさる。コントラストが面白い。相反する2つの特徴が不思議と口の中で解け合い、ジューシーな新たな味を作る。
続いて「ヘア・フレデリクセン ウィーゼル・ブランチ Alc.10.7%/ミッケラー」×「ヨヘ 70%/フリスホルム」 ウィーゼル・ブランチは、希少なコピ・ルアックコーヒーを投入した、オートミール・インペリアルスタウト。コーヒーと、チョコレートのような甘味に、ホップの苦みが被さる。
合わせるチョコレートのヨヘは、ほのかに香るウッディ―なビターチョコレート。
「それぞれ味の要素が強く複雑。この2つが丸く収まって合わさる。おもしろいね」とは、フリスホルムのミッケル氏の感想。現地デンマークでは、ミッケラーのミッケル氏とも親交があり、クラフトビールにも馴染みがあるそう。
こちらのペアリングでは、甘さが少し抑えられ、ビターが引き出された印象もある。
最後に、さつたに氏からなぜそれぞれの道(ビアパブを開く、Bean to Barチョコレートを作る)を選んだのか、その想いを伺う質問があった。
ピガール 山田氏は「ビールは種類も豊富で幅広いという事をもっと知ってほしいと思った。年に1度ヨーロッパに行き、ブルワーを含めたいろんな人達に会って話を聞いてきたが、それを日本で伝えていきたい」と語る。
実際、ピガールで山田夫妻から話を聞き、ヨーロッパの醸造所やビール、食の旅にでる人も多い。(筆者もその1人)
その逆もあり、デンマークはもちろん、他のヨーロッパ等からも人々が訪れる。ブルワーやビール関係者だけではなく、一般の旅行者もだ。
フリスホルムのミッケル氏は「カカオは今まで出会った様々な食材の中で一番おもしろい。今でもカカオ豆やチョコレートの新しい味を発見する事に情熱をかけている」と話す。
もともと料理人であったミッケル氏。インターナショナルチョコレートアワード ワールドファイナルでも金賞を受賞、世界でも高く評価されている。
現在出来たばかりの自然豊かなデンマークの地にあるチョコレートの工房で、新たなフードカルチャーを築こうとしている。
それぞれの専門分野で想いを持つ方々によるセミナーは、和やかな雰囲気で終了した。翌々日、参加者の1人は大阪から東京のピガールにさっそく訪れクラフトビールと再会を楽しんでいったという話を最後に伝えておこう。
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<イベント情報>
今回の阪急うめだでのイベントが好評につき、東京でもペアリング体験を期間限定で開催との事。
3月2週目予定。(モロトフ・カクテルの樽がつながり次第。モロトフ・カクテル×チュノ トリプルターン)
場所は三軒茶屋のヨーロピアンビアパブ ピガール
イベント情報は下記ピガールのfacebookやブログで更新されます。
https://www.facebook.com/pages/Pigalle/166861626662256
http://ameblo.jp/pigalle/
※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。